一晩中、うなり続ける。9時、ひきわり納豆とレトルトおかゆで朝食をとり、熱をはかるとまだ39度。どうりでフラフラするはずである。なんとか着替えて、市役所に移動。体調は最悪であるが、本会議を欠席するわけにはいかない。
10時から臨時議会。議案は3件あったが、問題は「議第126号 平成19年度一般会計補正予算書(第9号)」の罹災者公営住宅のための土地取得費9億円であった。
柏崎市が所有する土地で未利用の土地は多くあるうえ、市民会館の移転、そして耐震面の判断から市役所の移転まで言われているなか、何故新たに土地を購入しなければならないのか、到底納得がいかない。
市民会館の跡地の利用となれば、地質調査の必要もないうえ、取り壊しされすれば、明日にでも着工できるのである。もちろん、期限の2年うんぬんの問題はなくなる。
さらには、今回購入予定の桑山木材跡地には都市計画道路(北半田中浜線)も予定されており、土地のなかには水路も通っている。*画像をクリックすると大きくなります。
「柏崎市所有の市有地 '07/3/31」pdf形式
これから工事上の複雑さ、都市計画の変更などの手続きの困難があるにも関わらず、「わざわざ」という言葉がふさわしいほど、場所ありきで話が決まってきたことがみえみえである。
長い総務常任委員長報告のあと、質疑応答があったので、一つだけ議事録に残す意味でも確認として質問をしておいた。
「委員長報告では全員異議なく賛成
とのことであったが、出席状況は」
これはこういうことである。
今回の新規の土地購入に慎重な姿勢をみせていた整風会、公明党、平成会の委員の3名が出席できない1月7日に総務常任委員会を開催し、賛成多数、反対意見なしで委員会可決した。議会最優先であるには変わりないが、十分な日程調整もしないままに、さらには1月9日に全員協議会もあるにも関わらず、強引なまでの日程の設定をしたのである。ちなみに、総務常任委員会の委員長は社会クラブの矢部議員、副委員長は柏崎のみらいの池田議員であり、この議案を進める立場であった。
いずれにせよ賛成、反対どちらであろうとも、委員3名がいないという異常な雰囲気のなかで委員会可決した議案であり、総務常任委員長の報告そのままで<質疑なし>では、全員が賛成したかのように記録が残るのでそれを阻止したかったのである。
質疑のあとの討論では、反対討論が公明党、平成会、民友、整風会、賛成討論が市民クラブ、柏崎のみらいであった。
驚いたことに反対討論の最中、会田市長が反対討論をしている議員に汚い野次を飛ばす始末。まがりなりにも、自治体の首長ともあろうリーダーが、自分に反対する議員へ野次を飛ばすのである。それだけ本質を突かれたことの証左ではあるが、品格を疑われるであろう。
賛成討論では、お約束の「9億円で済むなら」論が展開された。それはあくまで土地代だけのことであり、そののち上下水道、ガス、建物と億単位の金が必要になってくることを分かっていない。いまの柏崎市の財政状況にそんな余裕はない。
採決の結果、賛成したのは、
社会クラブ(4)、市民クラブ(2)、共産党(3)、
柏崎のみらい(3)、蒼生会(2)、自治研究会(2)、
平成会の一部(2)
で<賛成18>対<反対11>となり、可決した。それにしても、これまでの分散型、地域コミュニティーに密着した、戸建の罹災者住宅を主張していた共産党の行動がわからない。政策の理念より、議会内の論理に迎合するとは不確かな野党である。
午前中に議会が終了したことで、自宅に戻らせてもらう。
午後からは市役所の耐震診断報告など市政報告とのことであったので、体調の悪さもあり、報告であれば後に報告書をもらうことで勘弁してもらおうと思った。
人第422号
平成20年1月17日
市議会議員 各位
柏崎市長 会 田 洋
市政に関する報告会の開催について(案内)
日ごろから、市政運営に御理解と御協力を賜わり、厚く御礼申し上げます。
公私ともお忙しいところとは存じますが、下記により市政に関する報告会を開催し、市政運営の状況等について御報告させていただきたいと考えておりますので、御出席いただきますよう御案内申し上げます。
記
1 日時 平成20年1月21日(月)臨時会終了後
2 会場 市役所大会議室(4階)
3 報告案件等
(1)本庁舎耐震診断中間概要報告について
(2)その他
しかし、事実は違ったのである。
14時22分に、議会事務局から入ったFAXにはこのような報告事項が掲載されていた。
1.教育委員会におけるセキュリティポリシー及び個人情報保護条例違反の処分について
2.市役所本庁舎耐震中間報告について
3.旧柏崎トルコ文化村内の民有地所有者が物件の所有者を提訴した事案において柏崎市が訴訟参加することについて
4.東京電力寄付金に関する県への活用要望について
・・・・・議事録が残らない報告会を実施して重要案件を伝えるという、とにかくやり方が汚い。特に3番の「旧柏崎トルコ文化村内の民有地所有者が物件の所有者を提訴した事案において柏崎市が訴訟参加することについて」については、お金を使う話であり、こういうことである。
現在、旧柏崎トルコ文化村を購入したウェステックエナジー社は、民有地の地権者に使用料を支払っておらず、地権者から訴えられている。訴えられているウェステックエナジー社としては、売主である柏崎市の責任もあるとして、柏崎市に「訴訟告知」をしたのである。
*訴訟告知
訴訟の継続中、当事者が、その訴訟に補助参加(民事訴訟法46条)をなしうる第三者に対し、訴訟係属の事実を法定の方式(民事訴訟法53条)により知らせることをいう。
この場合は、買主であるウェステックエナジー社が<被告>、民有地の地権者が<原告>であり、基本的にはこの間で争われるが、<被告>となったウェステックエナジー社は売主である柏崎市<第三者>に、アンタにも責任あるよ、参加しなさいとしたのである。
このまま告知をされても裁判に参加しないまま、もしウェステックエナジー社が敗訴すれば、柏崎市は敗訴の責任を争うことが出来なくなり、そのまま損害賠償を払う事になる。そのために、柏崎市としては裁判に参加するので弁護士費用115万円を予備費から支出したいというのである。
たかが115万円という議論もあったようであるが、予算を使うのである。本来は議会で承認を得るべきものであるうえ、そもそも予備費などという姑息な手段を使うべきではない。
昨年の12月議会で、この譲渡契約について
「いい加減な契約」
と言っただけで、社会クラブの矢部議員が騒ぎ、議会が中断したが、その通りの「いい加減な契約」であったことが露呈したわけである。
正当な手続きを踏んで行った売買契約ならばこんな裁判は起きないうえ、無駄な支出もない。柏崎市が契約した「いい加減な契約」でこういう結果になったのであり、なぜ市民の血税を支出しなければならないのか、市三役の給与を返還し、その費用を当てるべきである。
今後、柏崎市はこの裁判に参加するが、ウェステックエナジー社が敗訴すれば、柏崎市にも損害賠償が請求され、さらには旧柏崎トルコ文化村自体の譲渡契約解除の恐れもでてくる。
そのため、柏崎市は市民である民有地の地権者を【敵】として、ウェステックエナジー社と共同戦線を張ることになるであろう。
柏崎市役所は誰の税金で(おまんま)を食べ、暮らしているのか忘れているようである。
今後の裁判のゆくえはもとより、この115万円の支出について追及していきたい。
13時過ぎ、おかゆとひきわり納豆を食べ、静養・・・したかったが、各方面から色々な問い合わせがあった。
今日の議案については、これまでに被災した自治体の議員も注目しており、また防災体制の確立に一所懸命な自治体からも注目されていた。
経験された自治体の議員からは、
「10年後が大変ですよ」
との指摘があった。過去の知見を鑑みない、今回の議案はその通りになりそうである。
18時、干し納豆と長ネギをたっぷり入れた、赤ダシ仕立ての鍋焼きうどんで夕食をとる。
まだ熱を下がらず、今日の議案やその後の報告事項のお陰?でさらに体調悪化である。
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