長岡・上越間 鉄道活性化シンポジウム
3時、就寝。
7時、起床。大粒納豆、目玉焼き、ほうれん草のおひたしでご飯2杯の朝食をとる。
ショートステイで祖母をお願いしていたところ、高熱がでたため、病院に連れていくことになり、午前の打ち合わせ等をすべてキャンセル。母親も寝込んでおり、悪いタイミングである。
10時から祖母を連れて、診察。診察の結果、心不全のほか、肺にも水が溜まっているとのことで、急遽の入院となった。熱も38度を越えており、88歳という年齢も考え、個室の病室。
12時、一旦、自宅に戻り、祖母の着替えや身の回りのものなどをもって、再度、病院に戻る。
13時過ぎ、柏崎市市民プラザに移動。
13時30分から上越新幹線直行特急早期実現既成同盟会主催による「長岡・上越間 鉄道活性化シンポジウム」に出席する。
*上越新幹線直行特急早期実現期成同盟会
上越新幹線直行特急早期実現期成同盟会は、上越新幹線直行特急(長岡・上越間)の
早期実現と信越本線(長岡・上越問)の利便性の維持・向上を図ることを目的に活動し
ています。
<設立>昭和62年12月1日
<構成>新潟県、長岡市、上越市、柏崎市、糸魚川市及び刈羽村の各首長、議会議長
長岡、上越、柏崎及び糸魚川の各商工会議所会頭
長岡市、上越市、柏崎市、糸魚川市及び刈羽村内の商工会会長
<役員>会長:新潟県知事
副会長:長岡市、上越市、柏崎市及び糸魚川市の各市長、刈羽村長
事務局:柏崎市総合企画部企画政策課
これまで議会の本会議、委員会問わず、とにかく先手を打て!と何回も鉄道に関する一般質問や提言をしてきたところである。これまで、ほとんど動きのなかった事を考えると、まずは第一歩と言えよう。
開会の挨拶として、会田市長が話をしたが、事前に準備された原稿を手にもち、さらにそれを棒読みするという、取り組みへのアツさが感じられなかったのが残念。
第一部として、基調講演「地方鉄道の活性化とまちづくり」。講師は、交通ジャーナリストの鈴木文彦氏である。
【プロフィール】
1956年 山梨県生まれ
1981年 東北大学理学部地理学科卒業
1984年 東京学芸大学大学院修士課程(地理学)修了
現在:交通ジャーナリスト
特定非営利活動法人日本バス文化保存振興委員会副理事長
r鉄道ジャーナル」にレギュラーとしてバス、ローカル鉄道の記事を執筆するほか、
「運輸と経済」「人と国土」などにバス・鉄道に関する論文・取材記事が多数ある。
<著書> 『新制度「地域公共交通活性化・再生法」』
『路線バスの現在・未来』 など多数
く委員> 国土交通省交通政策審議会「地域公共交通に関する新技術・システム検討委員会」委員、国土交通省交通政策審議会「地域公共交通小委員会」委員など
大まかな内容は次の通り。
・幹線系鉄道のメリットと課題
<メリット>
高度な施設と高速性、ネットワークとしての全国展開、拠点間の大量輸送
<課題>
経営と社会的期待のギャップ、過大な施設と需要のギャップ、地域ニーズへの対応の限界、駅周辺の空洞化、マイカー社会の限界(高齢化、10年後の地域の足のあり方)と公共交通の位置づけとして、社会的なインフラであり「対策」から「政策」に転換することが必要
→ 幹線系鉄道と鉄道貨物の需要とも必ずしも一致しない。
・生活交通としての鉄道
最大のお得意さまは通学(60%~70%が定期利用者)、日中は高齢者がわずかな利用、幹線系鉄道も普通列車の利用形態はローカル線と同じ(駅周辺に行くべきものがない限り、鉄道利用は減る)
・ネットワークとしての幹線系道路
利用の多い駅と少ない駅とのギャップ、地域ニースとしてのバランス、バス・タクシー等との「結節」の重要性(地域内の結節)
・地域活性化と鉄道
<人の流れと拠点都市の活性化>
幹線道路の改良と流動の変化、都市の活気とリンクする鉄道利用。
<観光ルートとしての活用>
地域資源の再発見、周遊ルートの構築、バス・タクシーとの連携、外来者・観光客にも使えるインフォメーション
・駅とまちづくり
まちづくり拠点としての「駅」の再認識。駅の機能を大切にすること、駅そのものを人の集まる場所にすること、町と鉄道の一体的なイメージアップ。
・幹線系鉄道を最大限活用する
<今の時代に合った鉄道>
バリアフリー、「環境」は追い風、発想の転換と存在需要の開発
<鉄道のメリットを最大限活かす>
速達性、定時性、全国ネットの活用
・乗ってみたくなる列車の必要性
列車に乗ること自体の楽しさ、車両のデザインやイメージ・話題性、子供や女性に支持される車両、清潔感も重要、付加価値や値頃感を感じられる車両
・みんながつくり育てる公共交通
<持続できる公共交通>
負担のあり方、責任分担、地域に即した身の丈に合う手法、事業者を元気にする、地域のみんなが「当事者」、公共交通は自分自身の問題、公共性の検証
<鉄道事業者・行政・地域住民の協働>
商店街や地元組織・大学等とのタイアップ、意見交換をする「場」の重要性、情報公開と提案、コーディネーターとしての行政
→ マイレール意識の高揚
事例紹介を含めた配布資料
「配布資料」1/3(pdf形式)
「配布資料」2/3(pdf形式)
「配布資料」3/3(pdf形式)
質疑応答の時間があったので、『鉄道ジャーナル』読者の一市民として、次の2点を質問させてもらった。
*市職員をはじめ、動員で来た公務員や関係者にも鉄道活性化を理解してもらう意味も込めて、あえて総括的かつ基本的な質問を行った。
Q1.長岡~柏崎~上越間の信越本線についてのシンポジウムであるが、ポイントは柏崎と思われる。これまで柏崎は越後線を含めて、鉄道貨物を活用してきた。そういった点を含めて、全国の鉄道をご覧になってきた先生として、柏崎の鉄道をどう思われるか。
A1.確かにポイントは越後線を含めた柏崎の鉄道のあり方である。二つの新幹線にアクセス出来る場所として、まずは柏崎駅に魅了をもたせ、利用客を増やすようなことと思われる。的確な答えにはならないが、越後線を含め、柏崎駅からの利用を増やすことがまず重要。
Q2.JR九州の面白い車両のような活性化ができればと思うが、地域の住民からの提案や地域と鉄道事業者との意見交換があって、実現したような事例はあるのか。
A2.JR九州の車両は奇抜なデザインゆえに賛否両論ある。厳密な意味で住民要望で実現した事例はないが、中央線などでは沿線住民に詳細なアンケートをとり、私も意見をだした。今後、JRと住民の距離間を縮めることで、もっと地域に密着した新しい展開ができると思う。
10分間の休憩の後、15時20分から第2部パネルディスカッション、テーマは「北陸新幹線金沢開業後の信越本線(長岡・柏崎・上越間)のめざすべき方向性」で、コーディネーターは、一部に引き続き交通ジャーナリストの鈴木文彦氏、パネリストとしてフリーゲージトレインに詳しい新潟大学工学部教授の谷藤克也氏(国鉄16年間勤務)、東日本旅客鉄道株式会社新潟支社総務部企画室長の西田聡氏、そして、上越新幹線直行特急早期実現期成同盟会の副会長として、会田市長。
以下のような視点で、大まかなやりとりは次の通り。
1.日本縦貫路線としての信越本線(長岡・柏崎・上越間)の位置づけ及び可能性
西田:この間は、貨物14往復走っており、東北と関西・近畿を結ぶ重要な路線。「北越」は5往復一日1500人の利用、夜行は4往復。「くびき野」は3往復で1100人程度。長岡方面は、定期で一日約1700人、通常利用で一日約1300人。直江津方面は、定期で一日約1000人、通常利用で一日約800人、犀潟からの北越急行で7500人が利用している。
新潟から北陸方面へは新幹線の影響はないと思うが、北越急行の「はくたか」は大打撃を受けるだろう。
鈴木:沿線地域として、信越本線をどのように活用したいか。
会田:2014年問題として「陸の孤島」になると言われ、市民からの心配の声も多い。歴史的にも、この地区は交通の谷間で、それゆえ心配。上越新幹線の利用客減少の予想があり、北陸新幹線のメリットを上越地区が十分受けられないという議論もある。このことを柏崎にとってマイナスにはしないようにしたいが、地域的な利便性と広域的な問題と二面から考える必要があろう。北陸新幹線が開通することにより、柏崎の利便性があがると考えている。2つの新幹線を使えるための利便性を高めることが当面の課題。ただ、「北越」はなくなるであろうと思うので、それに変わる提案が必要と思う。
鈴木:首都圏と結ぶルートの確保という観点であったかと思う。そして新潟県の基幹軸としての機能強化も必要というのが共通項とみえた。
2.信越本線(長岡~柏崎~上越間)へのミニ新幹線やフリーゲージトレインの導入を含めた鉄道高速化の可能性。
鈴木:信越本線の活かし方として、ミニ新幹線など新たな仕組みが考えられようが、幹線としての新技術の導入について、説明してもらえないか。
谷藤: (パワーポイント資料)
・フリーゲージトレイン 一次試作車
・JR在来線 軌間1067mm
JR新幹線 軌間1435mm
・英国のゲージ戦争
工業都市バーミンガムからグロスターを通り、港町であるブリストルにいくまでの軌間論争
・フリーゲージは乗り継ぎ抵抗の解消のため生まれた。(フランスのTGV、改軌方式の日本のミニ新幹線)
・軌間の異なる線路を通して輸送する方法
(1)同一ホームでの乗り換え:九州新幹線 新八代駅
(2)改軌方式:ミニ新幹線
(3)軌間可変車両(GCT)
スペインのタルゴ方式
機関車は軌間固定なので途中で交換、客車は可変軌間車両になっている。
1969年には
バルセロナ(スペイン)
-チューリッヒ(スイス)間
フリーゲージトレイン技術研究組合
平成14年度から取り組んでいるが完全な実用化には至っていない
鈴木:車両の断面は、在来線の大きさですか。
谷藤:車両は、在来線と同じ大きさ。
鈴木:フル規格新幹線との平行運転の可能性は
谷藤:いまのところ可能性はない。
会田:この期成同盟会は20年越しで取り組んできており、ミニ新幹線の目標を掲げてきたが、先が見えない。柏崎から乗り換えなしに首都圏に行くためのミニ新幹線の構想であったが、需要の面から難しいと捉えている。広域的な視点に立つと、新潟県全体の問題でもある。日本海沿岸を横につなげる意味も必要であり、期成同盟会に新潟市や三条にも参加してもらうように舵を切っていきたい。フリーゲージの可能性も残したい。
鈴木:在来線を活かすという点では事業者としてどう思うか。
西田: 「北越」で新潟、北陸間での利用者が多いので、大切にしていきたい。糸魚川からJR西日本となるので、新潟県全体の鉄道問題として捉えるのが難しい状況もある。知事を含めて、相談しながら県路軸として考えていきたい。
3.まちづくりや地域振興による鉄道活性化の可能性。
鈴木:今後、県路軸という考えが大切であろうが、いまからでもできることがあるのではないか。喫緊の課題として鉄道活性化に対する思いは
会田:信越本線のゆくえとまちづくりでは、プラスとマイナスの大きな分かれ目がある。鉄道の利用者がなんといってもその重要なファクター。平成12年から平成19年11万人も利用者が減っている。まちの玄関口としての駅の魅了をアップさせ、利用客を増やす取り組みをしたい。各都市が手をつないで取り組むべき。交通インフラが整っている市の中心部が活性化しなければならない。柏崎駅前はまちの中心ではなかった。商業機能は駅から離れていたので、これから駅周辺を活性化させたい。復興公営住宅や市民会館もその取り組みの一環。できれば駅舎そのもの、もっといえば駅の位置も含めて、整備すれば良いと思う。いますぐにはできないが、JRとよく相談したい。観光列車もやりたいと思う。
鈴木:地域振興として鉄道事業者ができることは。
西田:JRとなってから電車の本数を増やした経緯があるが、少子高齢化の波がきている。そのほかの県内沿線は、昭和62年の約半分になった。駅の周りに駐車場を整備し、パーク&ライド型として利用が増えた事例がある。西新発田駅は駅を移設したところ、ジャスコを呼んだこともあり、一日100人の利用が500~600人になった。駅は点であり、周りの整備が必要であり、新潟駅では高架下にバスを入れ、点と点をうまくつなげる検討をしている。とにかく利用者の不便をなくす努力をしており、駅以外の部分の利便性向上については、皆様からご協力いただきたい。
鈴木:技術者として信越本線のこの区間を眺めたときの感想は。
谷藤:学会等で福井に行くことが多いが、「北陸」に変わる魅力的な列車を維持してほしい。日本海縦貫鉄道の観点を前面にだすべきではないか。心配している。
鈴木:ここまでで3つのことが浮かび上がってきたかと思う。
・信越本線は日本海縦貫軸であること
・新潟県の県路軸として重要
・地域としては駅周辺のまちづくりが必須であること
最後にパネリスト一言ずつ。
谷藤:沿線の皆さんに鉄道を使ってほしい。駅近くの無料駐車場など行ってもらいたい。
西田:観光の視点を大切にしていきたい。特に柏崎は花火などの資源があり、幅広くアピールし、人にきてもらうように積極的に取り組んでいく。
会田:新幹線という相手には、乗り換え抵抗感がキーポイントとなろう。北陸の人が東京にいくには、高崎あたりまで北陸新幹線でいく時代がくる。敵は高崎。知事もマニフェストに鉄道活性化を入れているので、足並みをそろえて努力したい。
会場からは「高速道路1000円に負ける」「花火のときの臨時電車を増やすべき」との意見もだされたが、予定された時間を過ぎたため、16時50分に終了。
その後、市役所での資料整理をはじめ、議会関係の調査活動を行う。
18時30分、えんま堂に行き、二十三夜講に出席。
約20分間の読経ののち、弁当を食べつつ、ビール、冷や酒の会食となった。
つい先日、えんま市があったばかりであり、今年のえんま市がどうであったのか、意見を交換。次のような意見があった。
・ゴミ捨てのモラルが低くなった。周辺住宅の塀や敷地内にも平気でポイ捨てされた。
・お参りは整列はよいものの、それぞれの参拝に時間がかかってしまった。
・参道の屋台は、参拝客が列をなすため、逆に売れず、撤退が続いた。できれば、参道ではえんまグッズなど、記念の品を販売すれば良いのではないか。
かなり突っ込んだところまで話し込み、20時過ぎからえんま通りの飲食店「田」にて、二次会。
特製の「参鶏湯」をつつきながら、生ビールを飲む。
閻魔堂再建の募金活動や今後の再建までの見落としなど、飲んでるわけにはかなりカタイ話となる。
22時過ぎ、自宅に戻る。熱めのシャワーを浴びて、酔いを覚ましたあと、読もうと思って買っておいた本などを通読。
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フリーゲージやミニ新幹線よりも快速「くびき野」の強化こそが優先では?
特急「北越」を「くびき野」に統合し、指定席を連結するだけでも効果はある。
可能なら「きらきらうえつ」のような観光車両を導入すればより効果的であろう。
投稿: いち鉄道人 | 2009年6月24日 (水) 12時46分
私も参加させてもらいました。
元々鉄道に興味があったのですが、三井田さんのコメントと、会田市長の答弁の様子も知りたかったのもあります。
時間が足りなくて、途中で打ち切りになったのは残念です。
鈴木氏の資料の最後にある”意見交換をする「場」の重要性”は本当にその通りだと思います。今後この様な機会を多く作ってくださる様お願いします。
会田市長の発言は”一応尤もではあるが非常に抽象的”で何をするのか、本当に動くのか全く分かりません。
昨日今日発足した同盟会ではないのだから、もっと具体的な話が進んでいなければならない所でしょう。
色々問題があって大変ですが、三井田さんには是非とも尻を叩いてくださるようお願いします。
投稿: 雄太 | 2009年6月25日 (木) 10時29分
いち鉄道人さん、コメントありがとうございます。
フリーゲージやミニ新幹線を長期的な目標として、短期的ことではご指摘の点はご尤もであろうと私も思います。
是非、観光列車のようなものをやりたいのですが、一議員だけでは力不足であり、いかに行政(特に市長)をやる気にさせるかがポイントかと思っております。
投稿: 三井田孝欧 | 2009年7月 6日 (月) 18時02分
雄太さん、コメントありがとうございます。
焦点が絞られておらず、時間が足りなかったのは私も残念に思ったところです。
意見交換の場については、是非、作るべきと思いますので、次の議会の一般質問、委員会、そして予算要望の場と積極的に働きかけていきます。
投稿: 三井田孝欧 | 2009年7月 6日 (月) 18時09分