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2016年12月 8日 (木)

原発特別委員会研修会(新潟県技術委員会の動向について)

 1時、就寝。

 7時に起床し、大粒納豆、生卵、小鯛の天ぷら、野沢菜、蜆の味噌汁でご飯2杯の朝食をとる。

 食後、熱めの風呂に入ったのち、9時過ぎ、市役所に移動。

Img_3200 10時から原子力発電所に関する調査特別委員会第一部会主催の研修会「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会の動向について」に出席する。
 講師は、新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会の座長でもある京都大学原子炉実験所原子力基礎工学研究部門の中島健教授。
 主な内容は以下の通り。

1.新潟県技術委員会とは
 新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会(2003年2月5日発足)。2002年に発覚した東京電力の「原発トラブル隠し」を受け、原発の安全管理について専門家が県に助言・指導するため翌年に設置された。

Img_3201

2.技術委員会の任務(「運営要綱」)
第4条 技術委員会は原子力安全対策課長の求めに応じ、次の事項を行う。
(1)新潟県が東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所から原子力発電所に関する通報連絡要綱に基づき連絡を受けた内容に関する技術的な助言・指導
(2)新潟県、柏崎市、刈羽村が実施する東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所周辺地域の安全確保に関する協定書第10条第1項及び第11条に基づき実施する立入調査及び状況確認(以下「状況確認等」という。)への立会い
(3)新潟県が実施した状況確認等の内容についての技術的な助言・指導
(4)中越沖地震に関連した課題に関して、国及び東京電力株式会社等が行う調査の結果並びにそれに基づく対応に対する専門的な検討
(5)その他柏崎刈羽原子力発電所の安全管理に関し必要な事項

3.中越沖地震への対応
 想定を大きく超える揺れ:耐震安全性への信頼喪失
 不十分な情報提供:住民の視点への配慮不足
【技術委員会の拡充】 (平成20年2月)
(1)これまでの役割・目的
・発電所の運転、保守、管理及びその他安全確保に関する事項の確認にあたって、 県に技術的な助言・指導をする。
(2)新たに追加される役割・目的
・中越沖地震で明らかになった事象や発電所への影響について解説し、県を通じて 県民に分かりやすく伝える。
・小委員会での検討内容を踏まえ、技術的な要請事項を整理して、県に助言する。

4.福島第一原発事故の発生
 全電源喪失、最終の熱の逃げ場(ヒートシンク)喪失
 → 冷却機能喪失 → 水素爆発 → 放射性物質放出
「止める」は出来たが、「冷やす」、「閉じ込める」が出来なかった。

5.原子力防災について -原子力災害対策特別措置法の制定-
 平成11年9月30日に発生した(株)JCOウラン加工工場における臨界事故を教訓として、原子力災害の特殊性に的確に対応できるよう、以下のような点について早急に対策が講じられた。
・的確な情報把握に基づく迅速な初期動作
→ 事業者からの通報の義務化 内閣総理大臣を長とする「原子力災害対策本部」の設置
・国、都道府県、市町村の有機的連携の確保
→ オフサイトセンターの設置
・原子力災害の特殊性に応じた国の緊急時対応体制の強化
→ 原子力防災専門官が現地に常駐 本部長が関係機関に対し応急対策について必要な事項を指示
・事故に際しての迅速な通報等、原子力防災における事業者の役割の明確化
→ 防災業務計画の策定、防災組織の設置
・モニタリングシステム、情報通信設備の整備

6.オフサイトセンターが使えなかった東日本大震災
(1)女川原発 事故時対策拠点が壊滅 発電所で監視継続
 東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の事故時などに対策拠点(オフサイトセンター)となる同町の県原子力防災対策センターが、東日本大震災による津波の直撃で使用不能となっていることが23日、分かった。放射線の監視などを行う隣接の県原子力センターも壊滅的な被害で、環境放射線などを監視できない状態。いずれも機能回復のめどは立っていない。(2011年3月24日河北新報ニュース)
(2)オフサイトセンター 機能せず
 NHKが入手した、原子力安全・保安院が福島第一原発事故での対応を時系列で記録した内部文書によりますと、福島第一原発から5キロ離れたオフサイトセンターでは、3月11日の地震発生直後に停電したうえ、非常用のディーゼル発電機も故障して動かず、通信手段や重要な設備の多くが使えなくなっていました。 また、事故当日の午後10時すぎにオフサイトセンターに集まったのは、3機関の15人だけだと内部文書には記されていて、本来集まるとされていた20余りの機関に比べると、ごく一部にとどまっていたことが分かります。 さらに、1号機が爆発した3月12日には、建物内部でも放射線量が上昇し始めていて、福島のオフサイトセンターには、放射性物質が内部に入るのを防ぐ設備が十分でないことが影響しているとみられています。 その後も放射線量は上昇し、事故から5日目には現地対策の拠点がおよそ60キロ離れた福島県庁に移されることになり、オフサイトセンターは今回の事故ではほとんど機能しませんでした。(2011年6月6日 NHK)

7.SPEEDIはどこまで有用なのか?
 放射性物質の放出時期や放出箇所、放出高さなどは複雑な事故シナリオがまだ未解明であることから分かるように、放出時期等の予測は難しく、さらに、風向風速については変動が複雑であり、特に、風向の変動時期を予測すること、及び降雨による地上沈着を予測することは困難と言える。
→ 避難等の判断には使用できない!
 したがって、予測的手法に基づく防護対策の意志決定手法から、プラントの状態による緊急事態区分とそれに基づくEAL を適用し防護対策を決定するという新たな枠組みを構築することにより、防護対策に関する意思決定の実効性が向上するものと判断できる。

8.原発事故対応ロボット?
(1)2億円ロボ役立たず 福島原発事故 がれき上の走行「想定外
 東日本大震災に伴う福島第1原発事故で、文部科学省が初めて現場に投入した原子力施設事故専用の「防災モニタリングロボット」(モニロボ)が、敷地内に散乱したがれきのため活動できない状況に陥っている。公費約2億円をかけ開発したが、設計段階からがれき上の走行を想定せず、国の原子力総合防災訓練でも整地された路面でしか使っていなかった。福島第1原発では現在、米国製のロボットが活躍中。日本の原子力災害対応をめぐる「想定外」がまた一つ明らかになった。(2011/05/05付 西日本新聞朝刊)(2)10億円原発ロボ使えず 廃棄・放置し故障 原子力機構
 東日本大震災に伴う福島第1原発事故で、文部科学省の原子力防災モニタリングロボットが、がれき上の走行を想定した設計でなく役に立たなかった問題に絡み、今度は、旧特殊法人・日本原子力研究所(原研、現日本原子力研究開発機構)が2001年に完成させた別の原子力防災ロボット4機種5台も、廃棄されたり、保守管理をせずに倉庫に放置されて動かなくなったりして、いまだ出番がないことが分かった。旧科学技術庁(現文科省)の予算約10億円で開発されたが、その後、保守管理の政府予算が付かなかったためという。国の原発事故対策の計画性や効果にまた大きな疑問符が付いた。(2011/05/14付 西日本新聞朝刊)

9.原子力防災上の問題 -JCO臨界事故の教訓は生かされたか?-
 平成11年9月30日に発生した(株)JCOうラン加工工場における臨界事故を教訓として、原子力災害対策特別措置法が制定され、色々な対策が講じられていた。
(1)現地防災拠点としてのオフサイトセンター

 →福島事故では機能しなかった。
(2)モニタリングシステム、情報通信設備の整備

 →SPEEDIが活用できなかった。
(3)防災機材の整備

 →原子力防災ロボットが使えなかった。

10.なぜ事故が起こったのか -安全設計審査指針の問題-
 原子炉の安全性は、安全審査により確認する。安全審査では、原子力安全委員会が作った安全審査指針の要求を満足しているかを調べる。その指針の一つに「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」があり、安全設計上の要求事項が59項目書かれている。
<指針27.電源喪失に対する設計上の考慮>
 原子炉施設は、短時間の全交流動力電源喪失に対して、原子炉を安全に停止し、かつ、停止後の冷却を確保できる設計であること。
<指針27の解説>
 長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない。
 非常用交流電源設備の信頼度が、系統構成又は運用(常に稼働状態にしておくことなど)により、十分高い場合においては、設計上全交流動力電源喪失を想定しなくてもよい。

11.原発安全指針の見直し着手 原子力安全委
 これまで安全設計審査指針では「長期間の全電源喪失は考慮する必要がない」としていたが、東日本大震災の事故では地震で外部からの送電が止まり、津波で非常用電源も失われ、全電源喪失が長期間継続した。

12.原子力防災体制の強化 ~改正原子力災害対策特別措置法~
(1)原子力災害対策指針の法定化
 原子力規制委員会は、防災基本計画に適合して、原子力事業者、国、地方公共団体等による原子力災害対策の円滑な実施を確保するための指針を策定。原子力事業者防災訓練の強化
(2)原子力事業者防災訓練の強化
 原子力規制委員会は、原子力事業者の防災訓練の実施状況を確認し、必要な改善等の命令をすることができることとし、違反した場合の運転停止命令等を導入。
(3)原子力災害対策本部の強化
 新たに副本部長に内閣官房長官、環境大臣、原子力規制委員会委員長を充て、本部員に全ての国務大臣を充てるなどの増員・強化を実施。
(4)原子力緊急事態解除宣言後の事後対策の円滑化
 原子力緊急事態解除宣言後も引き続き原子力災害対策本部を存置し、事後対策推進のための本部長による各省庁・地方公共団体等への指示や、市町村長による避難指示や立ち入り制限等を行うことをできるよう措置。
(5)緊急時における原子力災害対策本部長(総理)の権限を明確化
 原子力災害対策本部長(総理)の指示権について、原子力規制委員会が専ら技術的・専門的知見に基づき原子力施設の安全の確保のために行うべき判断の内容に係る事項については、対象としない旨規定。

13.原子力災害対策指針の概要
(1)原子力災害対策に係る基本的事項
・指針の位置づけ
・原子力災害の特徴
・放射線被ばくの防護措置の基本的考え方
(2)原子力災害事前対策に係る事項
・緊急時の意思決定ための基準となるEAL・OILの設定
・避難準備等の事前対策を講じておく区域であるPAZ(施設から5キロを目安)・UPZ(施設から30キロを目安)の導入
・情報提供、モニタリング、被ばく医療等の体制整備、教育・訓練等の事前準備
(3)緊急事態応急対策に係る事項
・迅速に状況把握するための緊急時モニタリングの実施
・住民等への迅速かつ的確な情報提供
・EAL・OILに基づく適切な防護措置(屋内退避、避難、安定ヨウ素剤服用等)の実施
(4)原子力災害中長期対策に係る事項
・放射線による健康・環境への影響の長期的な評価
・影響を最小限にするための除染措置の実施

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14.新潟県技術委員会の対応
 福島第一原子力発電所事故の直後から、事故状況を確認し議論を行ってきたが、平成 24年3月22日、新潟県知事から、福島第一原子力発電所事故の検証(以下「原発事故の検証」という。)の要請を受け、柏崎刈羽原子力発電所の安全に資することを目的として、委員を拡充したうえで原発事故の検証作業を進めている。
→ 安全管理に関する技術委員会における福島第一原子力発電所事故の検証は、事故調査が目的ではなく、 事故の検証から教訓を引き出し、過酷事故を防ぐために必要な課題を提起することにある。

15.新潟県技術委員会の課題別ディスカッション
課題1 地震動による重要機器影響
(1)非常用復水器(IC)等の重要配管に小破口LOCAは起きなかったのか。
(2)過渡現象記録装置のデータは信頼できるのか
(3)津波はいつ発電所に到達したか
(4)地震動による循環水系の損傷の可能性はあるのか。
課題2 海水注入等の重大事項の意思決定
(1)海水注入の意思決定に問題はなかったのか。
(2)ベントの意思決定に問題はなかったのか。
(3)非常用復水器(IC)の操作等に問題はなかったのか。
課題3 東京電力の事故対応マネジメント
(1)3号機での注水系統の切替え(RCIC→HPCI→DDFP→消防車)の判断は正しかったのか。
(2)判断や指示の指揮系統は機能していたのか。
(3)東京電力から外部(国、自治体、OFC等)への連絡はどのような状況だったのか。
(4)免震重要棟は機能していたのか。
(5)1号機の経験があったのになぜ水素爆発を防ぐことができなかったのか。
(6)想定外事象への対応は考慮されていたのか。
課題4:メルトダウン等の情報発信の在り方
(1)メルトダウン等の情報発信が遅かったのではないか。
(2)情報発信に問題があったのではないか。
課題5 高線量下の作業
(1)放射線量の上昇が発電所内外の事故対応・支援活動にどのような影響を与えたのか。
(2)線量限度の違いにより事故対応・事故進展にどのような違いが生じるのか。
課題6 シビアアクシデント対策
(1)格納容器ベントの作業に問題点はどこにあったのか。
(2)消防車による代替注水は有効であったのか。
(3)事故データについて確認が必要ではないか。
(4)原子炉や水素爆発の状態等はどうなっているのか
(5)海外のシビアアクシデント対策はどうなっているのか。
(6)新規制基準で住民の被ばくを防ぐことはできるのか。
(7)シビアアクシデントを検知する計測系が不十分ではなかったのか。

16.課題別ディスカッションによる議論の状況
課題1 地震動による重要機器の影響

→ 継続中
課題2 海水注入等の重大事項の意思決定
課題3 東京電力の事故対応マネジメント
課題4 メルトダウン等の情報発信の在り方

→ 課題2~4:合同検証委員会にて議論
課題5 高線量下の作業
課題6 シビアアクシデント対策

→ 課題5、6:概ね収束

17.今年度の技術委員会活動と方向性
・福島第一事故の検証
・課題別ディスカッションにおける議論
・地震動の影響(課題1)
・合同検証委員会における議論
・官邸からの指示、メルトダウンの定義、安全文化
・フィルタベント設備の検討
・設備の性能、運用、放出量、拡散シミュレーション
・柏崎刈羽原発の状況(トラブル報告など)

→ 原発再稼働の可否を判断する役割は明示されていない。

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18.まとめ
・福島第一原発事故の教訓を踏まえて、新規制基準が策定され、これに適合した原発の安全性は、格段に向上したといえる。
・しかし、自然災害などは想定が難しく、これで十分だと言い切れる安全性を達成することは困難であり、安全性向上の不断の努力が必要である。
・ただし、訳も分からずに怖がって、不要な対策に貴重なリソース(経費、人材、時間)を割くことは、かえって総合的な安全性を低下させることとなる。

→ 「正しく怖がる」こと。
・また、地域防災については、周辺住民の理解と協力が必要不可欠であり、関係者は理解と協力を得る最大限の努力を行わなくてはならない。
・安全性向上の努力の結果、長期間にわたり何も異常が起こらないからと言って、その努力をやめてはいけない。

→ 「災害は忘れた頃にやってくる」のである。
・技術委員会(県)は、事業者や国等の関係機関が上記の安全性向上の努力を継続的に実施していることを確認し、県民に説明することにより、周辺住民の理解向上に資することがミッションと考える。

 原子力災害に関心のある新潟県民は新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会が避難計画も審議していると思っている場合も多い。
 現実的には、この委員会では原子力発電所のサイト内、100TBqまでの放出に抑えるという条件までが所掌になっており、避難計画となると内閣府をはじめ別の組織の議論となる。本当の事故であれば、サイト内の状態と避難のレベルは連動する。今後もこの委員会で検討するなら、防災の専門家も入れてもらい、プラントの状態と避難レベル、避難計画も一緒に議論してもらいたいと思う。

 11時55分に終了となり、会派室に戻って諸雑務。

Dsc_0014 12時20分、自宅に戻り、某精肉店の叉焼を細かく刻んだもの、人参、玉葱、長葱、卵、冷やご飯で作った炒飯と若布スープで昼食をとる。
 炒飯の味付けは、塩、胡椒に加え、新潟県立海洋高校の生徒が開発から製造、販売を手掛けている鮭を使った魚醤「最後の一滴」を入れてみた。

 食後から事務所で事務仕事。

 15時、17時と事務所に来客があり、就業に関する相談を受ける。

 18時40分、「ザ・シャンカーラ」(電話:0257-22-2255)に移動し、19時から「くまだまさしクリスマス・ディナーショー」に出席。

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Adsc_000111 ディナーの料理を食べながら、前説の小千谷出身・星野和之ステージでは、「三井田、アウトー」でケツバットを受けつつ、メインイベントのくまだまさし氏を待つ。
 お笑い芸人・くまだまさし氏については、西山自然体験交流施設ゆうぎオータムフェスタ2014でもステージを観ていたものの、今回も(同じネタであったが)大変面白く楽しませてもらい、さらに鼻フーセン・ネタのゴム風船も頂戴してしまった。

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 21時30分、自宅に戻り、着替えをしたのち、市内某店に移動。別件の忘年会に途中から参加し、30分となったが、市政に関する懇親を行う。

 22時20分、自宅に戻り、熱めのシャワーを浴びてリフレッシュ。事務所で事務仕事を行う。

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