平成23年第6回定例会一般質問
核兵器、がれき、生徒避難、生ゴミリサイクル
録画したおいたテレビ番組を一気に見通し、4時、就寝。1.3倍速で見たなか、一番印象に残ったのは、「たかじんのそこまで言って委員会」でケビン・メア元アメリカ国務省日本部長に在任期間中で最悪な日本の総理大臣を聞いたところ、
「鳩山でしょ」
の一言があり、夜中にも関わらず、笑ってしまった。
7時、大粒納豆、ジャガイモと玉葱の炒め物、葱ラー油でご飯2杯の朝食をとる。
議会で使う資料を印刷、整理したのち、市役所に移動。
10時から本会議、一般質問の3日目に出席する。
午前中は2名の議員が質問を行ったが、原発反対派は「安全神話の崩壊」「原発からの脱却」「原発に依存しないまちづくり」と耳聞こえの良いような事を言っていた。「安全神話」という言葉自体、原子力発電に関わるものが作ったものではない。設備の改良や運転員の訓練は「安全神話」がないからこそ、常に行ってきたことであり、少なくとも私の知る限り、現場にいた人間には「安全神話」の意識はない。また、「原発からの脱却」「原発に依存しないまちづくり」と言うなら、先の第四次総合計画後期計画の財政説明の際、私のように
「原発財源がない場合の財政計画をシミュレーションせよ」
と言うべきであり、原子力発電所の再稼働前提の財政計画に反対すべきである。マスコミに報道されやすいところだけこういった主張をして、普段の議会内では賛成している。原発反対派の市民の皆さんに一番知ってほしい事実である。
給食の残食についての質問もあり、実態は以下の通り。
・毎年、県内で調査を行っており、11月第3週の5日間に抽出。ご飯やおかず、汁物などを平行に食べる習慣が身についていないためか、白ご飯が残ることが多い。
ある小学校では、丼物の際には残食率1%程度であるが、白ご飯とおかずのメニューでは白ご飯の残食率は3~5%となる。
12時5分、休憩となったので会派室に戻り、「割烹おくい」(電話:0257-24-6486)の弁当で、会派会議を行いながら昼食をとる。
現在、部会長を努める議会改革に関する特別委員会の第一部会で議論している議員倫理条例や重要法案を通さずに国会を閉じてしまった民主党政権について話し合う。
13時、再開となり、2名の議員が一般質問。
15時から15分間の休憩をとったのち、一般質問の登壇となった。
「先般、台湾の第一原子力発電所を視察してまいりました。入り口ゲートをはじめ、世界の標準通りにキチンと軍隊が警護をしており、改めて柏崎への海上自衛隊の誘致が必要だと感じた整風会の三井田です。ちなみに、台湾は徴兵制度がありますので、電力会社の社員も軍隊経験者という状況です。」
とお約束の前置きをしてから、内容に入った。
毎回のことながら問題だと思うことが多過ぎ「何を質問するのか」、これを選ぶのが非常に大変だった。旧柏崎トルコ文化村に関する裁判の結審は来年であり、原子力防災についても国の方向性を待つとの会田市長の答弁が前回の議会だったため、新年度予算の前の議論したいことを中心に4つのテーマを選んだ。
一つ目は、これまでも一般質問をはじめ、各委員会でも取り上げた
1.核兵器廃絶平和推進事業について、これまでの事業評価と今後の取り組みについて
2つめは、
2.東日本大震災に関するがれきの受け入れについて
で、先に別の議員からも同様の質問があったので、少し違った部分での質問に絞りたい。3つめは
3.東日本大震災に鑑みた小中学校における生徒避難の課題について
国難ともいえる災害であり、実際に私が現地で調査したことを基本に、質問というよりは、ある種の課題のご提案をしたい。最後の4つ目の質問は、
4.総合的な地産地消に基づいた教育、生ゴミリサイクルへの取り組みについて
で、市長、教育委員長、そして教育現場の実態をふまえて教育長にお聞きしたい。
1.核兵器廃絶平和推進事業について、これまでの事業評価と今後の取り組みについて問う。
この質問については、昨年(平成22年第一回定例会)でも行い、また先日の平成22年度の決算審査においても同様の質問をしたが、 この議場であらためて確認したい。
事業としては、核兵器廃絶平和都市宣言に基づくものとして、市民及び中学生を対象にした被爆体験者講演会、原爆写真展を行っていると聞いている。
先般報告のあった、第四次総合計画後期計画においても「人権尊重の推進」の主要事業として同じ文言「市民及び中学生等を対象にした被爆者体験者講演会、原爆写真展」が事業内容として掲載されていた。
本来、軍人と軍人が行う戦争において、民間人を狙った爆撃は戦争犯罪。原爆は投下されなかったものの、一夜にして10万人を焼き殺した東京大空襲でもそうであり、さらに広島、長崎でウラン型、プルトニウム型と核種を変えた原爆投下こそはまさに戦争犯罪と言える。その意味においては、後世に語り継ぐことは必要である。
ただ、少し疑問もあり、核兵器廃絶平和都市宣言をする際、会田市長はアメリカのオバマ大統領のプラハ演説にふれた。実際のアメリカはどうかといえば、その後に核実験を、昨年9月15日、昨年12月1日、今年2月2日と3回繰り返し、より精度をあげた核兵器の開発をしている。さらにこれまでは、事前の告知や実施後の発表を速やかに行っていたが、現在は事前告知もなく、透明性が後退している。
つまり、核兵器廃絶などまったく取り組む気はない。上っ面では核兵器廃絶宣言など耳障りの良いことを言いつつ、水面化では新型核兵器の開発をすすめる。これが政治の実態であり、いわば「世界は腹黒い」。こういった実状をふまえて、これまでの事業の成果、目的達成度等をどのように評価しているのか、まず聞きたい。
市長:核兵器廃絶平和都市宣言は平成22年1月1日に行い、市民対象の平和フォーラムを実施して280人、悲惨さを伝える写真展にはのべ1600人の市民が訪れた。原爆投下から66年、若い世代への語り継ぎとして成果があったものと思う。今年度は広報かしわざきにおいても周知し、広島市から被爆体験者をお呼びした話を聞いた。中学2年生380人が聞き、写真展にはのべ850人、平和を祈るための鶴も折られ3780羽が被爆地に届けられた。「はだしのゲン」上映会にも102人の来場者があった。若い世代をはじめ、一定の効果があり、目的は達している。
ここで2つのことを問いなおしたい。
核兵器に関する事業を行うなら、世界の核兵器の情勢や現実的な我が国・日本への脅威についても周知すべきである。
事前に当局、そして議員各位には東アジアの核戦力配置図を配らせてもらった。見てもらえれば分かるように、中国、ロシア、そして北朝鮮の核ミサイルは確実に我が国を狙っており、まさに核兵器に囲まれているのが実態。
ダチョウという鳥がいる。大きな体に反比例して臆病な性格で、本当の危機状態になると頭だけを地中に埋めると言われている。核兵器廃絶平和宣言と言っておきながら、実際のういった核兵器に関する本当の危機を知ろうとしない、教えないということであれば、まさにダチョウの論理。
実施の危機を教えるような事業は行わないのか。
市長:悲劇の語り継ぎにご理解頂いたようで、原爆について周知したい。ご指摘の実際の核兵器の脅威については大事なことと思う。
誰も悲劇も語り継ぎに反対などしていない。問題は実際の脅威、本当のことを柏崎市民に教えるべきというところである。
2つ目の問いをしたい。
先の平成22年度第一部決算特別委員会において、柏崎市独自としての取り組みはできないのか、と聞いたところ、当局からは「アメリカの核実験をはじめ、一自治体の範疇を越えているので、加盟する日本非核宣言自治体協議会としての活動をする」との答弁があった。日本非核宣言自治体協議会のこれまでの抗議先は、アメリカ合衆国、北朝鮮、ロシア、イギリスであり、中国には一回も抗議していない。しかし、先ほど資料提示したように、中国は確実に我が国に向けて、核ミサイルを向けている。
柏崎は中国の3都市とは友好都市などでおつきあいがあり、本気で核兵器廃絶に向けて行動するというのなら、柏崎市から中国3都市に向かって
「貴国からは核ミサイルを向けておられますが、当市は核兵器廃絶平和宣言をしました。お元気でしょうか」
と聖徳太子が送った書簡のように「恙無きや」という文面でも良いが送るべきではないか。
市長:核兵器は脅威であることは事実であるが、一自治体でできることは限られている。中国だけではなく、世界的な取り組みが必要である。
実際の核兵器の脅威を柏崎市民に教えるべきであり、また事業として取り組むべきなら自主性を持つべきではないか。
先般、Jアラートの災害放送訓練をやったと思うが、そのJアラートには飛翔体、つまりミサイルだって入っている。自分たちでやっている訓練の意味合いをよく考えてほしい。あからさまに日本に核ミサイルを向けているのは中国であり、自主性をもった取り組みをするよう強く要望する。
2.東日本大震災に関するがれきの受け入れについて
このがれきの受け入れについては、先の12月7日の市長記者会見の場において、会田市長から「前向きに検討する」との発言があり、また先ほどの他の議員からも同種の質問があったため、違う角度から絞って聞く。
*クリーンセンターが平成26年度まで9月から3月までの間、修繕となるため、使えるのは4月から9月中。柏崎市としては約1万7000トンほど受け入れが可能。
実際に会田市長自身は東日本大震災の被災地に足を入れて、がれきを自分の目でみたかどうか。
また、東京都でがれきの受け入れは貨車、つまり鉄道貨物を使っている。20年以内を見越した将来のモーダルシフト、つまり鉄道貨物の見直しが進むことを考えると、私はこういった受け入れの検討を行うなか、柏崎への鉄道貨物のデータを得るチャンスと捉えるがそういった視点は市長にないか。
市長:被災地には4月に岩手県までは行けなかったが、宮城県、福島県に行った。鉄道貨車の話もあったが、がれきの受け入れ自体、自治体単独でできることではないので、連携をとって進める。
現地でがれきの山を見たのかどうか確認したのは、その実態を知って検討しているのかを確認したかったからである。多くの人が心配している放射線については、即時にサーベイ、つまり機械で数値として測ることができる。しかし、現地にいけば分かるように本当に問題になっているのは、化学的な物質(アスベストや農薬など人体に直接影響のあるもの)は即座に測定することはできない。放射線よりも化学物質について十分留意してもらうよう指摘する。
また、鉄道貨物のことについては、もう一度いうがこれを機会に柏崎の鉄道貨物の可能性を国や県に調査してもらうチャンスととらえて取り組んでほしいということである。これも広い視野で検討してもらいたい。
どこの被災地のがれきを受け入れるかどうか、他の議員の質問に市長が答弁したように、国が調整するのか、新潟県と被災した県が話合うのか、また柏崎市と被災した市町村が直接やりとりするのか決まっていないのは分かる。しかし、同じ原子力発電所の立地自治体である宮城県女川町は44万トンのがれきがあり、東京都がそのうち10万トンを引き受けている。女川原子力発電所は被災後も安全に停止し、周辺住民が発電所のなかに避難したほどであり、放射性物質の心配もない。原子力発電所立地自治体としての付き合いもあり、手を差し伸べるべきではないか。
市長:当市としては、がれき受け入れは検討中であり、国、県と調整している段階。
是非、柏崎市としての主体性をもって進めてもらいたい。
3.東日本大震災に鑑みた小中学校における生徒避難の課題について
今回も教育委員長にご足労頂き、教育委員会全体としての方針をお聞きしたい。
災害はいつ来るか分からず、東日本大震災に鑑みれば、学校現場での被災については教職員の判断、日頃の避難訓練、生徒の意識づけなどが重要であったことが分かります。
私自身、これまで被災地には7回ほど入って、微力ながらお手伝いをさせてもらうとともに、防災について学ばせてもらった。
我が柏崎市においても、同様の災害が起こったらどうなるのか、常に考えながら、被災者の方と酒席もともにしながら調査した。
ただ、災害のなかでも、原子力災害については、国の方針をはじめ不確定な部分があり、かつ私自身が現地に入って調査できていないため、今回は原子力災害を除く災害について聞く。
東日本大震災での生徒避難の好事例としてあげられているのは、岩手県釜石市。一人ひとりが「津波から逃げる」、「てんでんこ」を徹底して教育し、子供たちの間でも寸劇のかたちで防災を学んでいた。釜石市の小学生1927人、中学生999人のうち、残念ながら亡くなったのは5人で、生存率は99.8%。
こういった好事例を含めて、柏崎市においても生徒避難の課題を改めて抽出し、検討すべきと思うが、教育委員会として大きな方針を聞きたい。
教育委員長:今回の東日本大震災を見て、津波をはじめ災害の想定外であったことを痛感した。こういった想定外のことが起こった場合の各学校間との連絡体制など課題があるため、教育委員会として取り組みたい。
教育長:今年度、海沿いの各学校には津波の避難訓練を実施させ、屋上や裏山に逃げることを想定した。東日本大震災をみての避難の検討現状は、各学校単独では不安な部分もあり、原子力防災課と連絡を密にし、検討したい。生徒への防災教育にも力を入れ、想定に捉われず、避難三原則を教えたい。
真摯な答弁に感謝したい。
今回の実際に被災地をまわってみて思ったこと、結論から先に言ってしまえば、教職員が大きな決断をしなくとも良いような環境整備をある程度しておくべき、というもの。これは何も教職員の能力がないから、というわけではない。スーパーマン、ウルトラマンではないため、一人の教職員の決断で多くの生徒の命のあり方が変わってしまうほどの責任を教職員に押しつけるべきではない、ということ。そして、教職員の本分として災害時に生徒がパニックにならないようにする重要な職務があるためである。、
ひとつ事例を紹介したい。あの防災対策庁舎で最後まで住民に避難を呼びかけ続けた女性職員で知られる南三陸町に戸倉小学校という小学校がある。地震後、校舎自体は津波にのみ込まれたが、生徒は高台の神社に避難して全員無事だった。避難した夜は、雪の降る中を三年生以下は神社の社殿の中に入り、五、六年生は屋外でキャンプファイヤーを行って、歌を歌って一夜を過ごしたという。災害時でも、こういった生徒の心情を考えた、機転の効いた指導、これが災害時の教職員の本分だと思う。
では、実際にいま柏崎のこの小学校はこう!あの中学校でこうしろ!という段階まで提案はできないが、私自身が調査した実例をご紹介しつつ、こういった課題があるのではないか、というところまで話したい。
まず悲惨だった事例として、よく挙げられるのは、宮城県石巻市の大川小学校の事例。地震が起きた時、校長先生は不在、教職員12人と生徒108人が校舎におり、地震発生後、校庭に生徒全員と教職員全員が避難した。しかし、ここですぐ近くの「三角地帯」と呼ばれる小高い場所か、それとも裏山に逃げるか、約30分間相談。その後、点呼を終えて、避難をはじめたところに津波が襲った。教職員12名のうち10名が亡くなり、7割の74名の生徒が未来ある尊い命を落とした。この大川小学校の近くには、北上中学校と吉浜小学校があり、そちらは数名の犠牲者であったことから、大川小学校の対応について、石巻市教育委員会は保護者に謝罪をしている。
一番の原因は、教職員の決断が遅かったことであり、こういった決断をすることなく、余裕を見越した避難場所に逃げれば良かったと、いまだから言える。しかし、細かい点を考えると次のような背景、問題があったように思われる。
<避難経路の確認と意識の問題>
裏山の木が遠くからみたところ数本倒れているので、高い裏山ではないところに避難した。これは憶測が入っていることに加え、大げさに逃げるまででもないか、という認識の甘さがあったように思う。私も避難訓練等にでることが多いが、「大仰に逃げなくても」という雰囲気になることがある。こういった意識を変える必要があろう。
<人事の問題と地元の歴史継承>
教職員は県内を人事異動するので、津波の怖さを知らない、つまり地元の歴史を深く知らない教職員が赴任する可能性や若い教職員だけで対応しなければならない場合もある。
例えば岩手県山田町の船越小学校は指定避難所になっていたので、現場の教職員はそれで安心していた。しかし、地元の方で年配の校務員さんが沖合の津波の高さを見て、小学校でも危ないと判断して、生徒・教職員を誘導。さらに40メートル高い丘の上に避難して助かったという事例があった。
大川小学校の場合には、経験豊かな校長先生が不在であったことも要因としてあったように思う。
もう一つ大きな課題があると思われる事例、実際、現地へ行った回数では石巻市が多かったため、石巻市内二つの小学校の事例を紹介したい。
石巻市立釜小学校は、生徒数657人のうち主に三年生以上の約450人の生徒たちが校内にいた。うち、約420人は校舎の最上階に逃げて無事だったが、保護者に引き取られて自宅に向かった生徒約30人のうち12が死亡し、4人が行方不明となった。
同様に、石巻市立大街道小学校は、生徒数407人中、約200人が保護者が迎えに来たものの、その保護者と生徒が犠牲となった。
宅間守元死刑囚で有名となった2001年の大阪教育大学附属池田小学校での乱入殺傷事件もあり、2009年4月に学校保健法改正で地震や火災を想定したマニュアル整備を自治体や学校に義務付けられた。
当市を含め多くの学校では災害時に保護者が児童を引き取るルールが多いが、紹介した事例では、このルールが逆に命を奪った。なるべく保護者に返すという手段もあるが、引き取りにこられない保護者もおり、教職員による避難した生徒の把握も難しくなることから、この辺は十分な検討が必要と思われる。
以上、津波に限らず災害時の生徒避難の課題と思われることをご紹介させてもらったが、教育現場の経験から教育長の答弁を求めたい。
教育長:参考に今後の検討を行いたい。常識では考えられないことが起こった以上、事例だけにとらわれることなく、検討する。
是非、生徒の生命を守るための必要なソフトウェア、ハードウェアの整備を行ってもらいたい。
4.総合的な地産地消に基づいた教育、生ゴミリサイクルへの取り組みについて
地産地消という言葉は多くの市民が知るようになり、今回の一般質問においても複数の議員が取り上げている。
しかし、私が感じる範囲においては、多くの地産地消の議論は食育の概念とゴチャ混ぜになり、食べ物の流通という面が主になっているように思われる。
本来の地産地消の意味合いには、食品からでた生ゴミ等の地域内でのリサイクルも含まれると私は捉えている。
つまり、人間の血管で表せば、生産から口に入るという動脈部分、なるべくゴミをださず、肥料として使えるものは使うという静脈の部分がセットで議論されるべきである。
先日示された第四次総合計画後期計画では、「柏崎の教育3・3・3運動」の推進主要事業として、食育推進事業、学校給食における地産地消の推進があがっている。
地場産の食材を食べるということだけではなく、給食をはじめ普段の食事においても食べ残しやリサイクルを意識し、「もったいない」気持ちを持つことが涵養ではないか。
「もったいない」は、先頃亡くなられたケニアの環境保議活動家であるワーガリ・マータイ女史が環境問題を想起する言葉として世界中で紹介し、価値ある物を価値の無い物としで安易に処分してしまうことを戒めている。しかし、これは日本人が本来もっていた感覚であり、江戸時代などは本当の意味での地産地消を行っていた。この「もったいない」と言う言葉の意味するところをしっかりと、子供達に教えるのも地産地消ではないかと思われる。
他の議員からも給食の食べ残し、残食に関する質問があったが、地産地消の静脈部分も含めた教育の方針について、教育委員長に伺いたい。学校現場での経験が豊富な教育長には、実際の取り組み事例を聞きたい。
教育委員長:食材を大事にすることから食べ残ししないよう総合的に教育している。食べ物について学ぶようにしており、土地を豊かにし、作物を育てること、食べることはそのいのちを頂いて育んでもらっていること、そして「もったいない」ということまでを教育の方針としている。
教育長:食育として、給食のみならず、家庭でも食べ残しのないよう、盛り切りの指導をしている。また生徒自身が残食の量を測ったり、啓蒙のポスターを作成することも取り組んでいるところ。学校栄養給食デーでは、生産者の方からも参加してもらい、生命を育んでもらっていることを学んでもらっている。家庭はもとより地域でも情報交換を行い、「柏崎の教育3・3・3運動」においても自然から学ぶこと、健康な体のためにも食は大切であることを掲げている。
是非、「命のもとを謹んで頂く」「もったいない」という考えを教育のなかでより強く教えてもらうようお願いしたい。
続いて、柏崎市のごみ減量化、地産地消を進めるためにも同様の考え方は必要であるとの観点から、生ゴミリサイクルの取り組みについて、市長の考えを聞く。
柏崎市では、3R推進、廃棄物の排出抑制を最優先とした再使用、再利用に取り組んでいるが、地産地消という観点も前面にだすべきかと思う。
そのためには、まず家庭生ゴミの扱いが重要となるが、午前中、同様の一般質問が他の議員からあり、コンポスト、ぼかしへの補助金は当初の予定通り3年目を迎える今年度いっぱいで打ち切り、電動生ゴミ減量機器への補助金は継続するとの答弁があったので、次の質問に移りたい。
事業系の生ゴミについて聞く。事業系生ゴミについては、柏崎市バイオマスタウン構想のなかに「農業と連携する生ごみ等の利活用事業」として入っており、これまで積極的な取り組みを行うものと認識していた。同時に市長はこれまで環境産業の支援育成を掲げていたが、事業系生ゴミリサイクルに関してどのような支援をしてきたのかを確認したい。
今回、提示された第四次総合計画後期計画にも主要事業としては挙がっていなかったのは残念である。
先般、11月16日の柏崎日報紙に国の「食品循環型資源再生利用事業計画」の認定を受けた生ごみのリサイクル事業が掲載されていた。
平成23年11月16日『柏崎日報』
有機肥料
「元気ゆうき君」増産へ期待
国の認定受け 農家と業者が連携
ウオロク柏崎店
地場産直売も
県内大手スーパーのウオロク(本社・新潟市、葛見久則社長)柏崎店と、生ごみリサイクル業者「柏崎エコクリエイティブ」(市内荒浜3、上森一利社長)などがこのほど、国の「食品循環型資源再生利用事業計画」の認定を受けた。これにより、柏崎エコクリエイティブが製造する魚のアラを主体にした有機肥料「元気ゆうき君」の製造拡大が期待されるもので、ウオロク柏崎店内に設けられた「柏崎地場産直売コーナー」では、この肥料を使った地場産野菜などの販売をアピールしている。
同計画は食品関連業者「たかの」(本社・小千谷市、高野浩和社長)、柏崎市内外の農家21軒と連携し、申請した。柏崎エコクリエイティブはこれまで、昨年実績で約320トンの生ごみをリサイクル処理し、約200トンの「元気ゆうき看」を生産販売している。この肥料を使用する農家から高く評価される一方で魚のアラの回収が法律上、柏崎地域に限定されていたため、不足となり、十分な量を提供できなかった。
今回の国の認定で、回収が長岡地域まで広がった。これにより、長岡市内のウオロク5店舗から魚のアラなどの生ごみを回収することができ、「元気ゆうき君」の増産が見込まれる。また、農家が使用し、有機野菜を生産することで一層の循環型リサイクルが期待できるとしている。
食品リサイクル法で食品関連業者に義務付けられた再生利用実施率は2001年から段階的に引き上げられ、本年度は52%。ウオロクから魚のアラ年間170トン、野菜くず40トンを回収し、これらから「元気ゆうき君」を約127トン製造する計画だ。参加農家はその全量を引き取り、有機農法で安全で食味豊かな農産物の生産に取り組む。
ウオロク柏崎店内の地場産コーナーには、「元気ゆうき君」を使用する農家から年間39種類の農産物が並ぶ予定という。農産物を提供する一部農家の顔写真を掲げるなどPRに努めており、同店では「鮮度抜群の地元農産物を直接販売しており、ぜひ利用してほしい」としている。
柏崎市内のスーパーや鮮魚店、ホテル、飲食店等からでた魚のアラを有機肥料にして、その肥料を使った地元の農家の野菜がスーパーで売られるということであるなら、まさに地産地消。
記事によれば、柏崎市内の魚のアラだけでは不足であり、長岡市内のスーパー5店舗から回収するというが、こういった市外の事業系生ごみを使う前に柏崎市内で何とかカバーすべきではないか。
本来、バイオマスタウン構想とは官民が一体となり、地域でリサイクルの輪を完結することを目標理念としていたはずである。即ち柏崎地域で出たゴミは柏崎地域で処理し利用すること。平たく言えば柏崎市内で排出される魚のアラを利用し尽して、これ以上柏崎では確保ができない、それゆえ長岡市から生ゴミを持ち込むと言うのならば、話は分かる。
ところが実態がそうではないとしたら、これは柏崎の環境行政にとって大変不名誉なことである。この事業は柏崎市も十分把握してはずであり、市長はどう認識しているのか。
市民生活部長:事業系生ごみのリサイクル、処理事業であり、この度市外の業者との話し合いで実現できたと聞いている。事業計画が国に認められ、市外の生ゴミの収集、運搬の許可が不要になったことから、実現できた事業だと認識している。
柏崎市内の生ゴミ収集、運搬の許可は市長が権限をもっている。官民一体となってバイオマスタウン構想を進めてきたのではないのか。
バイオマスタウン構想の事業別スケジュールのなかでも、「農業と連携する生ごみ等の利活用事業」(5-1 生ごみや木質ペレット焼却灰などの堆肥化)は平成27年度以降の実施となっているが、
市民生活部長:生ゴミをリサイクル、資源化する事業として、市民に理解されており、事業者同士で話を進めていくものと思っている。
市長に聞く。柏崎市内で事業系生ゴミがすべて無くなって仕方なく、長岡市から事業系の生ゴミを持ち込むのなら分かる。しかし、事業系生ゴミは柏崎市内にまだあり、市長が権限をもっている収集、運搬さえ許可すれば、さらに柏崎市での循環ができる。
市外から生ゴミを持ち込むような事態になって、市長は環境行政として恥ずかしいと思わないのか。
市長:何ら問題はない。それは事業者のことであり、事業者に聞いてほしい。
何を言っているのか。柏崎市バイオマスタウン構想自体、官民一体となって推進すると書いてある。しかも今回の対象事業者の名前も書いてあるではないか(20ページ)。
これまで他の議員からの同様の質問には、柏崎市のごみは事業系ごみが最大の課題であると答弁し、そのなかでも生ゴミがネックであるとしてきた。であるならば、こういった事業を推進するために権限を持つ市長は協力し、長岡市から事業系生ゴミを持ってくるのではなく、柏崎市内で循環させるべきではないか。
会田市長は柏崎市バイオマスタウン構想のなかに掲げられ、かつ国が認定したリサイクル事業を推進しないのか。しかも民間がやるのであり、市としては予算がかかわるわけではない。
市長:では答えるが、事業系ゴミの減量成果は上がっている。木質ペレットでも柏崎市内で足りず、市外で加工して同じことであり、問題はない。
話を反したようだが、その木質ペレットでもガソリンを使って市外にもっていき、またガソリンを使って柏崎にもって帰ってくる。BDFについても同様に、廃油を回収してガソリンを使って市外にもっていき、またガソリンを使って柏崎市内に戻すという、循環型社会とはかけ離れたことになっている。本当にこれでいいのか。
市長:質問の意味が分からないが・・・生ゴミについては、将来的には消化ガスでの利活用も考えており、バイオマスタウン構想に取り組んでいないということはない。
どうも話が噛み合わない。まず生ゴミの発電、長岡市がPFI方式で計画しているようなメタンガス利用発電は最終的には大量の汚泥を乾燥させ焼却処分が必要となる。生ゴミを直接使用する方法があるなら、最も効果的である。なるべくエネルギーを加えず、再利用するのがリサイクルの基本ではないか。
もう一度、確認のために言って終わる。
柏崎市のゴミ減量化の課題は、事業系のゴミ。なかでも事業系の生ゴミがネックになっており、今回のような事業は官民あげて推進し、本当の意味の地産地消をすべきである。
今回の一般質問での最大の失敗は、テーマを4つにしたことで、2つにしておけば良かったかと反省である。
もう1名の議員が質問を行ったのち、15分間の休憩。
会派室に戻ってみると、携帯電話に着信が数件あり、一般質問を聞いての激励とともに、もっとゆっくりとテーマを深く議論してほしいとのことだった。
17時5分から再開し、1名の議員が質問を行った後、本会議が終了となった。
18時過ぎ、自宅に戻り、冷蔵庫に残っていた野菜の切れ端、車麩、干し椎茸、ほうれん草、卵2個、冷凍うどんで鍋焼きうどんを作り、葱ラー油とひきわり納豆の和え物、ご飯1杯で夕食をとる。
食事中に連絡があり、懇親会に顔をだしてほしいとのことだったので、食べ終わったのち、移動。
19時から市内某店で懇親会に出席し、今日の議会報告をするとともに意見交換を行う。
議会中のため、二次会は失礼させてもらい、21時30分に帰宅。
風呂に入って酔いを覚ましたのち、事務所で会社関係の仕事を行う。
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