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2010年3月31日 (水)

会派視察:四国電力伊方原子力発電所
プルサーマル導入までの経緯

 ホテルのネット回線もしくは借りた長いLANケーブルのせいか、ときどき切れてしまうため、仕事もなかなかはかどらず、2時に就寝。

Cimg3110 7時、起床。シャワーを浴びたのち、7時30分、ホテル7階のレストランにて和食の朝食をとる。うるめ鰯、生卵、かまぼこ、ちりめんじゃこ、大根おろし、赤だしの油揚げと若布の味噌汁、漬け物、ご飯といった内容。納豆がなかっため、食後、部屋に戻り、小粒納豆を1パック食べる。

 身支度をしたのち、9時10分にホテルをチェックアウト。タクシーにて移動し、約30分で四国電力伊方発電所ビジターズハウスに到着した。
 今日の視察は、九州電力玄海原子力発電所(昨年の会派視察)に続き、プルサーマル燃料を使用する四国電力伊方発電所にて、住民や議会への説明、合意形成などについて意見交換するためである。


平成22年3月2日『産経新聞』

プルサーマル発電
伊方3号機を起動 四国電力

 四国電力は1日、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電で、伊方原発3号機(愛媛県伊方町、89万キロワット)の原子炉を起動した。2日にも核分裂が連続して起こる臨界に達する。4日に発電を始め、営業運転は30日からの予定。国内でのプルサーマル発電は、昨年11月に開始した九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)に続く2例日となる。
 四国電力は、今年2月下旬の起動を計画していたが、昨年11月に起きた燃料集合体からの微量の放射性物質漏洩についての原因調査のため約一週間、開始がずれこんだ。
 プルサーマル発電は、原発で使用した核燃料を再処理して取り出したプルトニウムを再び燃料として使う仕組み。国の「核燃料サイクル」政策の柱で、電気事業連合会は、平成27年度までに計16~18基でのプルサーマル導入を目標に掲げている。
 現在、伊方原発や玄海原発を含め8基が地元の了解を得ている。また、今年2月には東京電力福島第一原発3号機(福島県大熊町)で、福島県知事が安全性の確認などの条件付きで受け入れる方針を表明した。


Cimg3112 まず、平成19年に全面リニューアルしたビジターズハウス内の資料見学とのことで、3Dシアターで伊方発電所の概要を学び、その後、館長から施設内をご案内頂いた。
 ビジターズハウスは累計で195万人、年間で5万人の方が訪れるという。
 3Dシアターでは、CGを活用し、ライト兄弟よりも早くに飛行機の開発を行っていた、八幡浜市出身の二宮忠八(1866年~1936年)の「玉虫型飛行器」に乗って、伊方町、そして伊方発電所内、原子力発電の仕組みを分かりやすく説明された。

・伊方発電所にはPWR(加圧水型軽水炉)3基があり、合計202.2万kw。四国の4割の電力を支える。
・佐田岬半島に伊方発電所があり、86万平方kmの面積を誇る。

・プルサーマル燃料は3号機のみ。昨年5月に燃料を搬入し、今年1月に耐震安全性を国が確認。
・設備稼働率は84.5%。
・1号機、2号機は14×14燃料、3号機は17×17燃料。プルサーマル燃料は21体をフランスから搬入し、うち16体を装荷し、5体は使用済み燃料プールで保管している。

Cimg3117 ちなみに、この伊方発電所は映画『ゴジラvsデストロイア』でゴジラに襲われそうになった。
 ビジターズハウス内には岩盤である緑色片岩が展示されており、伊方発電所内でも露出していることと相まって、岩盤の強固さが分かりやすく説明されていた。
 また、展望室からは多くの風力発電機、伊方町直営の2基、四国電力の58基が見える。稼働率は19%程度とのことであるが、柏崎まではいかないものの雷による被害があり、思った以上にコストがかかっているという。
 施設見学ののち、会議室にて意見交換となった。

Cimg3121

(1)プルサーマルに関する市民説明

「理解活動状況」(pdf形式)

・四国電力主催の説明会 2604回 3万2457人
・訪問対話活動 毎年1回、各家庭を2名1組でまわる。
 平成16年から平成21年までのべ12万7456軒。
 ひと月弱かけて地元全家庭を「会えるまで待って」まわった。
 平成16年より前にも行っていたので、プルサーマルのためだけという捉えられ方はされなかった。
・見学会 のべ10万4709人
・公募説明会 平成16年9月4日 315人(伊方町、保内町、瀬戸町)
・公募講演会 6回 のべ3299人

(2)議会への説明や対応

「議会関係者への主要説明経緯」(pdf形式)

・伊方町環境監視委員会:原子力発電所誘致以来、年に4回関係調査の報告や議論を行っている。町長以下、有識者、議会関係者で構成される。
・地元である伊方町、保内町、瀬戸町に加え、隣々接自治体である三崎町、八幡浜市も参加してもらい説明を実施。
・四国電力の松山にある原子力保安研修所にも地元議員から視察してもらい、その際にもプルサーマルについて説明。

Q.最終段階にあたっての伊方町環境監視委員会への説明が多くなっているが、どのような経緯からか実施しているのか。
A.原子力発電所を誘致したときの安全協定にある委員会で、愛媛県にも専門委員会がある。専門委員会は大学教授による完全な専門技術的なものであるが、環境監視委員会は政治、住民など総合的な面から検討している。

Q.誘致時からの反対派の動きなどは?
A.かなり激しい反対活動があり、3号機のトラブル時の通報遅れで激化。通報などの情報公開(伊方形式)の導入で改善した。地元反対派は高齢化により、声は小さくなっているが、四国内の他の地域、九州などから原子力反対派が訪れる。

(3)プルサーマル導入による地元への交付金等の経済効果

・核燃料サイクル交付金60億円で今後、調整はあるが県4/9、伊方町4/9、八幡浜市に1/9に配分される。

 愛媛県事業  26億7千万円
  伊方町事業  26億7千万円
 八幡浜市事業   6億6千万円

(4)その他

・協力企業とは「ネット21」という共同体をつくり、懇親会、スポーツ大会、定期検査のあとに改善意見の会などを行って、職場の風通しを良くしている。
・自治労は基本的に反原発であるが、伊方町をはじめ周辺の自治労関係は反対運動を行っていない。
→ 柏崎市の場合は、原発財源がなければ立ちゆかない(人件費の一部にも使用)実態があるにも関わらず、柏崎市職労は原発反対活動を行っている。

 上記の他、本ブログでは原発反対派も見るため公開できない内容を含め、かなり政治的にも重要な質疑応答が続き、視察を終了した。
 ご対応頂いた四国電力伊方発電所の副所長、広報グループリーダー、ビジターズハウス館長には心から感謝申し上げたい。

9gunshin 視察終了後、タクシーにて約30分かけて八幡浜駅まで移動。時間があれば、伊方町を去る前に、須賀公園にある「大東亜戦争九軍神慰霊碑」に行きたかったが、個人で来た時の楽しみにとっておこうと思う。
 この三机湾には、昭和14年に旧帝國海軍の特殊潜航艇の訓練基地ができており、昭和16年12月8日の真珠湾攻撃により、散華した特殊潜航艇の岩佐大尉等九軍神もこの地で訓練を行っていた。

Cimg3126 八幡浜駅に到着した段階で、12時を過ぎていたため、名物である「昔造りじゃこ天」、味付け海苔つき「たまごかけご飯風」おにぎり、八十八茶で軽い昼食をとりつつ、12時25分の特急「宇和海12号」に乗り込み、松山駅に向かう。

Cimg3123 駅で電車を待っている間、念願?であった「アンパンマン列車」を見ることができた。まさしく鉄オタ、それも撮り鉄よろしく、写真をとりまくってしまった。予讃線には11種類の「アンパンマン列車」が走っており、今回見たのは「ばいきんまん号」であった。今度は甥っ子や姪っ子を連れてきて、乗ってみたいと思う。

Cimg3129 14時過ぎ、かなりの待ち時間があるため、「名代そば吉 空港店」(電話:089-972-5677)にて、「鴨セイロ 850円」を「大盛り 150円増し」にして、本格的?な昼食をとる。合鴨ではなく、本鴨を使っているそうで、歯ごたえも良い力強い味わいの肉と脂が印象的であった。

 空路混雑で搭乗機が遅れたため、10分遅れの17時10分、ANA596便に乗り込んで離陸。機体はB777-200である。
 搭乗前に購入した「週刊新潮」や「SAPIO」などを読むも、チャンネル桜の水島社長への恨みなのか、小林よしのり氏の連載「ゴーマニズム宣言『天皇論』追撃篇」に疑問がわく。こうやって保守陣営が内部分裂してきたことで、左翼陣営が良いようにしてきた歴史を繰り返すようで心配である。

 着陸路などが混雑しており、予定より20分遅れの18時40分に羽田空港に到着。モノレールで浜松町駅、山手線に東京駅まで移動し、19時30分過ぎに宿泊先である「アパホテル<日本橋駅前>」にチェックイン。日本橋の再開発のため、今日が最後の営業日だという。場所、施設とも良かっただけに実に残念である。

Cimg3131 荷物を置き、一休みした21時過ぎ、会派の先輩議員とともに「築地市場 日本橋店」(電話:03-3516-9355)に行き、夕食。中トロと赤身がセットになったマグロの刺身、貝3種の刺し盛り、トロほっけなどをつつき、生ビール4杯を飲む。

 22時、ホテルに戻ったところで、ちょうど会社関係で付き合いのある某氏から連絡があり、近況報告をかねて飲むこととなった。

 23時、車で迎えに来てもらい、銀座の某店でウイスキーの水割りを飲みつつ、懇談。周りはバリッとしたスーツを着た人ばかりのなか、汚いカジュアルな格好で来てしまったので、「貧乏人が来るな」という蔑まれるような冷たい視線が痛い。

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コメント

今晩は。
電気事業に携わる仕事をしている者です。
小生の前の職場の同僚(※他電力の原発関係者)が柏崎を訪れた際、反対派の勢いが強いことに驚いていました。
小生も他の原発立地地域で長年過ごしていましたが、地元の方と発電所は非常に良い関係でした。(反対派は殆ど「よそ者」で、地元の方からは嫌がられていました。)

地域により結構違うものですね。

 NUCNUCさん、コメントありがとうございます。
 本来であれば、誘致した側である地元と発電所は良好な関係であるはずなのですが、当地では反対派が騒ぎ、反対派の市議会議員は議会内で原発関連予算を認めるという、「反対します、金はもらいます」という情けない状態です。
 今後も他の原子力立地自治体の状況を調査し、柏崎市民に問いかけてみたいと思います。

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