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2010年9月19日 (日)

原子力発電、海外への売り込み
もう通じぬ紳士協定

 3時、就寝。

 7時、起床。大粒納豆、蒸し豚肉のしょうがソース、茹でモロヘイヤでご飯2杯の朝食をとる。

 8時過ぎ、某氏から迎えに来てもらい、長岡市に移動。

 9時から某施設の会議室での意見交換会に出席する。原子力発電所があることによる地域活性、地元工業界の受注機会をどう行うべきか、若い世代の経営者や地方議員有志との気軽な意見交換である。
 一応、現状や問題提起をする上で、以下の記事を資料として配った。


平成22年9月18日『産経新聞』

プルサーマル
東電、初起動へ
福島第1原発3号機

 東京電力は17日深夜、福島第1原子力発電所3号機(福島県大熊町)で、使用済み核燃料を再利用するプルサーマル発電のための原子炉を起動する。18日に核分裂が連続して起こる臨界に達し、22日にも発電を開始する。
 国内では九州電力玄海原発、四国電力伊方原発に次ぐ3基目。最大手の東電が初めて実施することで、国内のプルサーマル発電がさらに本格化する。
 原子炉起動に先立つ17日午後、福島県は東電側に対し、東電が実施してきた安全確認検査に問題がなかったと伝えた。起動に際しては、専門家らで構成する地元自治体のプロジェクトチームが立ち会う予定。
 プルサーマル発電は、使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出し、新たにウランと混ぜ合わせて作ったウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使う。ウラン資源を効率的に利用するという政府のエネルギー政策「核燃料サイクル」の中核だ。


平成22年3月25日『原子力産業新聞』

国際展開について思う

原子力委員、東京大学特認教授 尾本 彰

 世界では今、国境に拘らないグローバル化とネットワーク化が進行している。原子力も例外ではない。原子炉供給者の国際的な再編と集約だけでなく、発電事業者も他の国で原子力発電を営み、原子力教育も地域ネットワーク化が活発で、欧州では安全基準の協調が進められ、ベストプラクティスは世界で共有されるようになった。
 一方で、国境に拘った資源を巡る国家間の争奪戦と投機による価格変動は、エネルギー・セキュリティ問題への関心を高め七十に近い開発途上国の原子力発電導入検討の誘因ともなっている。そうやって生まれた新たな開発途上国市場獲得を巡って供給国間の熾烈な競争が繰り広げられている。
 市場競争では、東大国際・産学共同研究センター妹尾教授の書かれた「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか」が評判になり、技術だけではなくビジネスモデルと知財マネジメントの重要性が語られるようになった。日本では、世界のニーズへの「想像力」と、「もの」だけでなく使われる「システム」も併せ戦略的に考える習慣も欠けているのかもしれない。
 資源も乏しく人材(知恵と努力)と技術力に依存する日本としては、技術はあっても売れないのは実に寒心すべき状態だ。経済問題を歴史学や社会学も交えた視点で見ておられるロンドン大学森嶋教授が「なぜ日本は行き詰まったか」(岩波書店、〇四年)で憂えておられるように、日本は「活動力がなく、国際的に重要でない国」になりかねないとの危惧も抱く。
 今後二十年間に建設される発電用原子力プラントの圧倒的多数は既存国で、新規導入の開発途上国での設置数は少数と推定されている。後者では喫緊の課題であるインフラ整備についてわが国が協力できることが沢山ある。これを含め国際展開について以下のことが考えられていいのではと思う。

①良い技術をシェアする考え。例えば使われないプルトニウムを抱え込んだ英国の原子力発電回帰の中では日本独自のフルMOX-ABWRは良い選択になり得ないのか。地震国アルメニア、トルコ、ヨルダン、さらにはチリでも検討の計画には日本が苦い経験も通じて得たプラントの耐震設計技術を積極的に提供するのは殆ど責務だろう。

②包括的なインフラ整備支援をIAEAと協調して行うこと。新規国の殆どはIAEAのmilesroneガイドに従い段階的な原子力インフラ整備を行っており、今日欲しい原子力の電気を得るのに十~十五年を要するのに悩んでいる。日本は二・三五億円の原子力予算をつけてから十二年で商業運転を開始した最速の国であることは余り知られていない。

③官民、時として政治が、優れたコーディネーションの下でそれぞれの役割分担を明確にしコーディネーションされた迅速な行動をすること。例えば原子力協定締結や他の経済技術分野も併せ相手のニーズに対応すること。

④優れた運用システムを技術と一体で考えること。技術は長くてもそれを利用する社会を含めた仕組みづくりをこの国はどうも苦手としているように見える。プラント稼働率がその例である。開発途上国が最近発注よりずっと前の早期に雇う傾向のあるプロジェクトマネジメントのコンサルタントは準備段階の全体をマネージする「システム」が欲しいという声を反映しており、日本の対応が望まれる。

⑤相手国の裾野の広い原子力利用を支援すること。プラントを売れば終わりではない。原子力を支える国内産業育成、放射線の医療や農業分野での利用で国民のQOL向上支援によって、軍事までパッケージにした市場戦略とは違う相手国の国民の支持を得られる日本モデルが考えられて良いだろうと考えるのはナイーブ過ぎるだろうか。

 さらに視野を広げれば、⑥過去、国際社会はチェルノブイリ事故を未然に防止できなかった。今後は商業発電炉を利用する国だけでなく供給する国も多様化する。安全条約によるレビューに加え疑問の持たれる設計について国際パネルで評価することも主導すべきであろう。主権尊重の原則はあるが、過去に正の反応度係数をもつ重水炉ではその行方を決めるにあたって、国際社会の意見を受け入れた例がある。最近、仏サルコジ大統領は格付けを提案したが、合意形成は難しく、重要な技術問題につき必要水準を満たしている事を、国際パネルで評価する方が現実的だろう。
 長期的には、グローバル化、ネットワーク化の中で積極的な役割を果たす事が重要。一国でハリネズミのように閉じこもらず、経済では成長市場の東アジアで中国・韓国などと共同体を構想し、技術では国籍を問わず先進技術の共同開発・共同歩調を強め、若い人の背を世界に踏み出すように押す(例えば、欧州では履修単位の共通化、他国での一年間の修行を義務化の例がある。国際的な人材育成には投資が必要)という方向が考えられて良いのではと思う。
 なお、これは個人の見解で、原子力委員会の意見ではないことをお断りしておく。


 かなり前向きな意見が続いたが、結局のところ、トップたる市長や知事の「やる気」次第という結論になってしまった・・・・・。

 12時過ぎ、某氏からの差し入れで頂戴した米粉パン2個、アメリカンドックを移動中の車で食べて昼食。

 13時30分、事務所に戻ったところで来客があり、就業や起業に関する相談を受ける。

 15時から市内まわり。市政に関する苦情を頂いた方に、現時点で柏崎市が公にしている資料をお届けする。

Cimg0319 19時、久々に家族揃っての夕食。スーパーで半額になっていたマグロのすり身にマヨネーズと長ネギのみじん切り、薄口醤油を混ぜたもの、小粒納豆炒飯を卵で包んだ納豆炒飯オムレツ?、じゃがいもと玉葱の味噌汁、ビール500ml2本を飲む。

 食後、録り溜めたテレビ番組を倍速で見つつ、会社関係の書類の整理など単純作業を行う。

 今日の意見交換会では、原子力発電所を抱える立地自治体の首長がいかに、その存在を活用するのかにかかっている、という結論になったが、もちろん国も同様である。
 原子力発電技術の輸出については、腹黒い世界を相手に戦わなくてはならない。日本にしかできない部分を残し、国家的戦略をもって行ってもらいたいと思う。
 まずは、ベトナムなどの東南アジア諸国、そして中東に向けての輸出である。
 自助努力も必要であるが、願わくば、そこに「柏崎ブランド」の工業製品を使ってもらいたい。


平成22年6月12日『産経新聞』

海を渡る技術
変わる経済構造(中)

原発 もう通じぬ紳士協定

 「ワーテルローの戦いに匹敵する」。昨年は月末、アラブ首長国連邦(UAE)の原子力発電所建設をめぐって、海外で受注実績のなかった韓国に敗れたフランスのメディアは、ナポレオン軍の敗戦にたとえ、衝撃の大きさを報じた。
 UAEのアブダビ首長国の4基の原発商戦に挑むため、韓国は政府、メーカー、ゼネコン、電力公社がスクラムを組み、総力戦で臨んだ。初めて原発を導入するUAEにとって、建設だけでなく運転や保守、点検までサポートしてくれる電力業界の存在は大きい。李明博大統領のリーダーシップもあり、韓国は60年間、人員を派遣し、丸抱えで運転する超長期保証契約を結んだ。

■危機感の共有

 同様に受注を逃した日本は米国勢と組んだが、東京電力は米電力会社への協力にとどまるなど、消極的な立場だった。「韓国勝利」の情勢になっても、動揺したのは政府や原発メーカー関係者のみ。東電首脳には情報すら上がらず、経済産業省の幹部は「危機感が共有されなかった。巻き返しのできる態勢ではなかった」と悔しがる。もっとも、東電は新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発の復旧という大仕事を抱えていた。UAEなどに「手を出しづらい状況だった」(関係者)点は否めない。
 
今年4月17日、東電の武藤栄常務と高橋明男発電所長は、柏崎刈羽原発の見学者施設に到着した大型バスを出迎えた。訪れたのはベトナムのフック計画投資相ら約20人の視察団。フック氏は「技術、人材育成の面で協力をお願いしたい」と切り出した。
 ベトナム政府は、出カ100万キロワット級の4基の原発建設を計画中だ。原発は1基約5千億円という巨大プロジェクト。1、2号機は軍事協力を背景とするロシアの受注が確実視され、日本は残る3、4号機に期待をかける。視察は「ベトナム側の強い要望で急遽実現した」(経産省)という。大地震が起きても致命的な損傷の出ない日本の原発の安全性の高さが「高く評価された」と経産省は説明する。

■「日本連合」の姿

 「うちが中心になってやっていきたい」。東電の清水正孝社長は4月下旬、東電と中部電力、関西電力、日立製作所、三菱重工業、東芝に国も加わり、原発輸出を担う新会社設立にあたって宣言した。
 地球温暖化対策を追い風に、世界では今後15年間に500基の原発稼働が見込まれる。原発メーカーである日立の中西宏明社長も、「国がかかわってくれるのはありがたい」と話す。原発輸出をめぐる日本の”企業連合”はようやく姿が見え始めた。
 しかし、韓国政府の計画は今後20年で原発80基を輸出するなど、日本のペースを上回る。韓国の強みは、政府が先頭に立つ、がむしゃらな売り込みだけではない。
 「韓国企業は中東のプラント建設で実績がある。現地で外国人労働者を確保するノウハウを持つ」。松江市で4月に開かれた日本原子力産業協会の年次大会で韓国原子力産業会議副会長の姜昌淳ソウル大名誉教授はこう指摘し、自信を示した。技術力や「工期を守って造ること」 (日立の中西社長)を強みとする日本に対し、韓国は現地のビジネス事情に精通し、建設コストを日本やフランスより2、3割削減して低価格を実現しているからだ
 3月にパリで開かれた原子力に関する国際会議で、フランスのサルコジ大統領は「原発導入を目指す、すべての国に協力する」と語った。もはや民間企業同士で競争する先進国の紳士協定など「通用しない」 (日本経団連)という。
 貿易保険の活用、原子力協定の締約国拡大、日系企業が不利な扱いを受けないための政府間対話…。やるべきことの多い日本には、挑戦者としての態勢づくりが何よりも求められる。

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