トルコ風呂問題と「東郷さんを偲ぶ会」
2時就寝。7時起床、昨日飲みすぎたので、納豆汁のみの朝食。午前中、親戚との談話。
11時30分過ぎから市内某所でランチをとりながらの打ち合わせ。15時に事務所に戻り、ひたすら整理。
19時、片付けがひと段落したところで、スーパーで買い物。秋刀魚が1匹50円だったので、思わず2匹を購入。旬である筍の土佐煮、ポテトサラダとともに、夕食。
柏崎トルコ文化村問題の話をすると、たまにくる反応(主に年配者)が、「トルコ風呂」の話題。いわゆる特殊浴場系の話である。この呼称について、昭和59年(1984年)に元トルコ人留学生がこう訴えた。
昭和59年9月10日『読売新聞』
トルコ風呂の改称を訴えるトルコ人
N.サンジャクリ氏
「私は自分の国のためなら死ぬことだってできますよ。その愛する祖国の名がいかがわしい風呂屋の名前になっているなんて・・・。」
三年前、東大留学のため初来日。繁華街の一角でネオンに彩られる「トルコ」の文字に祖国を思い浮かべドアを開けたところ、肌もあらわな女性の出迎えを受け、その実態を知って従業員としばし激論。
「目の前が真っ暗になり、本気で帰国を考えました。イスラム教の神様が最も嫌っているみだらな行為に、自分の国の名が。ああ、もうこの国には住めないと思いました」
だが彼は一度は傷心の帰国をしたものの再び来日、トルコ風呂の改称を訴える決意をした。18日まで自費で滞在。きょう10日午後3時半から参議院会館第二会議室で、自国の文化と伝統を代表する本当のトルコ風呂「ハマーム」をスライドをまじえて紹介、日本人に日本語で理解を訴える。
「サムライと桜の国、日本。心温かい国民性。三年前に日本留学が決定した時にはみんなが私を祝福してくれた」
反ソ感情の強いトルコでは、過去にロシアを破った経験のある日本に対する感情には独特のものがある。今でも、日本の武勇伝は語り継がれ、学校の歴史、地理ではイギリスに割く時間よりも日本に割く時間の方が多いという。それだけに”トルコ風呂ショック”は心に深い傷あとを残した。
「一生懸命訴えますよ。それでもこの不名誉な名称が変わらなかったら、トルコ人の対日感情は一変しますよ。それをどうするかは、日本人の皆さんの問題です。」
この訴えをうけ、同じ年の12月19日に特殊浴場協会が「トルコ風呂」の名称を「ソープランド」に改称した。
ちなみに日本初のトルコ風呂(ソープランド)は、昭和26年、東京・銀座6丁目にオープンした「東京温泉」である。個室の入浴料が当時の価格で300円(当時の物価は煙草の10本入りピースが40円)。ミス・トルコ(トルコ嬢)の美女たちが人気だったそうだが、トルコという名称をつけたことについて経営者・許斐文氏はこう答えている。
1973年5月14日号『週刊文春』
「私たちは風呂好きの日本人に、
トルコの王様のような気分を味わってもらおう
というのでトルコ風呂と名付けただけなのですが・・・」
その翌年である昭和60年(1985年)は「日露戦勝八十年」にあたり、全国各地でその意義を考える祝賀行事が民間で開催された。
中でも、千葉県・船橋市では若い世代の教師が中心になって「四海平和を願う会実行委員会」を結成され、5月26日、ららぽーと劇場(現在はない)で「東郷さんを偲ぶ会」が開かれた。
日露戦争における日本の勝利を祝い、またその意義を伝えるため、なんと1500名以上もの人が集まり、当時の駐日トルコ大使であるヌルベル・ヌレシュ閣下も来賓として出席された。
日本は国としてのイベントは実施せず、民間の心ある人が歴史を伝えようとこのようなイベントを開催していたが、そこに出席されたトルコ大使には頭が下がる思いである。
トルコ大使は祝辞の冒頭、このトルコ風呂騒動に触れ、
「日本の皆さん、
『トルコ風呂』という呼称をやめて下さって
ありがとう」
と、まず場を和ませた。そして、次のように話されたという。
「私は小学校時代、教科書で、
東郷元帥は軍人としてだけでなく、人格的にも立派だと、
教わりました。
ロシアのバルチック艦隊を破った元帥は、長年ロシアと
戦って勝てなかったトルコ人にとっても英雄です。
あの時トルコも、ダーダネルス海峡を通過するロシアの
黒海艦隊を牽制して、日本に協力したんです。
先日、江田島の幹部学校に招かれて講演しましたが、
東郷元帥の遺髪がまつられていて、感激しました」
いまから約20年前の昭和59年、昭和60年にも、トルコ共和国との関係を日本人が考えた時期があったのである。
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