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2011年10月28日 (金)

台湾エネルギー事業視察訪問団:4日目
台湾第一原子力発電所内部視察

 急ぎのメールなどを処理し、現地時間2時(日本時間3時、時差-1時間)、就寝。

 現地時間6時に一度起きたが、風邪を引いたのか頭痛と鼻水がすごいため、厚着にし、二度寝をする。

Cimg1054 身支度をしたのち、現地時間8時、ホテル指定の「丹堤珈琲(Dante Caffee)漢口店」で「BBQ鶏肉サンドイッチ、コーンポタージュセット」の朝食。飲み物が一品つくため、昨日と同様、眠気防止のため、エスプレッソを選択した。

 現地時間8時30分、台湾電力公司本社の林氏に同乗してもらい、借りたマイクロバスで新北市石門区にある台湾第一原子力発電所まで移動。

Daiichi

Cimg1056 現地時間10時30分過ぎ、台湾電力公司 ・台湾第一原子力発電所(金山)に到着し、まずは身分証明を確認したのち、サイト内に入れてもらう。
 入口ゲートをはじめ、世界の標準通りにキチンと軍隊が警護をしており、ありがたいことに入域ゲートの表示パネルに「歓迎 日本新潟県柏崎市議会議員団」との表示もして頂いた。 

Cimg1058 会議室にご案内してもらい、陳所長から次のような歓迎のご挨拶があった。

・原子力発電に関わる者として、福島第一原子力発電所の事故は心苦しいものがある。
・東京電力と台湾電力は姉妹のような会社であり、原子力部門の交流も活発で、私自身も何回も日本の原子力発電所を視察させてもらっている。1990年にも柏崎刈羽原子力発電所を視察させてもらった。
・当発電所は、1978年に運転開始以来、安全運転をしており、稼働率も高い。周辺住民にも支持してもらっている。加えて、周辺住民の多く働いているため、貴重な就業の場でもある。

Cimg1062 応礼として、最年長者である丸山敏彦議員から東日本大震災への台湾からの多大な義援金の御礼を述べるとともに、柏崎市のパンフレット、名産物(黒ようかん、味噌漬け)をお渡しした。
 続いて、日本語ビデオでの台湾第一原子力発電所の説明。

・プラントは2基。GE製沸騰水型軽水炉(BWR-4)で、電気出力63.6万KWで、格納容器は福島第一原子力発電所と同じ、MarkIである。
・運転開始は1号機が1978年12月10日、2号機は1979年7月15日。
・運転員は2プラントで20名、二交代当直。
・2年に1回は地域住民、消防、警察、軍隊を入れた総合的な訓練をやっている。

Cimg1077 ビデオ終了後、こちらでリクエストしていた使用済み燃料の「ワンススルー方式」についてのプレゼンテーションを受ける。
 日本やドイツ、フランスでは、使い終わった使用済み核燃料からまだ燃えるプルトニウムなどを取り出して、なんるべく燃やすようにし、最終的な核のゴミの量を減らそうとしている。しかし、現時点で台湾ではワンススルー、つまり使用済み燃料を何も加工せずにそのまま捨てるという方式を選択しようとしているため、その真意を聞きたかったのが、リクエストの目的である。
 内容は以下の通り。

・どういう選択(リサイクル、ワンスルー)をとろうが、高レベル廃棄物はでるため、その研究もしている。
・現在、台湾の使用済み核燃料処理のステップはフェイズ2といわれる段階で、ワンススルーかリサイクルするかはフェイズ3で決定する。
・その前に燃料プールがほぼ満杯(80%以上)となっているため、乾式ドラム倉庫を建設しており、第一原子力発電所では2013年に完成予定、第二原子力発電所は環境アセスメントの審査を受けている最中。第三原子力発電所は、かなり使用済み燃料プールに余裕があるため、あと40年使える。

Cimg1063 質疑応答の時間をとってもらったので、聞きにくい事もズバリとお聞きした。

Q.即、原子力発電をやめようが、しばらく続けようが高レベル廃棄物の処分からは逃げられない。日本では、高レベル廃棄物の処分地の調査だけ(高知県東洋町)で、パニックのようになったが、実際に高レベル廃棄物を処分するとなると、現地の住民合意はとれそうか。
A.現在の法律では、原子力発電所の建設には、住民投票が必要と規定されているが、処分施設に対しては法律そのものがない。いずれ国会において法整備されると思う。

Q.実際の候補地はあるのか。現時点でも調査しているのか。
A.詳しくは述べられないが調査はしており、花崗岩に囲まれた強固な地盤をもつ地域が、3カ所ある。これはいずれも調査をしている。

Q.ワンススルーでもない、リサイクルでもない第3の手法を研究中とのことだが、実用化の目処はたっているのか。
A.中性子を利用した方法であるが、技術的にもコスト的にも今の世代ではなく、次の世代での仕事になると思う。それまでの間に保管をして、どうのような選択でもとれるようにオプションをつけておく事が現世代としてやるべきことと思う。

 まだまだ質問したいことがあったものの、時間の関係もあり、ヘルメットをお借りして、央操作室や管理区域内である原子炉建屋原子炉頂部まで行き、燃料プール等の現場視察を行った。

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Cimg1083 東日本大震災後に東北電力・女川原子力発電所を視察して以来、中央操作室独特の匂いに懐かしさを感じつつ、ディーゼル発電機が空冷と水冷の両方(東京電力・福島第二原子力発電所は増設分が空冷で津波に耐えた)を準備してあることなど、日本のプラントでも考えるべき点も見せてもらった。
 最後にプラント前での記念撮影し、視察終了。

Cimg1088 陳所長以下、幹部の皆さんからの昼食のお誘いがあり、ありがたくお受けし、「北海高爾夫鄉村俱樂部(Nortn Bay Golf & Country Club)」のクラブハウスに移動する。
 このゴルフ場は海を見ながらプレーできるそうで、人気だという。

Cimg1085 食事をとりつつ、台湾第一原子力発電所(金山)に勤務する方の実態(職員537名中、60名が地元の人間)、日本の原子力立地自治体の議会の様子と台湾の地方議会の違いなど情報交換をし、昨日の高成炎教授率いる反原発の台湾環境保護連盟の皆さんとの意見交換の話も含めて、双方の話を聞くことができた。

Cimg1084 話も面白く、非常に濃厚な時間となったが、烏骨鶏の蒸し鶏がこれまで食べた鶏肉のなかでもずば抜けて美味しく、つい3個ほど食べてしまった。
 柏崎でも栽培に取り組んでいるマコモ茸がこの時期の地元の名産であり、炒め物として頂いたが食感が良かった。ちなみに、白くスラっとした見た目から「美人脚」との愛称で道ばたで販売されている。

 
 現地時間14時、台湾電力公司の皆さんに御礼を述べて、帰路につく。

Cimg1090 途中、李登輝元総統のご生家(台北縣三芝郷埔坪村源興居)があるとのことなので、立ち寄る。
 ご生家は、閩南式三合院建築という台湾の伝統的な建築様式の家屋で、「源興居」と呼ばれている。
 中に入ってみると思ったより、ゆったりとした感じになる作りであった。

Cimg1091

 渋滞もあったため、現地時間18時過ぎにやっと、宿泊先のホテル「華華大飯店」に戻る。

Cimg1096 台湾名物である屋台で夕食をとろうということになり、現地時間21時、MRTで台北駅から劍潭駅まで移動。観光地でもあるため混雑しており、劍潭駅の目の前の士林観光市場に入るまで時間がかかる。
 周辺で。印象的なのは、「韓国風整形外科」の文字がかかれた大型看板。美容整形は韓国ブランドは強いということであろうか。

Cimg1097 士林観光市場のなかで缶ビールを飲みつつ、魯肉飯(ルゥロウファン)や豚の血を塩水で豆腐のように固めたものを猪紅(チューホン)が入った檄辛の火鍋などをつつく。
 お店の親父さんが「お嬢さん!お二人?」という語りかけを歩く人にしていたが、日本語で「シャオチェ、ヤーバイ、ヤーバイ」に聞こえ、心のなかでヤバイおじさんと呼ぶことにした。
 食後、それぞれの単独行動となったので、言葉も通じないなか、屋台でボードゲームをさせてもらい、最後に士林名物の大香腸(ソーセージ)をスライスした生ニンニクとともに頬張る。

Cimg1098_2

 その後も市内をふらふらと歩き、現地時間24時に宿泊先のホテル「華華大飯店」に戻る。

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コメント

台湾でも反原発派があるが、反原発派に対してどのような対応をしているのか、質問していただきたいと思います。柏崎刈羽の場合とイデオロギーの面で、どのように異なる行動が、あるのか知りたいと思う。

 ぺんぺん草さん、コメントありがとうございます。
 お話をお聞きした限りでの感想としては、台湾の反原発活動も日本とほぼ同じでした。

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