議会運営委員会視察1日目(東京都多摩市)
「政策事務事業評価」
なかなか仕事が終わらず、3時過ぎ、就寝。
6時に起床し、大粒納豆、たらこ、トリ貝サラダ、もずくの味噌汁でご飯2杯の朝食をとる。
シャワーを浴びたのち、柏崎駅に移動し、7時13分の長岡駅行きの普通列車に乗り込む。
長岡駅に到着し、8時15分発の上越新幹線「MAXとき308号」で、大宮駅まで移動。
大宮駅から湘南新宿ラインに乗り換え、10時過ぎ、新宿駅に到着した。
新宿駅近くの某喫茶店にて、待ち合わせていた自治体コンサルティングの経験豊かな某氏と打ち合わせ。
1時間ほどの打ち合わせののち、久しぶりの京王線に乗り、京王永山駅に移動。
12時40分、柏崎市から移動してきた柏崎市議会・議会運営委員会のメンバーと合流し、「瞬彩 永山店」(電話:042-337-7333)にて、「選べるとんかつ定食 980円」で昼食をとる。とんかつは「ロースかつ 100g」にし、刺身は「日替わり(鯵)」を選択。ご飯とキャベツのおかわりは無料であり、ご飯も白米か玄米で選択できる。玄米でご飯2杯、キャベツもおかわりをもらい、すっかり満腹。
そういえば、3年前の総務常任委員会での多摩市への行政視察の際にも、同店にて食べ過ぎていた。
13時30分過ぎ、東京都多摩市の議会事務局に車をご用意頂き、14時から「政策事務事業評価」についての行政視察。議会運営委員会のメンバー、正副議長が加わり、総勢12名である。
ちなみに多摩市役所の庁舎も昭和50年代、60年代の建設であるが、平成41年まで使うという。合併特例債に飛びついて、耐震補強は何だったのか、というどこかの市とは随分違う。
さらにどこかの市とは違い、観光パンフレット(多摩センタータウンガイド、しまじろうとキティちゃんが唯一同居)は英語、中国語(簡体字)、韓国語、タイ語が併記されている。
まずは、多摩市議会の遠藤めい子副議長から歓迎のご挨拶。
・多摩ニュータウンへは国、都の肝いりで一度に人が住み始めたこともあり、それが一気に高齢化しているのが最大の問題となっている。
・交通の便が良く、緑が多いのも多摩市の特徴。
・平成17年の頃から決算審査のあり方を変えるべく取り組んできた。平成22年には議会基本条例を東京都内でもいち早く制定した。
・多摩市は事務事業評価の先進地と言われるが、まだまだ発展途上であり、色々と意見交換を行いたい。
続いて、議会運営委員長である遠藤ちひろ議員(改革みらい)からもご挨拶を頂戴した。
・新宿から永山まで30分、渋谷まででても30分の距離にあり、人口の取り合いのような事が始まっている。
・町田市、立川市、八王子市と隣接していることもあり、いかに多摩市に住んでもらうのかシティセールスが重要となってきている。
・待機児童問題の解消など、選んでもらうまちになるよう努力している。
・事務事業評価は、各施策の優先順位をつける作業と思っている。
市が目指すべきまちづくりの方向や目的を示す「政策」、その「政策」を実現するための方策が「施策」、そして「施策」を実現させるものが「事務事業」である。
柏崎市議会では、主な「施策」と抽出された「事務事業」の一部を決算の際に評価しているが、今年度より議会側で選んだ「事務事業」を評価しようと、初めて試行する。そのための先進地視察が今回の趣旨である。
まずは遠藤ちひろ議員から、これまでの議会改革、評価手法等についてご説明頂いた。
「事業評価から施策評価へ。
そして決算と予算の連動を」
・今年から事務事業の一つ上の段階、施策の評価に取り組んでいる。
・多摩市は人口14.7万人、地方交付税の不交付団体。しかし、経常収支比率が90%台で財政は硬直している。
・議員定数26名であるが、40歳以下の議員が5名、女性議員が10名と若くて女性が多い市議会。
・6月から次年3月まで、予算と決算を連動させるため予算決算特別委員会を設置。(柏崎市議会の場合は、予算と決算の特別委員会は別になっている)
・平成16年9月から議会による事務事業評価を採用。平成22年3月に議会基本条例が全会一致で可決。
<なぜ施策評価が必要だったのか>
・年間20~30の議会から視察してもらうが、事務事業評価の対象事業数はいくつが適切なのか、という疑問が生まれてきた。近年は、4つある委員会でそれぞれ1つという状態。少ない事務事業数だと決算と予算の連動が困難であり、「改善の上、継続」というB評価に偏りがちになる。そして、執行部に比べて、議会側が総合調整という視野に欠ける。
・施策の評価をすることで、各事務事業、優先順位に踏み込む。増額だけではなく、減額する事務事業にも言及する。そのため、両論併記はしないことにした。分科会のその場でニュアンス、文言をまとめる(持ち帰らない)。本会議も委員会もネット中継。
<見えてきた課題とこれから>
・施策のなかでプライオリティを明確にする。
→ 卒業すべき減額事務事業に踏み込む。
・地域エゴを越えて「できないことはできない」と市民に伝えるために分科会が施策を評価をする。
・議員にとっては、事前勉強が勝負。6月から施策選定を始める。9月までに10回ほどの勉強会や視察を行っている。
→ 議員はほとんどが専業となる。そうでないと議論できない。
<最後に、今取り組んでいること>
・タブレット、スクリーンのICT化
・議会費予算を「議会として」要求する
→ 交渉の結果、当局から文書で回答してもらう。
・議会事務局強化
→ 弁護士職員を議会におくよう議論中。非常勤や当局との兼任なども検討。
・議会「報告」会からの脱却
→ PTAや各種集まりに議会から飛び込む
・手に取り、保存したくなる「議会だより」作り。
・市民提案、視察成果を精査して、議会が条例を作る。
議会報告会で得た市民意見+視察、フィードバック会議をもとに条例作成
説明をして頂いたので、事前にお願いした質問について回答して頂いた。
(1) 事務事業評価
Q1-1.議会で実施した事務事業評価の件数はどのくらいか。
A1-1.各常任委員会が1事業であったが、今年から施策レベルになっている。施策評価対象を選択し、そのなかに関連した事業を評価している。
Q1-2.施策は独自にピックアップしたものか。あるいは、当局から決算の付属資料として提示された「主要施策等の報告」などに基づいて実施しているのか。
A1-2.38の施策(約500事業)のなかから、独自に各分科会がピックアップしたもの。
Q1-3.具体的な評価の手順はどのようにしているか。特に、市民サービスに係る事業では市民や利用者などへの聞き取り等を行っているのか?
A1-3.各分科会で事業に関する勉強会を行い、それを会派に持ち帰ってもらう。そして、各会派が各事業に対して12項目で評価。それらをもって会派で施策評価シートを作成し、再度、各分科会に提出する。また議員が日頃の活動から市民の声も反映している。
(2)次年度の予算への反映について
Q2.次年度の予算に具体的に反映された事例があれば、ご教示いただきたい。
A2.「議会の評価」に対して、予算対応に関する文書を所管部署から提出してもらうようにしている。例えば、施策「減災・防災のまちづくり」のなか、耐震診断助成額の引き上げなどは反映されている。また、施策「交通安全の推進」のなか、役目を終えた駐車場案内板の撤去なども反映した。
(3) 行政評価市民フォーラムについて
Q3.行政評価市民フォーラムの目的や実施方法、効果を伺いたい。
A3.当局側で行っているものであり、住民基本台帳から無作為抽出で選定された2000人のうち、参加を希望する18歳以上の方、前年度に参加した方で希望する人で実施。
概ね25名程度で行い、市が実施している施策の進捗状況や今後の改善策についての意見交換と評価、そして市民の方に施策を理解してもらうという目的がある。方式はワールド・カフェ方式で、メンバーを入れ替え(ラウンド)ながらのワークショップ。平成27年は、施策「減災・防災のまちづくり」、施策「心の教育や体験活動の推進」で9時から15時30分までかけて実施した。
14時50分から質疑応答の時間となったので、一点だけ質問をさせてもらい、その後は意見交換。
Q.政策レベルのもの、つまり施策でも部課がまたがるもの、例えばシティセールスような事案は、どういった形式で議論しているのか。
A.ご指摘の点は、議論になっているところ。どうしても分科会単位なので、分科会に合わせた担当部課の縦割りになってしまう。現時点では、またがる場合には2つの分科会で評価することもある、ということで合意している。
多摩市役所の場合は、かつてISO9000の取得をした経験があり、各事業のこと細かい評価や関連資料が一緒になった決算事業報告書(通称:事業カルテ)がでており、柏崎市役所の場合とはまったく事情が異なる。
柏崎市役所の場合は、主要施策に関する報告と主な事業の報告、詳細な資料(議会が要求するものも含め)とバラバラになっている。
決算事業報告書(通称:事業カルテ)を初めて作るときだけは大変かも知れないが、一回作ってしまえば、大きく変わることはなく、またブラッシュアップし続けることで、議会に対する説明の手間も減る資料にもなってくる。
まずはここを改革してから、議会側で小さい事業を評価するのではなく、より大きな視点で施策を評価し、決算と次年度予算編成をつなげることが重要と感じたところ。
柏崎市の改革に是非、今回の成果を反映させたい。
最後に3年前にも見せて頂いた多摩市議会の議場に入らせてもらった。国旗はまだ掲揚されていない。
多摩市役所、議会の皆さんに御礼を述べ、京王永山駅に戻り、橋本駅に向かって移動。
橋本駅にてJRに乗り換え、17時58分、茅ケ崎駅に到着した。
18時過ぎ、宿泊先の東横イン茅ヶ崎駅北口にチェックイン。着替えをしたのち、茅ヶ崎市内のスーパーをまわり、納豆の販売状況や地元食材など確認する。
19時40分、ホテルに戻り、スーパーで購入した納豆巻きパック(2本入り)、海藻サラダ、新生姜酢漬け、牛蒡の漬物、ビール500ml2本、安いチリ産白ワイン・ハーフボトル(リオ・ブエノ・シャルドネ)を飲みつつ、事務仕事。
22時、熱めの風呂に入ってリフレッシュし、週刊誌や月刊誌などを読む。
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