総務常任委員会視察3日目
東京都荒川区
缶ビールを飲みつつ、「日本vsパラグアイ」を独りで興奮しつつ観戦。PK戦までもつれこみ、残念ながら惜敗してしまったが、大きな感動を与えてくれた日本代表選手には心から感謝したい。
興奮がなかなかおさまらず、もう1本の缶ビールを飲んで3時に就寝する。
7時、起床。多少の二日酔いのなか、ブログや急ぎのメールなどを書く。
身支度をしたのち、8時40分、ホテル1階の「コーヒーハウス アイリス」でビュッフェ形式の朝食。納豆はもちろんのこと、好物のピンクグレープフルーツジュースがありがたい。ダシの効いた味噌汁が美味しく、ご飯とともにおかわりしてしまった。
食後、同じくホテル1階にある「都市東京事務所PRコーナー」で面白そうなイベントや資料を探す。
以前に東京のお台場で話題になった原寸大のガンダム(全高18m)が、静岡県静岡市で富士山をバックに再建された「RG1/1ガンダムプロジェクト」ことから行われるイベント「静岡ホビーフェア」が真っ先に目に飛び込んできた。
また、三重県四日市市の観光ポスターには、最近ブームと言われている工場の配管で「萌え」る、工場萌えを前面に押し出した四日市コンビナート写真が使われていた。なかなかの策士が四日市の観光関係者にはいるようである。最近、四日市名物で売り出されている豚肉のステーキ「とんてき」のガイドマップ「四日市名物 とんてき たべてき」もニクい演出。
9時10分過ぎ、ホテルをでて、タクシーで東京駅に行き、山手線で日暮里駅まで移動。
9時45分、荒川区議会事務局から出迎えて頂き、マイクロバスで荒川区役所に向かう。途中、荒川区らしい風景である商店街を通り、10時、荒川区役所に到着。
5階の議会委員会室に移動し、10時10分から「荒川区基本構想とGAH(荒川区民総幸福度調査)向上を目指す行政経営」についての行政視察となった。
*日経BP社によるICT(情報通信技術)施策の充実度を調査した「e都市ランキング2009」で2年連続、全国1位となった。同じく行政ランキングでも2008年に「教育分野 全国1位」「子育て環境分野 全国第2位」「行政サービス調査 全国4位」「行政革新度調査 14位」。
1.歓迎の挨拶:荒川区議議会 守屋誠議長
・いまの区長が6年前に就任したときに、荒川区基本構想が策定された。
・区民全員が幸福と感じるのは難しいが、少しでも不幸な部分を無くそうという取り組み
・旧吉川町と友好都市であり、新潟県とは縁深い。
2.歓迎の挨拶:三ツ木晴雄副区長
・新潟県を代表する都市である柏崎市の議会視察ということで歓迎する。
・今後も議会のみならず、執行機関側でも積極的な交流をお願いしたい。
3.荒川区の紹介と基本構想:総合企画部企画担当 小林課長
・荒川区は、人口20万人、面積は約10平方km。縦10km、横1kmという縦長の地形。昭和39年までは荒川に面していたが、今は隅田川に面している。
・ここ10年で再開発がすすみ、人口は20万人まで回復したが、高齢化率が22.8%と高い。
・一般会計予算は約818億円、職員1500名ほど。
・荒川区のドメイン「区政は区民を幸せにするシステム」
・ドメインの設定は、職員との共通意識を持つためでもある。
・区が目指すものGAH(グロス・アラカワ・ハピネス)
・基本構想を策定したあとも、公募した区民から構成される区政改革懇談会を継続している。
<基本構想の位置づけ>
1.おおむね20年後の荒川区の将来像とその実現に向けた取組を明確化したもの
2.区の行財政運営を総合的・計画的に進めるための最上計画
<6つの将来像>
・生涯健康都市:健康寿命の延伸と早世の減少の実現
・子育て教育都市:地域ぐるみの子育てと学びのまちづくり
・産業革新都市:新産業とにぎわいの創出
・環境先進都市:東京をリードする環境施策の発信
・文化創造都市:伝統と新しさが調査した文化の創出
・安全安心都市:防災まちづくりと犯罪ゼロ社会の実現
<将来像の実現に向けた取組>
・区民の主体的な区政参画
→ 区政改革懇談会の開催、団塊世代の活動支援など
・高品質の行政サービスを指向する新しい形の行政改革
→ ICT利用のサービス、荒川区自治総合研究所の設立など
・職員の人材育成
→ 荒川区職員ビジネスカレッジ・大学院、庁内公募制人事異動、次世代リーダー育成プログラム、非常勤職員制度の改革(待遇改善、昇級制度)
4.GAH(荒川区民総幸福度調査)向上を目指す行政経営:荒川自治総合研究所 長田副所長
・荒川自治総合研究所は、地方自治の時代に対応し、限られた財源で科学的な研究をもって、区民にサービスを行うために設立した(出資金は区100%で300万円。年間予算は5800万円で区からの補助金)。区役所内の組織ではなく、中立的な立場で有識者の研究員も有して運営されている。
1)荒川区民幸福推進システム(GAHPS)の開発
2)子どもの貧困・社会排除問題の研究
3)荒川区政における業務遂行評価管理(PAM)のあり方とモティベーション改善に関する研究
・GAHの概念は、ブータンのGNH(Gross National Happiness:国民総幸福度)が基。職員も平成18年に3名、一週間派遣し研究した。
「GAH活動年表」(pdf形式)
・荒川区政世論調査GAHでは、以下の項目で調査
(1)暮らし
健康、食生活、住まい、生活の余裕、家族との関係
(2)安心・安全
地震などの災害、治安、食の安全、子どもの安全、生活環境
(3)地域とのつながり
近所づきあい、地域活動・行事、地域の憩いの場、地域での頼れる人、地域への愛着
(4)生きがい
人から頼りにされること、自分が活躍する場、社会への貢献、余暇の充実、生きがい
・これまでの調査で分かった幸福な生活のための重要な区の施策は、「犯罪のないまちづくり 66.6%」「高齢者が安心して暮らせる社会の推進 65.1%」が高かった。ついで「災害に強いまちづくり 44.4%」「健康づくりの推進 43.9%」。
Q.組織内大学とは?
A.時間外の18時から20時などで実施しており、通常の実務的な研修とは違う。社会人として視野を広げるという意味での学習を行っている。講師は行政に限らず、はとバスの元社長や、リッツカールトンの日本社長などにもお願いしている。受講者は毎年50名ほどで、外部の団体(指定管理者)、友好都市である茨城県つくば市などからも受講者がある。
Q.住民の個々の価値観の違いがあり、数値化は難しいと思った。行政の仕事が肥大していくなか、幸福度を上げるという指標(ドメイン)について、今後は対象を絞っていくのかどうか。
A.主観的である幸福度を数字で客観化するのは研究中であるが、その難しさを含め、幸福なまちづくりを目指している。悩んでいるところでもある。対象は難しく、幸福と区民サービスの仕分けをしている最中。模索している。
Q.幸福度をあげる手法としては、区政でも行政を行うものと民間の力でできるものがあると思う。区民から見れば、区が実施しようが、民間が実施しようが関係ないと思うのが大半であろうが、そういった場合の手法についてはどのように整理するのか。
A.区で行うもの、国や都の制度変更でできるもの、そして民間の力でできるものがあり、荒川自治総合研究所で広く提言していきたい。現時点では、その手法を含めて確定していないので、今後の研究テーマでもある。
最後に荒川総合研究所で区民幸福度をまとめた本『あたたかい地域社会を築くための指標ー荒川区民総幸福度-』を購入して、行政視察終了。執筆者の一人は、東大名誉教授の月尾嘉男先生である。再度、議会事務局からマイクロバスで日暮里駅までお送り頂き、上野駅まで移動する。
上野駅のコインロッカーに荷物を預けてアメ横に歩き、12時30分、「鰻弁慶 上野本店」(電話:03-3831-2283)で昼食。店自慢の「うなぎ丼 1890円」を食べたが、鰻はもとより、米の炊き具合、用意された上質の粉山椒が好みであった。
上野駅に戻り、13時18分、上越新幹線で長岡駅に向かう。新幹線のなかで、『あたたかい地域社会を築くための指標ー荒川区民総幸福度-』を熟読。
長岡駅で信越本線に乗り換え、15時25分、柏崎駅に到着した。
諸雑用を済ませたのち、16時に帰宅。留守中に届いた郵便物やFAXなどを処理する。
17時、20時と事務所にて、来年の統一地方選挙でどのような対応にするのか話し合う。途中、さすがに空腹になったので、脂肪の少ないアメリカ産牛肉薄切りと新ジャガイモ、人参、しらたきで作った「肉じゃが」、トマトサラダ、棒々鶏などで夕食をとる。
22時から資料作り。
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