平成25年度農業委員会管外視察研修2日目
川内高原農産物栽培工場
2時から深夜の温泉に1時間ほど入ったのち、就寝。
6時に起床し、急ぎの仕事を行う。
7時、ホテルの朝食会場に行き、ビュッフェ形式の朝食。納豆はもちろんの事、地元の会津地鶏の卵を使った卵焼きや厚切りベーコン、自家製おぼろ豆腐、好物のしそ巻き、じゃっぱ汁、地元の牛乳(べこの乳)、グレープフルーツジュースで白米のご飯2杯、桜海老ご飯2杯を食べる。おかずが美味しいためご飯がすすみ、動けないほど満腹になってしまった。
8時20分、ホテルをチェックアウト、精算し、ロビーで行われている朝市で長葱や西瓜を購入。長葱は8本入って、なんと100円。あまりの安さで驚いてしまった。西瓜は「ミニ黒太陽」で1000円。購入後、「それゆけ!アンパンマン」が好きという若い女性の仲居さんに、ナガネギマンが歌う「ナガネギフラメンコ」について熱く語り、ドン引きされた。
8時30分、ホテルを出発し、一路、福島県川内村に向かう。
10時10分、福島県川内村役場に到着。川内村の人口は約3000人であり、東日本大震災によって村外にて避難生活をされている方がおり、我が柏崎市内には7名の方が避難されている。
早速、遠藤雄幸村長から歓迎の挨拶を頂戴した。
・川内村は東向きの道路整備などは進んでいたが、山側については目がいっていなかった。今回の被災によって、失ったものは大きいが、(教訓として)得たものもある。
・昨年4月、役場機能を復旧できた。農地、道路の除染を進めており、順調ではあるが、目的通りに数値が下がらなかった場所もある。
・川内村の総生産は75~80億円。第一次産業は11億円で、そのうち農産物は5~6億円。
・富岡町や大熊町と共存してきた関係であり、村民の仕事先も多くは村外。富岡町などが元に戻らない限り、昔のような生活に戻ることはない。そのためには、川内村として人口拡大と企業誘致が重要課題となっている。
続いて、復興課より、復興までの道のりを含めて、ご説明を頂いた。主な内容は以下の通り。
・川内村は、福島県の浜通り地方、阿武隈高地の中部に位置し、総面積は197.38平方km。この阿武隈高地の分水嶺、大滝根山(1193m)をはじめ700~900m級の起伏の多い山岳に囲まれた高原性盆地で、総面積の87.9%が山林で占められ、農地は総面積の5%で標高400~600mに広がっている。
→ 強みは「地下水」。水道の水源はすべて地下水
・車で30分の富岡方面には、仕事の場所(500人)、食事や買い物、高校、病院、介護・福祉施設、レジャー、警察署・裁判所があり、多くを依存してきた。原子力発電所の誘致により、村民所得が上がったのも事実。
・富岡町は今後4年間は住民が戻らないため、川内村単体での取組が必要になっている。
・帰村しない方の理由(平成24年2月調査)
1.放射能被害が怖いから
201人(19.35%)
2.医療環境に不安があるから
161人(15.50%)
3.生活環境(商店や福祉など)に不安があるから
135人(12.99%)
4.家に戻っても仕事が無いから
125人(12.03%)
5.子供が、避難先で通学しているから
110人(10.59%)
6.農作物などが栽培できないから
85人(8.18%)
7.警戒区域となっていることから
64人(6.16%)
8.仕事が避難先で見つかったから
62人(5.97%)
9.その他 96人(9.24%)
計 1039人(同一人複数回等)
・行政避難を約1年経験して
平成24年度「復興元年」と位置付ける
平成24年度→ホップの年
平成25年度→ステップの年
平成26年度→ジャンプの年
3段階構成でスピード感をもって復興
→ 行政帰村の意義
身近な場所でのインフラ整備
・宅地周辺の除染は1222世代は平成24年度末で完了
一世帯、約450万円ほどのコスト
・除染目標は0.23マイクロシーベルト/時以下
・川内村の一般会計当初予算は概ね30億円。除染に関しては、既に60億円を執行。
・除染の今後の課題
民家除染終了して、
(1)除染による効果 40%~70%除去率
(2)0.23マイクロに下がらない世帯 40.2%
(3)仮置き場は3年 中間貯蔵施設へ
→ 国への要望
二次除染と森林除染の実施
中間貯蔵施設の早期完成
・雇用の場の確保
誘致第1号 (株)菊池製作所
誘致第2号 (株)四季工房
誘致第3号 コドモエナジー(株)
・保育園の除染状況
村では一番早い除染着手
0.63マイクロシーベルト/時以下
↓
0.20マイクロシーベルト/時以下
・小学校の除染状況
庭の真ん中
0.58マイクロシーベルト/時以下
↓
0.22マイクロシーベルト/時以下
・中学校の除染状況
庭の真ん中
0.80マイクロシーベルト/時以下
↓
0.21マイクロシーベルト/時以下
・農地の除染状況
平成25年産米 作付88戸 102ha
震災前の1/3
除染計画 707ha
除染区分け
3000ベクレル未満 深耕
5000ベクレルまで プラウ耕(反転)
5000ベクレル以上 表土剥ぎ取り
・天皇皇后両陛下のご訪問により、
村民に元気と勇気と感動があった。
ご訪問を機に帰村した村民もいた。
・帰村後のインフラ整備
サポートセンター、アパート、ビジネスホテル、コンビニ
行政が手がけている!
・川内村復興への課題→新しい村づくり
最大の課題は除染実施と雇用の場の確保
(1)企業誘致と定住構想(企業誘致、アパート建設等)
(2)川内高原農産物栽培工場(完全密封型野菜工場の建設)
(3)再生可能なエネルギー導入(太陽光、木質バイオ)
(4)健康・医療・福祉の充実(放射線対策と特別養護老人ホーム等)
(5)教育環境の充実(子どもを産み育て安心できる教育環境)
→生活再建のためのインフラと住宅環境を整備し、10年先、20年先の人口を3000人から5000人を目標とする。
>>経済圏を確保するため独自のインフラの確保
・利便性向上のためのインフラ確保
戻っている村民のなやみは?
(1)買い物(特に生鮮食品)ができないこと
商業施設の整備(25年中開始)
「費用2億5000万円」
(2)葬式ができないこと
葬祭センターの整備(25年中開始)
「費用9000万円」
(3)専門の医療機関が遠くなったこと
内科・歯科に加え、平成24年度から眼科・整形外科・心療内科の医師の派遣で診療中「費用2000万円」
・川内村で生活するメリット
(1)結婚祝金 20万円
(2)出産祝金
1人目10万円 2人目20万円
3人目30万円 4人目50万円
(3)医療費無料制度 18歳まで無料
(4)新築住宅建設補助 1000万以上新築100万円
(5)アパート入居1LDK3.6万円、2LDK4.3万円
(6)空き家情報 月2万円~5万円
売家に出ている物件あり(4件)
(7)求人情報
協川興業など16社 時給750円~ 給料16万円~
新しい農業への挑戦
株式会社まつのと共同出資した、第3セクター農業法人川内高原農産物栽培工場「KiMiDoRi」を設立。
1.川内村自慢の地下水
(1)村のほぼ全世帯が地下水等利用
(2)村内の地下水はすべてND(定量限界未満)
(3)村は安全・安心でおいしい地下水連絡協議会加盟
(25年度に川内村で地下水サミット開催)
2.先進の野菜栽培技術
(1)気象条件に左右されない
(2)周年栽培可
(3)労力軽減可
(4)生産が安定
3.風評被害払拭
(1)土を使わない
(2)外気をシャットアウト
(3)管理体制強化
(4)モニタリング実施
>>クリーンルーム内で人工の光を当てて育てる水耕裁判に挑戦!
完全密封の人工光型水耕栽培
平成25年3月28日
→ 最大25名の雇用も発生
11時55分、実際に川内高原農産物栽培工場のなかに入り、施設を見せてもらうとともに、「KiMiDoRi」早川社長からご説明を頂いた。
・事業費は、ヤマト財団から3億円、交付金2億円、一般財源1億円の計6億円
・1日の最大生産量は8000株であるが、現在は4000株。
・10人ほどの従業員を雇用し将来的には25人体制にフル生産にする。
・LEDと蛍光灯の栽培室をそれぞれ2室。LEDは赤と青の2色を組み合わせ、野菜の種類によって照明の比率を変え、成長速度を調整する。
→ 植物高速栽培技術(Shigyo法)
・放射能測定器も用意し、野菜を全て検査してから出荷している。
・今後の課題としては流通・販売ルートの確立があり、5年後を目安に黒字化を目指す。
非常に参考になった視察であり、予定時間を大幅にオーバーしてしまった。視察に対応頂いた皆様には感謝申し上げたい。
14時、福島県いわき市に入り、「いわき・ら・ら・ミュウ」 で昼食とお土産購入を兼ねた休憩。この施設は、東日本大震災での津波によって1階部分がほぼ壊滅状態となった。半年後の11月にリニューアルオープンしたそうである。
14時10分、 「レストラン ふぇにっくす」 (電話:0246-73-0510)にて昼食。団体用メニューである「七浜和膳 1575円」が既に用意されており、視察日程が全て終わったということから、生ビールを1杯だけつけて、名物のメヒカリの天ぷらをつまみに飲む。
食後、お土産購入の時間となったので、「小名浜たこせんべい」「小名浜かつおせんべい」などのお菓子に加え、一夜干しになっていた「どんこ」を2パック購入。1パック700円ということであったが、2パックで1000円に負けてもらった。
15時、帰路につき、19時25分に市役所に到着。無事に平成25年度農業委員会管外視察研修が終了となった、
19時30分過ぎ、有志にて「えんまのタン焼 呑舌」 (電話:0257-41-5775)で懇親会。卵焼き、卵黄をつけて濃厚さを楽しむつくね串などを食べつつ、生ビール、ホッピーを飲む。
よくよく考えれば、今日は朝から鶏卵を7個分は食べていた。格闘技の現役時代は卵黄は捨て、卵白だけ毎日10個を食べていたが、卵黄も一緒にこれだけの量の鶏卵を食べるのは久しぶりである。
22時、自宅に戻り、今日購入した「ミニ黒太陽」を食べてから、事務所で資料整理。
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