平成28年柏崎市議会12月定例会一般質問
職員育成、自然水族館の実現、新庁舎問題と水球公認プール
6時に起床し、事務所で急ぎの事務仕事。
8時30分、大粒納豆、目玉焼き、キャベツとトマト中心のサラダ、油揚げとえのきの味噌汁でご飯2杯の朝食をとる。
9時過ぎ、市役所に移動し、会派室で諸雑務。
10時から本会議、一般質問の一日目である。昨年12月に就任した桜井市長にとっては、初めての一般質問の答弁であり、質問する側の議員にも力が入ってた。
午前中は2名の議員が一般質問を行い、新潟産業大学から要望がでている公立大学法人化については平成29年度中に一定の方向をだすとの答弁。そして、所属会派「決断と実行」の星野正仁議員からの第6期介護保険計画に関する質問については、とにかく介護に係る人材が足りないという共通認識を持つところで終わった。介護人材の確保は、都会ではない地方自治体においては共通の課題であり、介護職に就く人の支援策を色々と試行する必要がある。
12時過ぎ、休憩となったので、一旦、自宅に戻る。塩引き鮭をほぐし、卵、長葱のみじん切り、冷やご飯で作った鮭チャーハン、猪肉の煮込み、ヨーグルト飲料で昼食。鮭チャーハンの味付けは塩、黒胡椒、鮭を使った魚醤「最後の一滴」である。
12時40分、会派室に戻って、諸雑務を行う。
13時から再開となり、2名の議員が一般質問。所属会派「決断と実行」の与口善之議員から、昨年に国土交通省まで出向き、要望活動を行った高速道路のスマートIC設置に関しての質問に関しては、「まずは幹線道路の整備を第一に考えたい。費用負担や地元理解などの課題がある。蔑ろにするわけではないので、まずは幹線道路ということを理解して頂きたい」との答弁であった。
15時から15分間の休憩をとったのち、1名の議員が一般質問を行ったあと、登壇となった。
「これからも柏崎への海上自衛隊誘致をめげずに訴えていく、会派『決断と実行』の三井田です。
原子力発電所という核施設を有する以上、テロ対策を含めて警察力以上の組織が必要であることを引き続き、市内外に主張、発信していきます。」
とのお約束の枕ののち、桜井市長に対しては初めての一般質問を行った。
主なやりとりは以下の通り。
1.市職員の人材育成について
市長が変わり、柏崎市が都市間競争に打ち勝っていくためには、改めていうまでもないが、柏崎市職員という人材はまぎれもなく柏崎市の重要なリソースであり、いかに育成するかに市長の手腕も問われる。
先の所信表明において、桜井市長は「人材の育成」を掲げられ、
「教員や工業の分野、商業、農業、漁業、林業の分野で、福祉の分野で、観光の分野においても若い人材を応援する」
とあり、全体のことを触れたと思うが、市職員育成自体への言及が不足していたように感じた。
また、人材育成について
「人を育てることは豊かさを生み出し、安心を創出することでもあると考え、積極的に取り組んでまいります。」
と結ばれたので、人と育てるという点では共通の認識であろうと思う。
これから集中審議を行う柏崎市第五次総合計画(案)においては、「持続可能な行政力をはぐくむ」として
1.自治機能を強化
(4)多様なニーズに対応する職員の育成
(5)機能的な組織・機構の構築
が掲げられている。
しかし、そこで施策の目標指標や事業として明確になっているものは、
【施策の目標指標】
職員研修受講者延べ人数
平成27年で2038人のところを2350人にする
【主要な事務事業】
職員研修事業
柏崎市人材育成計画に基づき実施する各種研修
としかない。
研修を実施することが目的ではなく、また目標がその研修への参加人数、数だけでは本質を見誤ることになる。
研修の内容や人事評価の褒賞制度、外部人材からの学び、部や課だけではない「柏崎市役所」としての一体化した取り組み、人脈の形成などにポイントがあると私は考える。
そこで、現時点での市長の考えを聞きたい。
Q1-1.(市職員の研修と外部人材の活用との関係)現在、外部から講師を招いての研修会や職員が相互に講師となる研修会を主に行っている。その頻度や内容の方向性について確認したい。
現在の市政では外部コンサルタントへの委託が多くあり、外部人材の一定期間の登用も行っている。私の考えとしては外部人材について、1年目、2年目は知識やノウハウを入れるために必要になるものの、3年目やその後には市職員がコンサルタントと同程度とは言わないものの、不要といえるまでに学び取り、成長してほしいと思う。いつまで経ってもお金を払って外部に委託だけでは、市職員はただの手続き屋さんで終わってしまう。外部コンサルタントへの依存度を低くするような意識をもって研修をやるべき。市長の考えはどうか。
A1-1.市職員の研修と外部人材について、認識は同じである。就任して1ヶ月、思っていた以上に市職員の能力は高いと感じた。組織としての総合力高めるため研修に力を入れている。外部講師によるもの、専門官を招いて年1回の研修も実施している。
外部からの登用について、年限を区切ったらどうかというご指摘を良とし、できるだけ早い段階でスキルとして身につけさせたい。
一方で外部講師やコンサルタントの有用性も感じている。専門的な知識を得ることができ、外から見たときの柏崎市役所はどうか、との視点も持っている。今後も場面、場面で有効な活用をはかりたい。
(市長が)高い能力と感じた市職員なら余計、外部を力を吸収し、伸ばせると思うので、市長から雰囲気づくりをしてほしい。
Q1-2.(議会との連携)現在、議会での行政視察には 部課長級が同行することが多い。それが悪いと言うわけではない。できれば行政視察先、視察項目が決まった段階で「やる気のある若手職員」に「手挙げ方式」で募り、同行させてはどうか。予算の関係もあるので数名になると思う。議員のなかには視察先の自治体をよく知る場合や、先方の首長や議員、職員と人脈がある場合も多く、かなり深いところまで、言わば失敗点まで視察させてもらうこともある。失敗点などは、現地視察をするからこそ学べるものであり、これまでの議員生活のなか、この機会を利用しない手はない、と常々感じてきた。議員経験のある市長だからこそ、理解をしてもらえると思う。こういった方式を取り入れてはどうか。
A1-2.指摘の点はもっともだと考える。私も議員時代はそのように提案し、若手係長クラスから行政視察に同行してもらったこともある。
若い方々を中心にとのご提案だが、現状では中堅・若手職員もあるが、往々にして部課長級が多い。先進地の取組みを責任者として確認する目的もあり、部課長級が同行することは、これはこれで有効的な場合もある。
今後は視察の内容や目的によっては、若手職員の同行も検討したい。
即できることなので、進めてもらいたい。
Q1-3.(やる気や専門知識のある希望者を募るプロジェクト制、背伸び)やる気のある職員や研修について触れてきた。今度はそれを実現する手法、組織の動かし方について確認したい。次の大きな質問項目でも触れる自然水族館のような大きな目玉事業ができた場合、プロジェクト制、チーム制と言うか、部課横断的に業務を遂行する仕組みを充実させてはどうか。これまでも「ふるさと納税」の返礼品の検討などで試行的にプロジェクト制が行われてきた。そのプロジェクトの進行度合いをシステム上で共有化し、市役所全体で閲覧・把握できるよう見える化があれば、次には参加したいという職員が増える可能性もある。
シティセールスも同様で、一部の担当課と市民参加だけではなく、プロジェクト制にして市役所全体で取り組むべきと思う。
是非、充実してもらいたいが市長の考えはどうか。
A1-3.プロジェクト制は、質問にもあったふるさと納税やシティセールスで実施してきた。各課からメンバー選出する、共通課題を持つ職員同士する等、検討テーマに応じて適切に行いたい。提案のように進行具合は庁内グループウェアで確認できるよう勧めたい。現在もトワイライトセミナーなど職員が自主的に研修する動きもある。今後も横断的に進めていきたい。
やる気のある職員によるプロジェクトとして、昨年12月21日に各部課長に対し、二点のことを募った。一点は財政的な裏付けとともにやりたい仕事、もう一点は財政的な裏付けなしで、公務員としてやりたいことを挙げてもらった。65人部課長から集めたが、想像以上にクリエイティブな施策が持ち寄られた。なるべく早いうちに公開し、意欲ある施策を考える職員がいることを共有したい。今後は若い職員にもやってみたい仕事を募り、行政マンとしての意欲を高めてもらいたいと思っている。
是非、早急に公開してもらいたい。
少し、この場でシティセールスに関して、その推進体制について問題点を指摘しておきたい。シティセールスに関しては実行委員会形式になっており、実質、柏崎市のみが負担金をだし、そのなかで事業を進めている。昨年3月に秋葉原で行ったイベント「THE★オール柏崎大交流会」では、一晩で500万円もの赤字をだした。イベント実施前の時点でも、既に100万円ほどの赤字が見えているなか実施に踏み切った。この500万円は貴重な市民の血税が原資。血税だからこそ慎重に扱うべきなのに、責任を誰もとらないという体制、そして実行委員会形式なので議会からも精査できなくなっている。これは問題であり、是非、シティセールスの推進体制は再考してもらいたい。
Q1-4.(人脈の共有化システムの導入)私自身、色々な自治体で講演の講師やらイベントの依頼を受けることがあり、その都度感じてきたことがある。先方から「以前はうちの課の誰々がお世話になりました」や「誰々議員とお知り合いとのことで・・」といった来歴や人脈を把握している場面によく出会った。柏崎市より小さな自治体との接触が多かったこともあるかも知れない。しかし、これは民間ビジネスの上では、非常に大切なことである。
総務常任委員会でも担当課に話したところであるが、少なくとも柏崎市役所として名刺の管理システム、いわば人脈の共有化をはかる必要があるのではないか、と思う。それこそシティセールスにおいては人脈形成こそがキーとなる。名刺が職員それぞれの机の中で眠ってしまっていてはもったいない。面会した際の情報なども記載しておけるシステムは民間企業が使っている既製品もあり、それほど高額にはならない。
是非、検討してもらいたいが市長の考えを聞きたい。
A1-4.おっしゃる通りだと思う。柏崎ファンクラブ、柏崎大使との連携を通して柏崎の魅力を発信していきたい。また情報共有化システムは、実現できるようにしたい。皆さんの持つ人脈、我々当局が持ちえた人脈を、プライバシーに配慮しながらも共有化するよう前向きに検討していきたい。
議会のなかにも多くの人脈をもつ議員がいるので、是非、行政と議会の両輪がうまく回るようにも早急に取り組んでもらいたい。
Q1-5.(褒賞と綱紀粛正と処分の在り方)この1番目の質問の最後になる。良い話と悪い話である。まず悪い話からしたい。ここ十数年間の間に市職員の収賄事件、万引き、盗撮などの刑事事件をはじめ、億に至る金額で議会議決をえないという決定的なミスや賦課間違いなどの職務上の不祥事も連続してきた。私自身は、これらの事の一番の被害者は柏崎市民であり、そして「真面目に仕事をしている職員」と言ってきた。とりわけ市民から批判の多くがあるのは、その処分の甘さにある。会田市政で決められた「柏崎市職員の懲戒処分に関する指針」(平成18年11月6日)があるとはいえ、その公開基準も含めて、不祥事が連続したことを反映し、刑事事件、違法行為に関わるものは、もっと厳しく改定すべきというのが私の考えである。その事の認識について、確認したい。
次に良い話である。これまで職員の育成という点で研修や実際のプロジェクトなどに触れてきたが、人材育成においては褒賞制度も重要な観点。少し事例を引きたい。関西にユニバーサルスタジオジャパンというテーマパークがあり、一時、業績悪化し勢いを失っていた。それをV字回復させた担当部長が行った人材を活かす表彰制度に「フルスイング賞」というものがある。マーケティング部員のアイデアが空振りに終わったとしても、スイングしたこと=行動を表彰するという内容。「フルスイングでバットを振っていれば、だんだんスイングが良くなってくるので、失敗を恐れずどんどんバットを振って欲しい。」という意味である。公金を預かる市職員であるため、お金を無駄にしても良いということではないが、こういった意味での褒賞制度も作り、「やる気」を伸ばしてもらいたいと思うが、市長の考えはどうか。
A1-5.懲戒処分および公表については、人事院にもとづいて報告・公表している。現在の氏名公表基準は案件の社会的影響の大きさ、被害者、関係者、当事者のことを考慮しながら決定している。他の自治体と比べて柏崎市のそれは、決して甘いものではないと考える。公務員としての服務規律を徹底していくことが必要。先の新年の訓示でも、公務員は市民に雇われている立場であることを認識するようお話しした。
報奨制度については、これまでにあったかどうか気になっていたこと。そしてあるとしたら更に有効に活用したいと考えている。失敗を恐れずチャレンジすることは意欲向上につながる。各部門の効率化に対して見直し案、業務改善提案のようなものを職員から募り、優秀者は表彰してさらに意欲を引き出そうとしている。より一層意欲を高めるようにしていきたい。質問にあたような、分かりやすく、頑張った職員を知っていただくシステムも考えていきたい。市民の期待に応え質の高い行政サービス提供することが公務員の務めと考える。職員ひとりひとりが意識を高め、チームとしての質を向上させていくよう努力したい。
2.海を活用したまちづくり、水族館の実現について
柏崎市の強みの一つに、先人が培ってきた「海の柏崎」がある。
しかし、現状において十分に活用していない海の資源もあると感じており、市長の考えを聞きたい。
Q2-1.(鮭の活用)柏崎さけのふるさと公園は重要な観光資源であり、かつ教育資源でもある。そこに加え、増殖事業に供したさけの有効利用策を充実させることで、地元の特産品、味につながる可能性も秘めている。現在、遡上した鮭の多くは残念ながら廃棄されており、活用されていない。県内の他市(村上市や糸魚川市)の事例では、遡上して脂が抜けているからこそできる鮭節や鮭を使った魚醤(最後の一滴)、さらには鮭とばといった商品化を行っている。柏崎市内には二大学はもとより、総合高校という資源があり、それらを結びつけることによって新たなる活用ができるのではないか。商品化できるようであれば、障害をもった方の仕事にできる可能性もある。また、仮に商品化ができなかったとしても、単に廃棄するだけではなく、循環型農業の有機肥料の材料にするなどの手法もあろう。現時点での最善の答えはないが、是非とも研究すべき案件であり、市長の認識を聞きたい。とにかく今言えるのは「もったいない」ということ。
A2-1.谷根川の鮭は廃棄されていると私も思っていた。調べてみると 柏崎市さけ・ます増殖事業協会によって、加工されていることがわかった。平成9年から小学校で試験的に提供し、平成12年からは学校給食で遡上した鮭のミンチを使ったハンバーグが提供されている。確かに半分以上を捨てていたこともあった。しかし、今では様々な利活用を検討している。今年度からは鮭フレーク用として出荷する取り組みを行い、6100尾のうち鮭フレーク、ふるさと公園で加工されたものが89.4%、廃棄は10.6%となった。鮭の骨ふりかけなど、新たな商品化にも取り組む。さらに有効活用に取り組んでいきたい。
それだけ有効活用されるようになっていたとは私も知らなかった。
大量の鮭が、ぶちゃられ(捨てられ)ている光景を昨年見たことが印象的であったことから、今回の質問に至った。
是非とも、残りの10%も活用する方向で、自然の恵みを大切にする柏崎にしてもらいたい。
Q2-2.(番神・自然水族館の復元)。これまでの一般質問で何度か取り上げてきたように、「見て、触って、食べられる」ことができた番神の自然水族館は非常にユニークで、柏崎らしい景観であり、柏崎のセールスポイントであった。桜井市長も選挙期間中に自然水族館の建設に触れられていた。私は、この水族館の復元こそが、柏崎の歴史と文化も生かすことができ、シティセールスにつながると考える。そして、柏崎がさらなる前進をはじめた事を、市民全体で共有できる、つまり見える事業としても重要であろうと捉えている。
番神海岸の一角は、通年観光を行うとして民間業者に恒久的に土地を貸し出して浜茶屋を建てさせたものの、結局は通年観光に資するような事は何もやっていない。私に言わせれば契約違反であり、せっかくの柏崎らしい風景を壊している箇所は元に戻してもらいたいと思うほど。
今年4月から柏崎市景観条例が施行されるが、番神海岸の道路カーブを曲がる際に見える風景こと、柏崎が守るべき景観であった。
その番神という地名も由来する日蓮上人着岸の地という歴史的意味合いなども生かされているとは言えない。そういった情けない実態にある。
だからこそ、番神の自然水族館を復元すべきという考えを私はもっている。
我が新潟県内において、同様のコンセプト、施設がないかどうか調査したところ、水族館ではないものの、海の自然体験ができるということで村上市の「海府ふれあい広場」があり、現地視察をしてきた。わざと冬場に視察してきたが、十分に活用されておらず、浜から海まで歩いていくこともできなかったのが残念であった。
他がやっていないからこそ、チャレンジに意味がある。逆張りのまちづくりと言われるかも知れないが、取り組む価値は十分にあると考える。
この番神の自然水族館を復元するという案に対する市長の考え、また復元するとした場合の国、県との調整、技術的に越えるべきハードルをどう捉えているのかを合わせて問う。
A2-2.まずはこの事を質問で取り上げてもらった事にお礼を申し上げる。12年前の最初の市長選出馬時から、海の自然水族館は公約の一つに入れていた。また議員時代にも検討を重ねてきた。日本海に面する地域性や冬場のこともあり、春から秋までに限定されると考える。冬場の波から保護はもとより、柏崎港の港湾区域内であるため、新潟県と水域に関する占有協議が必要になる。また、漁業権設定区域で、岩海苔畑が造成されていることから、水族館を整備したことで、生育、貝類の漁場にも影響することも考えられる。新潟漁協柏崎支部との調整も必要になってくる。公共海域での新たな観光拠点としたいが、今後さまざまな権利問題を調整していかなければならない。そして、億単位のお金をかけるようなものは考えていない。色々な調整があるため、必ず実現するとは現時点で断言できないが、柏崎のユニークな施策として、小規模でも実現させたい。
そういったハードルがあることを知って、ますますやるべき事業と感じた。
成功している多くの観光施設で言えることであるが、その実現までの過程が物語となり、それがまた人を呼ぶ。
桜井市長の持前の突破力をもって、是非、事業推進してもらいたい。
3.市役所新庁舎の建設規模と周辺まちづくりについて
現在、市役所新庁舎建設の議論やワークショップが行われている。同時に、中心市街地の在り方、まちづくり、現庁舎跡地の利活用、防災情報通信システムの構築、文書ファイリングの見直しなど、かなり深い議論や大きな政治判断が必要な案件も同時進行している状態にある。
そもそも論でいうが、私自身は現在の新庁舎の位置については、「反対」の立場で、土地取得においても反対票を入れた。
先の総務常任委員協議会でも議論となった防災情報通信システムについては、市役所庁舎が現在よりも低い位置に移動するため、送信局を高い位置に作れず、市役所庁舎ではなく、民間施設を借りて送信局を設置するという計画案が進んでいる。低い位置にいくことにより、色々と余計な費用がかかるのである。
また、現庁舎も周辺の建物のどこを壊し、またどういった撤去の仕方をするのかもこれからという状態。
ここで改めて、これらに係る問題点、課題を整理したいと思い、市長の認識を問いたい。
Q3-1.(交流スペースと既存施設の機能重複について)現在の市役所新庁舎の計画では、市民交流スペースを作るなら合併特例債の約10億円が建設費に充てることができ、うち7割の7億円が国から来るから得である、としている。これは市役所庁舎事業に合併特例債を一度使ったため、新庁舎自体には適用できず、こういった図式になっている。先般、合併特例債を使えば柏崎市が得をするに何故三井田は反対するのか、という意味合いの事を市民の方に言われた。これは、市役所新庁舎の全体建設費約70億円全体の約7割、49億円が国の負担で、柏崎市は残りの3割の負担で新庁舎ができるという、間違った情報を基にしたご意見であった。
実際は、全体事業費約70億円のうち、市民交流スぺースに10億円を使えば、7億円が国の負担になるというもの。合併特例債の効果は全体事業費70億円のうち7億、つまり1割が国の負担になるという図式である。東京オリンピックの影響などで全体事業費が1割上がれば、この効果は吹っ飛んでしまう。
では、本当に10億円分の市民交流スペースが必要なのかどうか。
市民交流や市民活動という機能の面からいけば、柏崎駅周辺には文化会館アルフォーレや、改修中の産業文化会館、民間でいえばエネルギーホールがあり、市民活動をサポートする施設として西本町の「まちから」もある。既に十分にある市民交流の機能を活用するなら話は分かるが、新庁舎にさらに同じような機能をもたせるのは意味がない。もし新庁舎に市民交流スペースや会議室を作るのであれば、産業文化会館の億単位のお金をかけた大改装はしなければ良かったとも言える。人口が減少するのは目に見えているなかの市役所新庁舎建設であり、最小限の機能におさえるべきである。市民交流スペースを市役所に作るというのは、一瞬、耳障りは良いが、その目的は合併特例債の適用であり、本当に必要なのかどうか立ち止まる必要があると考えるが、市長の考えはどうか。
A3-1.合併特例債は防災機能をもつ市民交流のために使うことを考えている。市民交流スペースについては、ワークショップを経て出た話と考えるが、アルフォーレ、産業文化会館、市民プラザ、まちからなど交流機能もつ施設多くある。市民ニーズはどこにあるのか、もう少し時間をかけながら精査していきたい。
Q3-2.(ガス民営化における土地活用について)現在、ガス民営化に伴う諸準備が進められているが、あの敷地は売却せず、市役所新庁舎に近いことから、新庁舎機能の一部として総合的に活用する方向としている。
先の質問でも触れたように、同じような行政施設が柏崎駅周辺でその面積だけを広げるのは無駄である。現在の新庁舎予定地は、毎年固定資産税が1000万円入るところであったが、柏崎市が取得したため、もう収入源ではない。つまり毎年の1000万円の収入が無くなった。さらに民営化したガス水道局の敷地も柏崎市が保有しつづければ、そこから税収が生まれることはない。繰り返すようだか無駄であり、簡単に言えば、
「駅前の一等地に収入、キャッシュを生まない施設を多く置く必要はない」
ということ。
私はガス水道局の敷地は民間へ売却し、柏崎市に固定資産税なりの収入が入るようにするのが、健全な財政への道のりと考えるが、市長の考えはどうか。
A3-2.ガス事業民営化以降も、上下水道含む3事業を運営するため、新庁舎の機能の一部をガス水道庁舎で使っていきたいと考えている。一番価値のある土地に行政がいることについての考えはわかるが、タイムスケジュールがタイトになっているため、三井田議員の提案には同意できない。
Q3-3.(現庁舎跡地の考え方)現庁舎の跡地について、その検討方法も含めて問題点を共有しておきたい。現庁舎を含む周辺の市役所関係施設のどれを壊すのかも決まっておらず、また取り壊す費用も地中深くに打ち込んだ杭をどうするのかによって変わってくる。さらに杭の抜き方によっても、その後の利用方法が変わる。建設に関する議論はどんどんと進めるが、その一方、不安になっている地元住民の事を考え、同時進行で議論すべき現庁舎跡地のことが、手薄になっている。今後の進め方について、市長の考えを聞きたい。
A3-3.土地利用は新庁舎周辺等活性化基礎調査により、来年度に基本的方針、活動方策、整備方法などを検討する。中心市街地の活性化のための市有地活用は、さまざまな方法があることを踏まえて進めていきたい。
Q3-4.(合併特例債の使い方)これまでの質問でもふれたように、本来、最小限の機能で良い市役所新庁舎に市民交流スペースのようなものをくっつけて、合併特例債を充当する、合併特例債が目的のような新庁舎建設計画は見直すべきと考える。合併特例債を使うのであれば、「水球のまち推進室」が組織改編で設置されるように、「水球のまち」には不可欠である水球の競技公認プール(水泳も公認になるよう工夫)が併設された市民交流施設の建設に充当すべきではないか。中越スポーツハウスのプールも現在のボイラーが壊れれば閉鎖である。これまで議会でも取り上げたように、アクアパークの氷上スポーツと水球、水泳との問題もでてくる。それらを解決するのは市民交流スペースをもった公認プールの建設計画。そういった提案があるが、市長の考えはどうか。
A3-4.合併特例債の活用は庁舎建設への使用を予定している。市民交流機能だけに考えているわけでなく、災害発生時に市民を守る拠点となるよう、防災上の機能を合併特例債の活用に充ててはどうかと考えている。防災機能の整備の充実を基本に特例債活用を考えている。プールに合併特例債を使えないかということだが、合併特例債については、平成26年策定した新市基本計画の中で位置づけられているため、規定のないプールに対して適用するのは難しい。
Q3-5.新庁舎だけに目を向けるのはあまりにも内向きではないか。柏崎市は対外的に「水球のまち」、さらには「水球の聖地」とまで風呂敷を広げてしまった。宣言した以上は、柏崎市が少なくとも公認プールは整備すべきと思うがどうか。
A3-5.公認プールは目前の問題として、オリンピックに向けて水球のまちとして手を挙げたことが根拠となっていると理解する。水球のために支援し、今ある練習環境の充実に努力したいが、合併特例債をプール建設に使うことは困難である。
今後も毎回、一般質問を行うことを宣言して、約1時間ほどの議論を終えた。
もう1名の議員が一般質問を行い、18時20分に終了。
一度、自宅に戻って着替えたのち、19時から市内の某割烹に移動し、所属会派の新年会に出席する。佐渡の牡蠣と鮭の味噌バター陶板焼き、アカニシ貝の黄身焼き、新潟和牛の牛筋シチューなどを食べながら、ビール、日本酒を飲み、今年の会派での活動などを話し合った。
22時過ぎ、自宅に戻り、シャワーを浴びる。
23時から読書。
« 廃炉ビジネスで先を行く福井県、検証段階の新潟県 | トップページ | 約束を守らない韓国から大使を一時帰国、対抗措置へ »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 台湾スイーツ「豆花」台湾カフェ「騒豆花」視察(2019.04.18)
- 2019_柏崎市議会議員選挙応援演説(佐藤ひろたか候補@勝願寺)(2019.04.19)
- 追悼『ルパン三世』作者モンキー・パンチ氏(2019.04.20)
- 三井田たかお総決起大会~元気がでる大講演会(2019.03.08)
- 2019三井田たかお政策動画(地域経済の活性化、交流人口増大について)(2019.03.09)
コメント
« 廃炉ビジネスで先を行く福井県、検証段階の新潟県 | トップページ | 約束を守らない韓国から大使を一時帰国、対抗措置へ »
市長が変わって市庁舎の見直しも行われると思いましたが、前市長と方針も変わらず残念です。
小池都知事のように、都民ファーストならぬ、市民ファーストを掲げ一度全事業を見直すような権限は市長にはないのでしょうか?
水球の事はよくわからないのですが、
水球を前面に押し出しておいたのなら、専用プールを作るくらいの勢いがあってもいいのではないかと思います。
投稿: 市民A | 2017年1月10日 (火) 10時36分
市民Aさん、コメントありがとうございます。
新庁舎の見直しは、再検討という言葉でどこまでされるのか見えないところです。
防災機能、市民交流スペースで10億円使うことで7億円得するという合併特例債の扱いが変わらない限り(私はいらないという立場)、見直しは難しいのかと思います。
また、水球ですが会田市政時代に「水球のまち」「水球の聖地を目指す」と国をはじめ外部に宣言している以上、肝心要の公式試合ができるプールが無いという恥ずかしい状態です。
*公式大会の誘致はもちろんできず、練習試合をするような合宿誘致も怪しくなる・・・。
大風呂敷を広げた以上、実態が伴っていないとなると柏崎市として信用がなくなってしまいますので、私は建設すべきと考えております。
投稿: 三井田孝欧 | 2017年1月10日 (火) 20時36分