柏崎商工会議所第7回会員大会
勝間和代氏講演「エネルギー問題を正面から考える」
2時、就寝。
7時に起床し、大粒納豆、皮を剥いだ鶏胸肉の塩焼き、ピーマンの油炒め、蜆の味噌汁でご飯2杯の朝食をとる。
9時、来客があり、相談を受ける。
11時30分、お見送りをしたのち、市内をまわって所用を済ませる。
12時20分、自宅に戻り、米粉入りの塩バターパン、粗挽きフランクフルトソーセージのバジル炒め、冷凍しておいた枝豆で作った枝豆スープ、低脂肪乳、林檎で昼食。
新鮮なうちに茹でてから冷凍した枝豆であったが、冷凍状態が悪かったのか風味が抜けてしまい、枝豆の良さが消えてしまっていた。
14時過ぎから再度、党費集めなどで市内をまわる。
15時45分、柏崎市産業文化会館に移動し、15分ほど遅刻してしまったが、柏崎商工会議所第7回会員大会に出席する。
今日は第1部として、勝間和代氏を講師にお迎えしての講演「エネルギー問題を正面から考える~命にとって食べ物と同じくらい大切なエネルギー」が行われた。
主な内容は以下の通り。
1.フィンランド視察報告
<不確実性下の意思決定>
これまでの失敗は予測できないものを予測しようとしたこと
例:リーマンショック、テ口攻撃、地震、津波
・そもそもこれらの発生を完全に予測は不可能である
・対策といっても、その時点で考えられる最良の意思決定をするしかない
・完全性を極めても無意味、むしろ「最良の意思決定」を継続することが重要
・フィンランドはいち早くそこに着手した
・日本の大新聞は原子力発電を動かさないように論調をはっており、誰のための新聞か分からない。
・自然エネルギーでは太陽光が一番不安定であり、それでも地熱は安定している。しかし、地熱は温泉なので蓄積物ができてしまうのと枯渇の心配があり、コストはかかる。しかも、日本はヨーロッパより井戸が浅い。
・フィンランドで核廃棄物の最終処分場を見てきた。世界で最も先に処分場を決めた。どういうプロセスで処分場を決定したのかに興味があった。日本では、この問題は進展していない。しかし日本では必ず最終処分場は必要になる。
・フィンランドは寒くて食べ物がまずいという印象であったが、その通りだった・・・しかし、それには合理主義の精神があるように思う。良くも悪くも合理的な民族だと思った。
・食べ物文化は面白く、美味しい民族は感情的な民族が多く、合理的な民族の食べ物は美味しくはない。日本はミシュランでも多くのお店があり、先進国のなかでは非合理性、感情的な判断をする。
・ホルモンのオキシトシンが強いと仲間が大好き、秩序を保つ。全体的には女性が強い。良い事と言われているが、非合理性をもたらす。日本で一番、非合理的な意見をもってしまうのは、このオキシトシンをもつ人々。
・フィンランドは教育改革を行い、教師の学歴を求めつつ給料を上げ(医師のように)、合理的な高い教育にしていった。裁量を自由に与えても、高いレベルの教育を行うような教師が増えていった。一人あたまのGDPは日本より高く、学力も高い。
・21世紀は不確実性が高くなってきており、環境や社会変動が激しく、オキシトシンが強い非合理な人は生きにくい。不確実性のなかでは、合理的な最初のマシな選択をし、その後に修正する意思決定をしていく。これは経営者も同じ。プロ野球のソフトバンクが強くなったのは、この合理的な戦略、決断のお陰。
・オキシトシンをもたないコンピュータにある程度のデータの合理的判断をさせ、人間が判断するような時代になる。
・フィンランドは、スウェーデンやロシアなどにいじめられてきた歴史があり、合理的な判断で生き残りをかけてきた。
<「100,000年後の安全」vs「パンドラの約束」>
・映画「100,000年後の安全」「パンドラの約束」という日本の映画がある。
・100,000年:不確実性に対して不確実であるということを強調する。リスク量を計量しない。
・パンドラ:不確実であることは認めつつも、最大限の努力をして計量化しようとしている
・結局、人間が不完全であることを前提にシステムを組むことと、分からないから逃げるという方法とどちらが適切か?
・日本の議論が前者で、フィンランドの議論が後者。
<エウラヨキ町がなぜオン力口を受け入れたのか>
・コミュニケーションと信頼性、これまで受けているメリットが大きい。
車:交通事故死は多い
階段:転落死多い
お風呂:溺死が多い
「事故に遭うから家から外に出るな」というのはリスク管理と言えるだろうか?
車、階段、お風呂を使うのはメリットがデメリットを上回っているから
・車やお風呂、階段の方が原子力発電所があることよりも、死亡リスクが圧倒的高い。しかし、メリットの方が高いので普段から使っている。つまり許容できるリスクである。
・エウラヨキ町および町民は核廃棄物処分施設が、許容できるリスクの範囲内であると判断した。
・オンカロの最終処分場を受け入れた住民は、電力会社を信用している。原子力発電所があることのメリットの方があったということを理解している。
・日本の原子力政策についても原発再稼働にしてもデメリットだけの強調は無意味。
・メリットとデメリットのなかで、原子力発電を議論するはずが、あまりにも福島の感情的なものが強かったので、日本では冷静な判断ができていない。
<専門家に丸投げするのではなく、自分で考える>
・専門家のトークは、ポジショントークを行ってしまう。自分の発言がより生きるようにしか話さない。借血療法という治療が昔にあったが、間違っていると分かってから消えるまで100年ぐらいかかった。湿潤療法や糖質制限も同じ(指摘したのは専門家ではなかった)。新しい真理がでてくると、その真理があると困る従来からの専門家との争いが起こり、素人は迷う。天動説と地動説もそうだった。
・エネルギー問題も時間が解決するように感じている。証拠、エビデンスがどんどん上がってくれば、集合の知恵ではないが、大衆の知恵が集めって議論していけば、正しくなっていく。
・予測されるリスク、燃料代アップ、化石燃料の枯渇、、、こういった予測されるリスクとのバランスで考えなければならない。
・そういうことを冷静に議論する場の育成が必要だが、今の日本の政治はそこから逃げている。
・1970年に地震予測は10年後にはできると言っていたが、あれから40年経ったがまだできない。
・オン力口は2平方kmに200年分の燃料が埋められる。最終処分地として2平方kmの土地は使えなくなるものの、そのお陰で200年間は安全に原子力発電所が運転できるなら、それなら許容できるものとオンカロを受け入れたエウラヨキ町、町民は受け入れた。
→ リトリーバブル:間違ったらやり直すこれを何度も言っていた。
間違ったらではなく、間違うかもしれないという前提でシステムを構築している。
2.いま日本経済に何か起こっているのか
<アベノミクスとは何か>
・ごくごく標準な経済学の常識を政策として実施しているだけ
・デフレ=貨幣供給量不足(1)金融緩和
→ 日本は貨幣を増やすことをしてこなかった。
・デフレ=需要不足(2)積極的財政
・デフレを脱却すると、今度は供給不足になるため、(3)成長戦略=供給力強化となる。
・消費税アップで景気が後退したところをいま回復している状態。
<常軌を逸したアベノミクス叩き、結局何がやりたいの?>
・株価が上がると「庶民には関係ない」
・株価が下がると「景気の先行きに不透明感」
・円安が進むと「苦しむ中小企業」
・円高が進むと「苦しむ中小企業」
・とにかく、安倍政権を批判できればネタは何でもいい
→ 経済学上の根拠が全くない
<経済政策の影響は資産市場(株、為替)から実体経済にじわじわと及ぶ>
(1)中央銀行が客観的な目標を設定(マネタリーベースを2年で2倍)
(2)物価連動債価格に変化、予想インフレ率(BEI)が上昇
(3)インフレを予想した人々が、値上がりしそうな資産(株、土地、外貨など)を買い求める
(4)資産の担保が価値が上がり、その効果が実体経済に徐々に波及する
--------今はここ
(5)しばらくの間、企業は積み上がった内部留保を放出するだけで設備投資が賄えるが、数年でそれも足らなくり、銀行貸出が増加する(この段階で初めてマネーストック増加、インフレ率上昇)
<最新のGDP速報値>
・2017(平成29年)4-6月期のGDP成長率(季節調整済前期比)は、2次速報値において、実質0.6%(年率2.5%)、名目0.7%(年率3.0%)となった。・2017年4-6月期の雇用者報酬については、「毎月勤労統計」(6月分)の確報化等を反映した結果、前年同期比で名目2.1%増、実質1.8%増となった。
<景気動向指数から見た景気判断>
8月のCI(速報値・平成22年=100)は、先行指数:106.8、一致指数:117.6、遅行指数:116.5となった。
3.エネルギー問題という足かせ
・原油価格は一時期よりも落ち着きを見せている。
・東日本大震災以降、高止まりする天然ガス価格
→ 今後の経済成長の足かせになる恐れ
・化石燃料を使い続けることで高まる気候変動リスク
20世紀の100年間で平均地上気温が約0.6度上昇
この上昇速度は、年輪や堆積物などから推定された過去2000年間の気温変動にも例を見なかったほど急激であった
特に、1970年代以降の気温上昇は顕著であり、100年間で1度以上も気温が上昇する勢い
この気温上昇の原因は二酸化炭素を始めとする温室効果気体の濃度増加なくしては説明できない
4.そろそろ落ち着いて考える時期
<イースター島の教訓>
・1722年の探検家ヤン・ロッヘフェーンによりイースター島が「発見」された時、住民は粗末な水漏れする力ヌーしか持っていなかった。
・そもそも、先住民はどうやってこの島に渡ってきたのか?
・しかも、島には巨大な「モアイ像」は397体もあった。
・先住民は、この石像をクレーンも、車輪も、機械も動物もなにも使わず、人間の能力だけで作ったのだろか?
<イースター島はなぜ衰退したのか?>
・イースター島はポリネシアよりずっと寒く、渡来してきた人がかつて親しんだココナッツやパンノキはうまく育たなかった上、魚も少なく、食糧そのものが、他の太平洋の島々より貧弱だった。
・たまたま、モアイ像を掘るのによい凝灰岩が産出されたため、各首長が自身の「権威jを争って、戦争の代わりにモアイ像を建設した。
・モアイ像の建設に大量の「木材」と「食料」が浪費された。
・イル力も、魚も、鳥も、食べ尽くし、生活に不可欠な力ヌーを作るための木材も不足し、飢餓が始まる。
・最後は人口が激減し、モアイ像の倒し合いが始まり、クーデターが頻発、文明崩壊へと至った。
<「戦争」は「資源の奪い合い」>
・戦争は、多大な資源投入を必要とするので、見返りがなければ誰もしない
・しかし、一定以上飢えやエネルギー、土地の奪い合いが生じるようになると、その戦争に勝つことに「見返り」を求めて、戦争が起きる
・食糧問題、エネルギー問題、自然破壊問題などの解決がなければ戦争を根絶することはできない。
<「自分たちを滅ぼす破滅的な決断」を避けるために必要な事>
・同じぐらい厳しい環境にいても、滅びた集団、生き残った集団がある。
・失敗に気づき、反省し、そして、新たな試みを継続的に行うことで、問題を解決してきた、だから人類全体は滅びなかった。
・勇敢な指導者、勇敢な国民が、基本的価値観について話し合い、そして、個人と社会の利益を一致させる方法を見いだし、努力をしていかなければならない。
・石油、工業、林業、漁業など、さまざまな資源の問題にぶつかっても それを他人事ではなく、自分の問題として解決に取り組み、解決を試みる政府や企業を支持していく必要がある。
<「電気は足りている」ではなく、 「足りなくならないように頑張った」>
・各電力会社はこれまで休んでいた火力発電機を修理して稼働させたり、緊急設置電源を増やしている。
・この中にはかなり老朽化した設備も含まれており、トラブルの件数は増える一方。
・作業員が点検する回数を増やし、大きなトラブルになる前に文字通り徹夜で修理している。
・停電は命に関わる問題(マスコミはこの点を軽視しすぎ?)
<原子力発電のリスクを再考する>
・リスクと不確実性について
>巨大地震はリスク分布が予想できない不確実性
>しかし、東日本大震災の教訓は現場に生かされている
・全国を歩いて、実際に見てきた地震対策、津波対策(防波壁、水密扉、予備電源、予備ポンプ、重機etc)
・事業者単体で何とかするという心意気は素晴らしいが、、、
・今こそ求められる警察、消防、自衛隊との日常的な連携。
<まとめ>
・アベノミクスは今のところ順調に進行中。
・但し、将来的にエネルギー価格の高騰が経済成長の足かせとなる可能性が高い。
・現在の火力発電依存にはさまざまなリスクが付きまとう(戦争リスク、気候変動リスクなど)。
・エネルギー安全保障について、もう一度ソリューションスペースを広げて考えてみるべき時期にきているのではないだろうか?
17時過ぎ、講演会終了後、事務所に戻り、事務仕事。
19時30分、「飲茶中華料理 ハルビン」(電話:0257-22-4887)に行き、生ビールを飲みつつ、トチオンガーセブン柏崎ロケ・プロジェクトに関する打ち合わせを行う。
21時過ぎ、市内某スナックにてカラオケの二次会。
久々に『ゴールドライタン』の主題歌「黄金戦士ゴールド・ライタン」(作詞・作曲:山本正之 編曲:チト河内)を聞き、その後もアニメソングで盛り上がった。
24時、帰宅。
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