総務常任委員会視察2日目
千葉県習志野市、我孫子市
0時、起床。熱いシャワーを浴びたのち、締め切りを過ぎてしまった資料などをあわてて作成する。
4時、空腹になったので、ホテルロビーでカラムーチョ小袋、コカ・コーラゼロを購入し、小腹を満たす。
6時から7時30分まで仮眠。
7時40分過ぎ、ホテル1階の「レストランやまと」で「和朝食セット 840円」を食べる。
塩鮭、スクランブルエッグ、サラダ、昆布の煮物、揚げ茄子、小粒納豆、なぜか味噌汁が赤出しという内容。納豆30gが不足気味であったが、ご飯をおかわりし、充実した朝食となった。
8時にホテルロビーに集合し、木更津駅から内房線で、千葉駅へ。千葉駅から総武線で幕張本郷駅まで行き、習志野市役議会事務局の方からマイクロバスで出迎えていただいた。
10時から習志野市の視察。視察事項は「公共施設マネジメント白書」「経営改革懇話会」の2件である。
1.歓迎挨拶:議会事務局 浅井氏
・習志野市は、東京から30km圏内であり、臨海部は2度の埋め立てにより、6.5平方kmを市域拡張した。総面積は20.99平方kmで、人口は約16万人。市立習志野高校は、野球と吹奏楽が全国トップレベルにある。
条例定数は30名、現議員数は29名(うち女性が6名)。4つの常任委員会がある。
2.公共施設マネジメント白書:行政改革室 吉川室長、腰川氏
平成20年から行政改革室を設置した。公共施設マネジメント白書については、神奈川県藤沢市と同じように取り組ませてもらっている。現状の職員は4名(1名は技師)。
<公共施設マネジメント白書とは>
・公共施設を通じて行われる行政サービスが、どのように行われているかについて、行政サービスに係るコスト、建物状況、利用状況、運営状況など、コスト情報、ストック情報の両面から、実態を調査し、可視化したもの。
・特徴としては、コスト情報とストック情報を両面で把握したこと。
<作成の背景>
・1960年代後半から市域の拡大や鉄道の開通により人口が急増。合わせるかたちで公共施設を整備してきた。1985年までに約84%の施設が整備されたが、老朽化対策が急務となっている。
・人口構成の変化に加え、公共施設の約60%が築30年を経過して老朽化。今後、莫大なコストがかかる。
・指定管理者制度の導入とともに、行政改革の一環として捉えた。
・庁内でのプロジェクトチームを作り、実態把握からはじめた。
→ 東京都杉並区のコンサルティングを行った会社
「ファインコラボレート研究所」を知り、平成19年、随意で委託契約。
<公共施設の現状>
・土地230.4万平方m、建物約39.2万平方を保有。
・1981年以前(旧耐震基準)の建物が27.6万平方mで、全体の約72%を占めている。
・ここ25年間、公共施設の整備は行っていなかった。
<地域対応施設の主な現状>
・小中学校の生徒は2010年度をピークに減少
・幼稚園の多くは定員割れ。定員割れの幼稚園と定員オーバーの保育所が近接している地域もある
・公民館、ゆうゆう館は利用率が低め
<作成の過程>
・これまで担当各課で管理する公共施設のデータをもっていた。
・減価償却の概念の導入をしつつ、担当課からデータ収集した。行政に減価償却がなかったため、それが最初のハードル。
<有効活用の目的>
・同一コストでより良いサービスの提供を行う。
・サービスの質を落とすことなく、費用削減を行う。
・もう少し費用をかければ、より大きい便益(効果)を出せないか。
・事業効果をより公平・効率的に達成できないか。
・公共が自ら行うよりも民間が行った方が良いサービスになるのではないか。
<有効活用の判断の視点>
1)施設状況
・施設が保有している能力を十分発揮しているか。
・施設が適切に維持管理されているか。
2)利用状況
・行政目的(設置目的)のために設けられた土地・建物が、目的通りに利活用されているか(当初の使用見込みと比較)
・利用者等の満足を得て機能しているか
・「空き」や「利用低下」に対してタイムリーに再利用等の機能が働いているか
3)運営状況
・該当施設で行政サービスを行うことの必然性
・当該サービスによる成果との見合いで、どれだけの物的人的資源が投入されたか
・サービス提供方式(運営体制、運営方式)の適正性
・公共で行うべき内容のものか民間が行う方が妥当かの判断
・サービス内容の妥当性
<事例:公民館の利用件数、トータルコスト>
・利用1件当たりにかかるコストは、コミュニティセンターで平均4974円(運営:1860円、施設3114円)、公民館で平均11439円(運営:7391円、施設4048円。
・公民館のなかでも最小は大久保公民館10368円であるが、屋敷公民館は20700円もかかっている。
・同じ内容を企画している人員が各施設に4~6名配置している。
・企画・開催に1施設あたり、年間約2000~3000万円のコストがかかっている。
・全施設で90%以上が同様の講座を実施しており、地域特性が必要なものではなかった。
「抜粋1:公共施設マネジメント白書」(pdf形式)
「抜粋2:公共施設マネジメント白書」(pdf形式)
3.経営改革懇話会:行政改革室 吉川室長、腰川氏
・市民を中心に、大学教授は1名というメンバー13名構成。
・平成20年から3年間の時限的な改革組織。
・習志野市経営改革推進本部の第三者的な位置づけ。
・設置目的は、自主自立のまちづくりを目指すため、効率的な市政の実現に関し、経営的視点も含めて、本市の財政運営・政策運営について意見を求める。
・事務局は、市の経営改革推進室。
・平成21年5月25日には、第一次の提言書を市長に提出した。
・分科会は、「行財政改革推進分科会」「習志野市活性化検討分科会」の2つ。
・現在、(仮称)経営改革プラン(案)を議論している。
Q.公共施設マネジメント白書と経営改革懇話会との関係性は?
A.これまでは結びつきはなかったが、改革の内容が行政改革から自治体経営改革に変わってきているので、公共施設マネジメント白書を経営改革懇話会で活用するかたちになってきている。
Q.市立の幼稚園などの施設が多いが、統合については?
A.今後、民間活力を利用し、幼稚園を廃止、保育園は民営化するよう平成26年まで計画している。公営は「こども園」のみとする。ただし、民営化については反対の声も多く、それは給食の民営化でも経験した。
Q.昨日、視察した神奈川県藤沢市は財政力指数1.1で柏崎市から見ると豊かである。習志野市の場合はどうか。
A.藤沢市の財政は豊かであり、少しでも公共施設の建て替えをやってきた。しかし、習志野市は財政が苦しいことに加え、これまで一切の建て替えをやってこなかったことが大きい。ただ、逆にバリアフリーや統廃合をできるという、まちづくりの点で前向きな捉え方もできる。
Q.議会からの反応はどうか。
A.まず市民からには実態を説明するのが先で、これから説明を出前講座などで地域に説明していく。議会からは反応があり、毎議会で一般質問で取り上げられている。内容としては、早く今後の対応を決めるべき、という提案が多い。施設の統廃合については、各論の部分で議員の反対の声もある。
Q.一般会計420億円のうち、自主財源が76%もあるようであるが、その主要因は?
A.清掃工場の建て替えや三位一体改革の税源委譲により、平成14年から10億円単位で一般会計は上下している。自主財源のほとんどは市税収入。
Q.総合計画との関係は?
A.平成27年に反映させる。それまでに市役所庁舎をはじめ、成功事例を作りたい。現庁舎は1万平方mであるが、3万3000平方mの学校の空き地があるため、そちらの一部を移設し、残った土地を民間に使ってもらうことで、庁舎建設費用を抑えたい。現時点での庁舎建て替え原資は10億円の基金しかない。
*柏崎市役所建て替え時は不安
Q.一環して行財政改革に取り組んでこられたようであるが、市長などの体制はどうか。
A.現市長が5期目であり、安定して取り組んできた。
非常に参考になり、やるべきことの姿が見えてきた視察であった。
視察終了後、津田沼駅まで議会事務局に送って頂いた。
12時、駅近くの「鎌倉パスタ モリシア津田沼店」(電話:047-403-2309)で「ランチCセット 1354円」の昼食をとる。パスタとサラダ、鎌倉バジルロール(パン)というセットであり、パスタは「熟成厚切りベーコンのカルボナーラ 鎌倉風」にし、鎌倉バジルロールを「変更 105円」でランチピザ(やりいかと明太子のクリームピザ)にした。
久々の生パスタで、モチモチした食感と食べごたえのあるベーコンが、濃厚なクリームとともに非常にマッチしていた。ちょっとピザも食べたいと思って変更したが、カルボナーラの余ったクリームを鎌倉バジルロールにつけて食べれば、さぞ美味しかったであろうと反省。
12時40分、津田沼駅から総武線で船橋駅、東武野田線で柏駅、常磐線で我孫子駅に移動。乗り換えが多く、久々の鉄道満喫である。
13時、我孫子議会事務局の方から出迎えて頂き、マイクロバスで我孫子市役所に移動。
14時から我孫子市の視察。視察事項は「行政改革推進プラン」「提案型公共サービス民営化制度」「事業仕分け」の3件である。
1.歓迎挨拶:議会事務局 遠藤氏
・我孫子市は市制施行40周年(昭和45年7月)
・現在の人口は13.4万人、総面積43.19平方m。東京都内から35km圏内のベッドタウンとして発展してきた。
・財政のほとんどは個人市民税。
・議員定数は法定が30名であるが、次回選挙から24名となる。
・議会改革の一環として、賛否のボタンを採用し、市民に分かりやすく表示している。
2.提案型公共サービス民営化制度:総務課 川村氏、倉田氏
<制度の背景>
・手賀沼浄化から市民運動が発展
→ 40のNPO、300の市民活動団体
公共サービスの担い手が多様化
・昭和40年代からベッドタウンとして成長
→ 団塊の世代の大量退職
シニア世代の能力活用急務
歳入構造が変化、大幅な税収減
・人口急増時代に大量の職員採用
→ 平成20年から職員の大量退職
効率的な執行体制の確立が必要
<提案型公共サービス民営化制度>
・公共サービスをすべて行政が提供するのは困難
・民と官が対等な立場で公共の分野を担う仕組みが必要
・官の発想による委託化から、民の提案に基づく委託・民営化への転換
・例外なくすべての事業を公表
・民間から委託・民営化の提案を募集
・市が実施するより市民にプラスなら委託・民営化
<経緯>
・平成17年3月、市長が実施を表明
・平成18年3月、提案募集スタート
・平成22年6月、三次募集を開始
<公表事業数>
・合計1101件
・事業リストを作成(行政評価表の事業名、事業内容を評価のもとに整理、人件費を含めた1年の事業費、事業費のうちの人件費・職員1名は950間年で算出、委託の有無、提案に期待する事業か否か、担当部課、分野)する。
<提案団体と提案内容>
・民間団体、NPO、市民活動団体など個人を除くすべての団体
・新たな工夫でサービスの質などの面から市が実施するより市民にプラスになる提案に限る。
・事業の一部、複数の事業を集約した提案も可。
<提案方法>
1)提案者から協議の申し入れ
2)市から提案者との協議
3)提案者が2)の協議をクリアして最終的に提案
<提案の審査>
・常任委員(学識経験者、総務部長、企画財政部長の全5名)、専門委員(提案毎に選任する専門家、受益者等)
・書類審査、提案者と担当課へのヒアリング審査
<審査基準>
・市民の利益:市民サービスの向上、コスト削減、地域の活性化、行政と民間の役割分担等を総合的に判断して市民のプラスになるか。
・実現性:実現性の高い内容か。
・独自性:行政や他の民間業者にはない、提案者独自のアイデアが含まれているか。
・団体能力:事業を安定的に担う体制、能力はあるか。
<審査結果の区分>
・採用:随意契約で提案者が事業者となる。
・継続協議:評価基準をすべてクリアしていないが、実施すれば市民に大きなプラスになる提案
・不採用
<これまでの実績>
・提案件数:85件(1次79件、2次6件)
・審査件数:66件
・採用37件(うち条件付き34件)、不採用29件
<主な採用提案>
→ コストが上がっても市民サービスを上げるため、民間委託した事業が2つほどある。
・妊婦対象教室→助産師団体
・公民館講座→NPO、有限会社
・広報編集→株式会社にし、コストが1/3
<成果>
1)提案に基づき15事業を実施し、サービス向上とコスト削減
2)行政の発想では生み出せなかった事業と団体の新たな結びつき
3)企業や団体との意見交換、協議を通じ、職員の意識改革を促す
<三次募集での改善点>
1)より提案しやすく
・民間に任せられる事業の明示
・庁内の支援体制の整備
2)提案意欲を高める魅力的な仕組みに
・審査基準を見直し
・審査方法の見直し
「撮案型公共サービス民営化制度 一次、二次募集の審査結果と実施状況」(pdf形式)
Q.提案してきた団体の調査はどのようにやっているか。法人格をもたない団体だと契約相手としては不安ではないか。特にこれは随意契約。
A.調書をとって、任意団体でも経緯を調べる。
Q.随意契約で受託した任意団体への課税はどうなっているのか。
A.実際問題として、NPOで受託している事業が1件あるが利益がでていない金額。利益がでているようであれば、地方税法に則って課税する。
3.行政改革推進プラン:総務課 川村氏、倉田氏
総務省が平成17年に示した行政の集中改革プランがあったが、その通りには作らず、独自に作成した。
<取り組みの基本的な考え方>
1)歳入の確保:安定的な財政基盤の確立に向け、長期的視野に立った産業振興から即効性の高い徴収率の向上まで、様々な手法により歳入の確保に努める。
2)行政のスリム化・効率化:市民サービスの向上を基本に置き、行政のスリム化・効率化を推進し、身軽で機動的な行財政システムを構築する。
<構成>
1)歳入の確保
1-地域経済の活性化
2-若い世代の定住策推進
3-税等の徴収体制の強化
4-行政コストに見合う受益者負担の見直し
5-遊休財産の有効活用と広告収入拡大
2)行政のスリム化・効率化
1-官民の役割分担見直しと民間活力の導入
2-事務事業の見直し
3-予算編成の見直し
4-起債の適正化
5-人件費の軽減
6-組織及び審議会等の見直し
7-電子自治体の推進
8-市民との情報の共有化
9-職員提案制度の活用
10-人材の育成と活用
4.事業仕分け:総務課 川村氏、倉田氏
平成20年、平成21年と3回実施してきた(コスト削減効果は3500万円)。今年は、市民参加を増やし、実施する。
仕分けした後も、仕分け結果検討委員会(副市長など)で検討し、最終的に市長に報告。
<対象事業の考え方>
作業を効率的・効果的にするため、以下の事業は除外。
1)行政評価委員会が二次評価を行う事業
2)補助金等検討委員かの審査対象となる事業
3)当該年度で終了する事業
4)法定受託事務及びそれに準ずる事業
5)方向性が決定し政策的に揺るがない事業等で、外部の判断の余地がない事業
6)事業費が極めて少額または事務改善のレベルで判断がつく事業など、仕分けの必要性が薄い事業
<仕分けの業務>
1)仕分け業務は、行政改革推進委員と市の職員が3班体制により、それぞれ独立して行う。
2)各班の構成は、行政改革推進委員3人及び市職員2人。
3)各班の庶務は、総務部総務課が行う。
4)各班は、担当部署の課長からのヒアリングをもとに仕分けを行う。
「事業仕分けの区分及び主な視点」(pdf形式)
<仕分け結果の活用>
・廃止とした事務事業:廃止した場合の影響、効果等を検証し、その結果を踏まえて市長が最終的に判断する。
・必要とされた事務事業
1-現行どおり:今まで通りに実施
2-見直しが必要とおう事業
ア.民営化又は委託化すべきものとした事業
→ 検討するとともに
「提案型公共サービス民営化制度」
で民間から提案を求める
イ.事業内容や規模などの
見直しが必要とした事業
→ 担当部署で見直しを検討する。
Q.事業仕分けの対象事業は各部別とはいえ、かなり数が多いと思う。国の事業仕分けは財務省のフィルターがかかったり、「受け」の良い事業、さらには権限が及ばないものも対象にしていた。我孫子市での事業仕分けの対象事業の絞り込みがどのようにやっているのか。なかには政治マターの事業もあるのではないか。
A.すべての事業から職員と同士の話し合いで選択する。さらに、すべての事業を対象に市民を入れた委員会で対象事業を選択している。当然、政治マターの事業も対象となることがある。
視察終了後、我孫子駅まで議会事務局に送って頂いた。
我孫子市役所で頂戴した「あびこガイドまっぷ 2009(平成21)年度版」は、非常によくできたガイドになっており、これも参考にさせてもらおうと思う。ちなみに、八幡神社(岡発戸新田)には「支那事変記念の狛犬がある」との記述があり、歴史をふまえた記述に関心した。
*柏崎市議会「支那事変」
16時32分、我孫子駅から常磐線で上野駅に行き、山手線で東京駅に移動。東京駅からタクシーの乗合いで、17時20分、今日の宿泊先である「都市センターホテル」にチェックインした。
18時20分、ホテルロビーに集合し、「食・菜・酒 知夢仁 平河町店」(電話:03-3222-6956)に徒歩で移動して、夕食を兼ねた懇親会。2時間限定の飲み放題コースにしたが、スタッフが足りないのか、なかなかドリンク類の追加もでてこず、おすすめメニューを頼むも在庫なしの連続であった。
食べ飲み足りず、有志3名と21時、 「赤坂 四川飯店」(電話:03-3263-9371)に移動。有名な四川料理人・陳建一氏の息子さんである陳建太郎のお店である。青島ビールを飲みつつ、激辛にしてもらった名物である「陳麻婆豆腐 小盆 2100円」と小ライスをほおばる。まさにシビれる「麻」の辛みで大汗をかいて大満足。
コンビニでビールやいかソーメンなどを購入したのち、ホテルの部屋に戻って、サッカーFIFAサッカーワールドカップ「日本vsパラグアイ」を観戦。
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