6時、起床。ノートパソコンでひたすら資料を作成する。
8時、カプセルホテルをでて、 「富士そば 秋葉原店」で「天玉そば 430円」で朝食をとる。
9時過ぎから某国会議員の都内事務所で柏崎で行う予定のアウトドアイベントへの動員のお願いを行う。
11時過ぎ、品川プリンスホテルアネックスタワーの5階に移動。途中のコンビニで購入した、レタスサンドイッチ、納豆巻き、野菜ジュースで昼食をとり、第6回全国原子力発電所立地議会サミットの準備を行う。
13時から「富士の間」にて、「第6回全国原子力発電所立地議会サミット 21世紀のクリーンエネルギー~安全・安心・信頼~」が開会。
主催者の挨拶ののち、各政党や省庁からの挨拶となったが、経済産業省、文部科学省は大臣ではなく、次官クラスの代理出席であった。なめられたものである。
自民党代表も欠席ということで、自分が党籍を持つゆえに、静かに怒りの導火線に火がついた。
共産党の代表からは、自然エネルギーに代えていけば平和が訪れる、米軍基地を返還してもらいソーラーパネルを敷き詰めれば防衛問題も解決するなど、お約束の妄言 があり、後ろから大きな声で野次ったが、アウェイとも言えるこの場で発言する度胸には拍手である。
その後、基調講演として、原子力委員会・近藤駿介委員長からお話があった。以下が配布された要旨。独特な言い回しのある文章が近藤先生らしい。
「我が国のエネルギー供給における原子力の役割と責任」
1.原子力政策の基本目標
我が国の原子力政策の基本目標は、原子力の研究・開発・利用を、平和の目的に限定し、放射性廃棄物を適切に管理することも含めて、その安全を確保しつつ推進し、第一に、エネルギーの安定供給と地球温暖化対策に対する原子力発電の貢献をいっそう大きくしていくこと、第二に科学技術、工業、農業、医療等の分野で効果的に利用されている放射線をより一層広汎に活用していくこと。
2.内外の原子力発電の動向
(1)我が国では2007年末に55基、49GWの原子力発電所が運転。総発電電力量の約1/3を担い、エネルギー自給率を4%から18%(ウランを準国産としてカウント)に押し上げ。この規模の発電を火力で行うと二酸化炭素の排出量が約2億トン増加
→ 原子力発電は我が国の年間二酸化炭素排出量を約15%削減することに貢献。
(2)世界では、2007年末には31ヵ国で合計435基、392WGの原子力発電所が運転。電力の約15%、一次エネルギーの6%を供給。二酸化炭素の排出量を年間約11億トン(4%)の削減に貢献
(3)原子力発電規模が大きい国は、米、仏、日、露、独、韓、ウクライナ、カナダ等。そう発電量に占める割合が大きいのは、仏(約80%)が最大で、以下、リトアニア、スロバキア、ベルギーの順(以上、50%以上)。米国は20%程度。現在、建設中のプラントは43基、ロシアと中国が8基、韓国とインドが6基、ルーマニアと日本が3基など。
3.現在の世界のエネルギー情勢
(1)原油価格の急速な高騰:原因は
1)途上国の経済発展によって需要が増加しているが、これに応じては生産が伸びないため。←世界の石油の生産量がピークに近づきつつある兆候。
2)石油価格の高騰を見て、資金が不動産部門から資源部門にシフトし、資源バブルが発生。このバブルはすでにはじめる兆候。しかし、需給の逼迫状況は今後も続くから、バレル60-80ドルという水準は維持され、天然ガス価格に波及(エネルギー高価格時代が到来)。原子力発電所の競争力は、石炭にはかなわないが、高まってきている。
(3)地球温暖化対策に対する関心の高まり:将来における温室効果の悪影響を避けるためには、人類はいまから大気中の温室効果ガス濃度をあまり高くない水準に安定化されることを目指すべきで、2050年までに世界の温室効果ガスの排出量を半減することを目座して各国は地球温暖化対策に取り組むべき(洞爺湖G8サミット)。温室効果ガスの発生源はエネルギー生産部門26%、運輸部門13%、産業部門20%、森林管理17%、農業13%。エネルギー供給や運輸部門の伸びが大きいので、エネルギー消費の抑制と、自動車の燃料転換、バイオ燃料、太陽、風力といった再生可能エネルギーの利用、原子力発電の利用、二酸化炭素の分離・貯蔵(CCS)を伴う化石燃料の利用に取り組む低炭素エネルギー源の活用など、低炭素エネルギー源の利用を推進するべき。
例1:国際エネルギー機関(IEA)のエネルギー技術展望2008
温室効果ガスの排出量を2050年までに2000年比で半減するには、エネルギー利用効率の向上、二酸化炭素の分離・貯蔵技術の大幅な採用と並んで、この年の世界の電力の46%を再生可能エネルギーで、25%を原子力発電で供給する(今後、毎年30基以上を運開し、この年に現在の規模の4倍、約1400GWの原子力発電所を運転させている)ことを目指すのが経済性の観点から合理的。
例2:総合資源エネルギー調査会の長期エネルギー需給見通し
我が国が低炭素エネルギー社会を目指すには格段の省エネ、非化石エネルギー利用努力が必要で、それには大きな費用が掛かる。最大限の努力を行うべく2020年までに約52兆円を注ぎ込むと、2030年には非化石エネルギーの一次エネルギー供給に占める割合が18%(2005年)から30%、電力供給に占める割合が62%(原子力発電は設備容量が約62GWとして49%)、二酸化炭素排出量が1990年比-13%になる社会を実現できる。
4.原子力政策への要請
(1)現在稼働中の原子力発電所を、安全を確保しつつ最大限効果的かつ効率的に運転していく傍ら、原子力発電所を今後とも着実に建設していき、我が国の総発電量に占める原子力発電の割合を2030年以降においても現在の30~40%という水準以上にする(2005年の原子力政策大綱)ことは、我が国の望ましいエネルギー社会に転換するためにとるべき重要な取組のひとつ。一方、世界的には、原子力と再生可能エネルギーが大競争の時代に突入することも認識されるべき。
(2)重点的に推進していくべき基盤的取組
1)安全の確保に関して人々の信頼を得ていくこと
2)広聴・広報による相互理解活動を進めて、政策策定過程への国民参加や決定した政策の実施に対する国民の参加や協力を得ていくこと。
3)小、中、高教育における一般教育ならびに専門教育における原子力教育の維持・充実や立地地域におけ保安業務従事者の育成機能の休日、専業主婦層を含む社会人の生涯学習環境における原子力に関する学習コースや展示施設等の充実等、原子力に係る国民の多様な学習機会を整備・充実。
4)原子力施設は資本集約的で雇用誘発効果は小さいので、利益の衡平の観点から、電気の利用者が立地地域社会の発展に協力する仕組みとして整備された立地交付金制度を、政策目標の変化に応じて見直しつつ充実すること。
5)自治体には、最近の地域発展政策で注目されているように、地域社会における企業家精神に富んだ活発な企業家の積極的な事業への取組を、NPOや事業者と連携し、教育訓練、学習機会、地域ネットワークの整備を通じて応援し、その数を増やしていくべき。(3)原子力技術の性能や完結性を向上する取組の着実な推進
1)既存設備の効果的活用を追求すること。このため、海外では従来から行われている定格出力上昇や負荷変動運転を着実に実現していくこと。
2)発電所建設計画や放射性廃棄物の処分を含む核燃料サイクル事業に係わる計画を確実に推進すること。
3)我が国原子力産業が製品の細部にまで気配りしながらプロセスや製品の改善・改良を着実に進めていく、信頼できる技術供給者であり続けるよう期待していくこと。
4)原子力技術が持続可能な技術として長く利用されるよう、次世代軽水炉や高速増殖炉等の第4世代の原子力炉技術の研究開発を中心とする将来の望ましい原子力利用システムの構築を目指す取組を各国と共同して推進していくこと。
5.最近の重要課題
5.1 耐震安全性の確認
(1)女川、志賀、柏崎・刈羽で設計基準値震動を超える地震動を経験。原因は、伏在断層の推定規模が過小であったこと、全国平均の地震動距離減衰式が当てはまらない特殊な地下構造の存在が考慮されていなかったこと。
(2)現時亜、新耐震設計審査指針の考え方に基づき、全プラントで最新の技術を用いた活断層の調査を念入りに行い、発電所敷地の地下特性を考慮に入れて基準地震動を決定し、それに基づき耐震安全性のチェックを行う活動を実施中。
5.2 『保全プログラム』に基づく保全活動に対する検査制度
(1)信頼性重視保全方式:定期的な分解点検を過度に行うことは、組み立て不良や異物の混入等の保守不良やヒューマンエラーによる故障発生の機会が増え、かえって設備の信頼性低下の要因になり得るとの指摘から、運転中の機器の状態監視などにより、設備の状態に応じた最適な分解点検頻度の設定を行う信頼性重視保全方式が開発され、世界の航空機産業、石油化学産業、原子力産業などでは1990年代より採用され、設備の信頼性向上、ひいては安全の確保に成果を挙げてきている、
(2)我が国でも、国が技術の進展や知見の蓄積を考慮せずに機械的に定期検査を行う方式を改善することが検討され、最近に至って、この方式を取り入れ、事業者に具体的な保全計画、保全の実施結果及びそれを踏まえた改善計画について国に報告させ、それぞれの適切性を国が確認し、必要に応じて保全活動の充実を促し、変更等を命じることで、原子力安全をより一層向上させ得ると判断し、これを踏まえた新検査制度を導入。
(3)これにより、事業者には、分解点検時の機器の劣化状況のデータや、運転中のポンプの震動等を科学的な方法で収集し、点検方法・頻度等に継続的に反映させること、国には、運転開始後30年目以前から事業者が実施する劣化の傾向監視の適切性について事業者の保全計画で確認し、その実施状況を保安検査や定期安全管理審査等で確認することが求められるので、経年劣化によるトラブルの防止や、機器の不具合の発生の低減が一層確実に期待できる。
5.3 リスク管理の徹底
(1)原子力は再生可能エネルギーやCCS前提の化石燃料と大競争の時代を迎える。システムの安全性、経済性、信頼性に影響するかもしれない組織の欠陥や新知見、競争相手の新しい動きを見出したら、遅滞なくそれにより競争に負けるリスクを評価し、そのリスクを十分小さくするための対策に取組むリスク管理活動を確実に実施すること。行政や事業の主任者は、これを確実に行えることがガバナンスを担う要件であることを片時も忘れないこと。
(2)安全面では、不測の事態や信認の劣化が発生する可能性を十分低くするために、国や事業者は、内外の運転経験や地震学、原子力安全学等の学界における最新の知見や知識の欠陥に絶えず注目し、無視できないものを見出したら、その影響を評価し、対策を検討し、事業継続可能性に係るものについては自らの判断で、安全対策の実施や規則ポジションを変更すべきものについては規制当局と事業者が対話を通じて、それぞれの立場からその実現に向けて速やかに行動することが重要。そうしたリスクの変化をトップが速やかに把握できない故に対策が後手にまわり、規制の変更が遅れて最新技術の適用に時間が掛かり過ぎると、原子力は競争に負け、退場を求められることになる。
5.4 核燃料サイクル事業の推進
(1)基本方針:使用済燃料は再処理してウラン、プルトニウムを回収し、プルトニウムについては当面は軽水炉において利用すること。
(2)当面重要な取組:1)プルサーマルを着実に推進すること、2)初の商用再処理工場の操業を着実に進めること、3)当面再処理しない使用済燃料を貯蔵しておくリサイクル資源貯蔵施設の整備を進めること、4)再処理で発生した高レベル放射性廃棄物のガラス固化体を、地上において30年ないし40年間貯蔵した後に、地下300メートルより深いところに処分する(地層処分という)ための取組みを着実に推進すること。
(3)高レベル放射性廃棄物の処分場の立地点選定:この処分は安全に実施可能であること、この立地は国民に利益をもたらすから、利益の衡平の観点から、受け入れ地域の持続可能な発展に対して国民の協力が得られることを伝えて、全国2000の自治体に対して公募中だが、未だ成果を得られていない。昨年の東洋町における挫折の経験を踏まえて、国がもっと前に出て説明を行うとともに、地域の意向を尊重した国による文献調査実施の申し入れを行う方式も追加。温暖化対策の一つとしてCCS(二酸化炭素の海底や深い地層への処分)の取組が世界各地で行われようとしているように、地層処分は一般的な技術。地道な相互理解活動が何より重要。
5.5 研究開発の着実な推進
(1)原子力が人類の持続的発展に貢献し続け得るためには、技術の持続可能性を高める必要があり、この観点から、1)次世代軽水炉技術、2)高速増殖炉とその燃料サイクル技術、3)原子炉熱を利用した水素製造技術、4)核融合炉技術の研究開発を推進している。
(2)リスク管理:このためには、今後とも他の持続可能なエネルギー供給技術に勝てることが重要であるため、太陽光発電技術や風力発電技術等の進歩を定期的に予測して開発目標を見直し、これを達成できる知恵と工夫を行っていくべき。原子力委員会は、それが達成できないと評価したら、それまでいかに立派に努力したとしても遅滞なく撤退を指示する責任を胸に、関係者に開発目標を見直しとそれを達成できる知恵をだすことを求めるとともに、そうした知恵を懐胎、育成するのに必須の基礎・基盤研究の充実を求めている。
5.6 国際社会の一員として
(1)我が国原子力産業は、この30年間、国内で着実に原子力発電所の建設を行ってきたので、原子炉製造技術の分野で世界のトップグループに位置。気候変動とエネルギー安全保障上の懸念に取り組む手段として原子力計画への関心を示す国が増大しているので、今後は世界市場が拡大。我が国企業はこの蓄積を生かして世界市場に良質の技術を提供し、国際社会に持続的発展や国富の増大への貢献を目指せるから、政府はそのための環境整備を推進するべき。
(2)具体的には、まず、原子力発電に着手する新興国には、核不拡散、原子力安全、核セキュリティの確保(3Sの確保)という原子力平和利用の基本原則の遵守に係るインフラを着実に整備させることが必要。
(3)核不拡散の観点:核兵器不拡散条約(NPT)に加盟し、国際原子力機関(IAEA)と保障措置協定を締結し、全ての機微な核物質をIAEAの保障措置活動、すなわち、機微な物質の在庫量の計量管理活動及び封じ込め活動等を査察によって、それが平和利用以外に用いられている可能性がないことを検認する活動の下に置くこと、原子力活動以外の関連活動についてもIAEAに情報提供するとともに、それらに対する臨機の立ち入り検査や任意の場所におけるサンプリング検査を認める「追加議定書」を締結すること。 この分野には次のような課題もある。
1)NPTに加盟しないで原子力活動を行っているインド、イスラエル、パキスタン、NPTに加盟しているにも係らず秘密裏に活動を行っているとされているイランと北朝鮮の存在、追加議定書を受け入れていない数十の国が存在していること。
2)今後原子力発電を行う国の数が増えるとIAEAの査察活動が増大するのに国際機関の予算はほとんど増えていない。基本は、IAEAの予算を増額すること、この活動を最新のIT技術を駆使してより効果的で効率的なものにするための技術開発を行うこと。さらに、多国籍の核燃料サイクル施設だけが存在する将来社会を実現していくべきとの提案の検討にも真剣に取組むこと。
なお、核不拡散の問題を複雑にしているのが、核兵器の存在。我が国は核軍縮に向けて国際的な機運を高めていくことに積極的であるべき。
(4)安全確保の観点
1)原子力活動を推進する第一義的責任は施設の運転責任者にある。だから、チェルノブイリ事故の発生後、関係者は、大事故を決して再発させてはならないと決意し、世界原子力発電所運転者協会(WANO)を設立し、各施設における安全確保活動や安全文化を相互にレビューする活動を行ってきている。電気事業者は、新興国の原子力事業者もこの仲間に入れて、彼らの安全確保活動の水準向上に協力していくべき。
2)各国政府には、人は誤り、機械は故障することを踏まえて、それでもなお大事故の発生確率を十分小さくするために深層防護の考え方に基づいてプラント設備や運転方式を設計し、それらを重要度に応じた品質に維持すること等、事業者が遵守するべきルールを定め、それを遵守させる責任がある。よって、IAEAにこうした重要な安全基準や勧告、ガイドといった国際標準を作成させ、それを各国が国内制度で活用することを求める一方、国際原子力安全条約に基づき、各国の安全確保インフラが高い水準で構築・維持されるよう、各国の安全規制活動の相互レビュー活動も行われている。こうした原則の遵守やレビュー活動への参加も求めていくべき。
(5)核セキュリティの確保の観点
核セキュリティの確保とは、原子力に関する活動が核兵器や放射性物質によるテロ行為の危険を増大しないように、こうした活動にあたっては原子力施設へのテロ活動と、これらの施設からの核物質や放射性物質の盗取を防止すること。9/11テロ事件以後、このことの重要性が指摘され、国際社会においては、核物質防護条約の改正から、各国にNBCテロ行為を処罰する制度整備を求める国連安全保障理事会決議1540に至るまで、取組みの強化が行われている。これを受けて我が国を含む各国において関係の取組みを強化してきているところ、新興国に対してもこのことに関して共同作業を求めていくべき。
5.7 日本の未来とのかかわり
(1)人口が減っていく日本が追求するべきは、孤立ではなく、国際社会における人、知恵、ものづくり、生活、文化のネットワークの一つのハブとして世界と相互交流している姿にあるのではないか。国民の福祉の向上のために原子力に関する知識を活用する各国の取組を二国間、多国間の枠組みを通じて支援し、あるいは共同していくことで、これの好例・先例を切り開くべき
1)IAEAは、今後原子力発電を導入したいとする国の参考のために、これらの取組みに係る国内体制を整備する手順を示したマイルストーン文書を作成。我が国は、これを効果的に活用して、新興国がこれらに関するインフラを着実に整備して行くことを応援するべきと考え、洞爺湖G8サミットで核不拡散、原子力安全、核セキュリティに立脚した原子力エネルギー利用のためのインフラ整備に関する国際イニシアティブを提案。
2)第4世代の原子炉技術の開発やITERの開発のように、長期的観点に立って行われる研究開発の取組において、相互裨益の観点から志を同じくする国々と共同してプロジェクトを立ち上げ、推進している。
(2)人類の福祉の向上に資する国際原子力開発利用システムの構築は100年の計に係る問題。世界で有数の原子力大国として、国際社会の持続的発展に貢献する観点から、このシステムの構築を目指す取組を、様々な地球規模の連帯と相互学習のネットワークを通じて自ら企画・推進し、あるいはそうして取組に積極的に参加していくべき。今後原子力大国になる中国、インドを含むアジア地域協力の枠組みに原子力分野における協力をどう位置づけるかについても、この観点から真剣に検討していくべき。
6.結論
我が国のエネルギー供給における原子力の役割と責任を踏まえれば、我が国が解決に勤しむべき原子力政策課題は国内外に少なくない。他方、世界各地で原子力を巡って取り組みがなされている課題、その解決のための議論は驚くほどに類似。したがって、我が国は、国も自治体も、こうした課題の解決にあたっては、より良い解決を見出すことができる可能性が高いのみならず、日本の未来を切り開いていくためにも有意義と考え、内外の多様な人々と積極的に対話していくべき。
勉強になるお話であり、ほとんどが同意できる内容であったが、中国など他国に技術を容易に渡してしまうことのリスクと、日本国内の次世代技術者の養成について言及がなかったところが残念であった。
質疑応答の時間は、またもお約束で反対派のアピールの場となった。
休憩ののち、15時30分から分科会に分かれての議論。
今回は、「第2分科会 核燃料サイクル政策とプルサーマル」を選択した。座長は、青森県大間町議会の竹内弘議長、宮城県女川町議会の木村征郎議長である。
テーマやメモは以下の通り。
(1)核燃料サイクル政策
・国が全面にでないと柏崎刈羽ではプルサーマルはできない。
・本気で国も進めてもらわないと困る。
・カザフスタンに任せることは良くないのではないか。
・プルサーマルによる交付金のトップランナー方式はおかしいのでないか。
・プルサーマル導入は金に目が眩んだわけではない。日本はエネルギーのない国。
(2)高速増殖炉サイクル
(3)高レベル放射性廃棄物最終処分施設
「ウランという麻薬にかかっている」「日本はプルトニウムで原爆を作ろうと思われている」(軽水炉でできるプルトニウムで原爆はできない)など、感情論的には面白い意見もでたが、原子力発電所立地自治体の議員としては賛成・反対を別にして、最低限の原子力に関する知識もわきまえない意見であり、同様の質の意見が続いたところで、正直、メモをとるのをやめてしまった。
また、このサミット自体は国への陳情大会ではないと繰り返し言っているにも関わらず、「国に質問しまーす」といった発言も続いたからである。
あまりに酷いので、嫌われるのを覚悟で、
・ここは陳情大会の場ではない。
・賛成・反対は別にして議員として最低限の原子力に関する勉強は必要であり、さらには日本人全体への教育として核に関する知識、そして日本のエネルギー事情を教える必要がある。
・反対派も感情論やデマゴギーはやめてほしい。技術的に誠実な反対はできないものか。一番直近の事例は、高知県東洋町の処分場文献調査である。『WiLL』をだしているワック出版の『誰も知らなかった小さな町の「原子力戦争」』を是非、教訓にしてほしい。
と発言させてもらった。
もっと残念だったのは、柏崎市議会の某議員から
「原子力発電所は危険だから交付金がある。
安全だと言うなら交付金をもらうのはおかしい。
交付金をいらないということはできないのか」
との発言があったことである。
電源三方交付金による原子力発電所立地自治体への交付金制度は、当時の小林治助市長、長野助役をはじめ、当時の柏崎市議会、柏崎市で陳情し、実現したもの(このサミットも柏崎市議会からの呼びかけ)。つまり、柏崎市と原子力発電所の歴史をまったく理解していなかった。案の定、これまでの経緯をご存じの某自治体の議長さんからは、
「柏崎さんも大変だねぇ~
あんな事言う人がいちゃー」
とのイヤミを頂戴した。
再度、休憩となったので、ホテルにチェックインして荷物を部屋に置いたのち、18時30分から交流懇談会となった。
何人かの議員の方から声をかけられ、本ブログを見ているとのことであった。ありがたいことである。
また、名刺交換をして、「柏崎の三井田」と分かった段階で、ドン引きされた議員がおられた。その方は、ネットなどで 「三井田は、右翼活動家で暴力団組員」などという誹謗・中傷とも言うべきものを信じてしまっていたようで、その後も会話を続けているうちに、
「ご本人、全然、違うんですね」
とおっしゃられていた・・・当たり前である。
交流懇談会の食事はビュフェ形式で、色々なものがあったが、ナチュラルチーズコーナーに好物のミモレットがあり、ウイスキーの水割り、ビールを交互に飲みつつ、大量に食べてしまった。
交流会終了後、先輩・同僚議員とともに新橋ガード下まででかけ、「モンローの家」(電話:03-3437-1529)にて、「ハツ刺身」、「いか焼き」など安価な肴と、 「一ノ蔵」の冷やで懇親会。
店員の可愛らしく若いミャンマー人女性が愛想良く、ハキハキした態度で気持ち良く酒が進む。
その間に都内のS氏から電話があり、相談事があるとのことで、懇親会終了後、ホテルロビーに戻って、待ち合わせ。
S氏はライターで、会社勤めからフリーランスになったものの、なかなか強みをだせる分野が見つからず、ネタを探しているとのことであった。提供できそうなものなど1時間ほどお話し、24時近くに部屋へ戻る。
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