原子力国民会議「草の根セミナーin 池之端」
講演「高レベル放射性廃棄物処分と地下環境」
1時、就寝。
5時に起床し、熱めのシャワーを浴びる。大粒納豆を1パック食べたのち、身支度。
6時30分、柏崎駅に移動し、6時44分の快速おはよう信越に乗る。
7時13分、長岡駅に到着し、7時20分発の上越新幹線「とき304号」に乗り込む。
持参してきた卵とソーセージのサンドイッチと低脂肪乳で朝食。
台湾人の妻が初めて挑戦した卵サンドイッチであるが、パンが六つ切り食パンのため、2切れで結構なボリュームである。
8時54分、上野駅に到着し、徒歩にて移動。
9時40分、某社会議室にて、インバウンドに関する打ち合わせを行う。何とか柏崎へのツアー、面白いツアーは作れないのか、アイデアを出すも観光資源不足との指摘。
11時過ぎに終了したので、そのまま上野界隈を散策する。
台東区池之端児童公園にある東京都交通局7500形電車(7506号車)。
13時30分、「珈琲館 根津店」(電話:03-3828-6512)に入り、持参してきたノートパソコン(ThinkPad X61,SSD,SXGA+化,LEDバックライト化)で急ぎのメールや議会関係の資料作成しつつ、昼食をとる。
「俺の腹は今、何腹なんだ」と『孤独のグルメ』の井之頭五郎のように逡巡する間もなく、急いで注文したので、朝食とかぶった「たまごドック 380円」、「炭火珈琲 450円」という内容。
14時30分、根津駅で所属会派の丸山敏彦議員、上森茜議員と合流し、15時からの「草の根セミナーin 池之端」(主催:一般社団法人 原子力国民会議)に出席する。
冒頭、代表理事である宮健三・東京大学名誉教授から、以下のような挨拶があった。
「我々が知らないうちに世界に韓国、中国の原子炉が広がっている状態であり、既に日本は原子力分野においては負け組になりつつある。
今日は、まずは高レベル放射性廃棄物処分について、国民理解を得られないとゴミが捨てられないということから理解が進まない。地下300mの安定領域においては、問題は解決するのだが、そのことを分かりやすく伝えるしかない。」
先日、本ブログでも紹介したように韓国、中国は自国製という原子炉を海外に輸出し始めている。
15時10分から東京大学大学院新領域創成科学研究科環境システム専攻・徳永朋祥教授による講演「高レベル放射性廃棄物処分と地下環境」となった。
主な内容は以下の通り。
1.日本のエネルギー供給と原子力・核燃料サイクル・放射性廃棄物
・原子力発電所からの廃棄物はすでに蓄積している。
・高レベル放射性廃棄物は地層処分を行う。
・発生量:電力の1/3を原子力でまかなうと年約1000本発生
・現在までにガラス固化体換算で約24000本(大部分はまだ使用済燃料のまま)
→ 何らかの力(自然現象、人の行為)で環境に飛散させたれれば、放射線影響により人や環境に危険を与える。
リスク源:何から守れば良いか
・廃棄物処分の基本は、濃度を高くして量を少なくするか、濃度を低くして量を多くするかの選択。高レベル放射性廃棄物は、濃度を高くし、量を少なくする処分を選択。
2.深部地下環境と多重バリアシステム
・地表に比べて変動を受けにくい
・物質が変質しにくい(古い時代の鉄製品やガラスが良い状態のままで発掘もされる)
・物質が動きにくい(核種が固体表面に収着されやすく、物質も動きにくい)
・多重バリア
人工バリア(ガラス固化体、オーバーパック、緩衝材)
天然バリア(岩盤)
・自然事象の接近シナリオ、地下水シナリオに対する影響
<ファーフィールド地質環境>
隆起浸食、地震・断層活動(地下水シナリオ:緩やかなプロセス)
火山活動(接近シナリオ:急激なプロセス)
→ 深地下ファーフィールド地質環境の変還は極めて緩やかなので、火山や断層の位置や隆起の傾向は数十万年では変化しない
<ニアフィールド地質環境>
溶解度制限、遅い地下水流速
→ この領域の安定性に影響があるかどうかが問題になる
放射性核種の運命を言い当てるのではなく、運命の幅を把握する
・仮に地表に到達しても放射線量は、最大でも自然放射線の10万分の1以下
4万本の廃棄体について、すべてのオーバーパックが処分後1000年で閉じ込め機能を失うことを想定
一人あたりの自然放射線量(年間)2.4ミリシーベルト
3.日本における地層処分事業の経緯と現状
・文献調査→概要調査(ボーリング等の概要調査)→精密調査(地下施設での精密調査)→最終処分地の建設
・処分サイトは10平方km、概ね羽田空港程度
・公募に対する反応
2003年4月、福井県和泉村以降9町村が興味を示す
6町村は報道後に、すぐ断念
2町村は議会に審議を依頼するが、その検討を行わない判断
高知県東洋町が応募したが、町長のリコールと新町長の判断で応募取り下げ
・2012年学術会議「高レベル放射性廃棄物の処分について」
1)高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策の抜本的見直し
2)科学・技術的能力の限界の認識と科学的自律性の確保
3)暫定保管および総量管理を柱とした政策枠組みの再構築
4)負担の公平性に対する説得力ある政策決定手続きの必要性
5)討論の場の設置による多段階合意形成の手続きの必要性
6)問題解決には長期的な粘り強い取組みが必要であることへの認識
・2012年、学術会議の指摘に対する原子力委員会の見解
1)処分すべき高レベル放射性廃棄物の量と特性を原子力・核燃料サイクル政策と一体で明らかにすること
2)地球科学分野の最新の知見を反映して地層処分の実施可能性について調査研究し、その成果を国民と共有すること
3)暫定保管の必要性と意義の議論を踏まえて取組の改良・改善を図ること
4)処分に係る技術と処分場の選択の過程を社会と共有する仕組みを整備すること
5)国が前面に出て再構築に取り組むこと
4.科学的特性マップの提示
<地下水に関してあった質問>
・日本列島の地下水の流れはどうなっているのか。どこから来て、どこに流れるのか。地表からどのくらいの深さのところで流れるのか。
・地下水の年代はどうやって分かるのか。
・地下水の流動速度はどれくらいか。
・地下水の化学的性質はどうか(主に岩石の腐食、金属の腐食)。
・ベントナイトが水を通さないのは何故か。
・長期スケールの地下水環境の安定性はどのように考えれば良いか。
<地下水の移動>
・地下水は地層を構成する固体の隙間や岩盤中の亀裂を移動する。
・地下水の流量=流しやすさ(透水係数)×水の移動を引き起こす力(重力と圧力差)
<地下環境は還元的である>
・金属の腐食が極めて遅くなる(オーバーパックの健全性)。
・いくつかの放射性核種(Tc、U、Np等)の溶解度が還元環境では酸化環境に比べ極めて小さい。
・緩衝材・岩盤中の放射性核種の分配係数(Kd値)が還元環境では大きい
<地下水流れに影響を与える重要な事象>
・地表環境変動(特に10万年程度の周期で発生する寒冷化・温暖化サイクル)
→ 将来に向かって定量的な予測は困難
・地震
→ 変化の大きさと時間的変化を予測するのは簡単ではない。
<物質移行(核種移行)で考慮すべきこと>
・地下水が流れることにより、水に溶けている物質(核種)は移動することが可能となる。
移流/分散:地下水が流れることにより、溶けている物質が移動させられること。また、地下水の流れが局所的に変化していることによって発生する濃度の平均化
拡散:場所によって濃度が違うことにより、物質が移動する過程(水が動いていなくても発生する現象)
初期濃度:固体(ガラス固化体)から物質(核種)が溶け出せる量(溶解度によって規定)
吸着/収着:水に溶けている物質(核種)が固体表面との相互作用により見かけの移動速度を変化させる現象
崩壊:放射性核種が、半減期に応じて減衰していく現象
16時30分から先日行われた原子力集約全国大会に関しての会議。実行委員会から報告があったのち、今後の原子力発電所立地自治体の在り方なども含めて話し合う。
・原子力活用に関する署名
「原子力なくして この国は立ち行かぬ」
平成29年11月22日現在 約25万人分
・電力多消費作業(基幹労連、鋳造協会)から現状に関して厳しい報告があった。原子力の活用で電力代が下がらなければ、国際競争には勝てない。また雇用も守れない。
・IT時代、データはクラウドに情報を預ける。クラウドサーバは電力を多く使うが、電気の高い国は情報処理の場としても使えない。
・原子力にはFIT(固定価格買い取り制度:Feed-in Tariff)が無く、総括原価方式もなく、制度設計が必要。
今後の活動として、(1)原子力推進活動報告全国大会、(2)全国世論調査(世話人制度)、(3)政府への請願を三位一体で展開していくこととなった。
また、ありがたいことに一般財団法人・原子力国民会議より貢献賞を頂戴した。
終了後、立食形式での懇親会。
18時過ぎに懇親会が終了となり、徒歩にて上野駅に移動する。
18時58分、上越新幹線「MAXとき341号」に乗り込む。珍しく、故障している座席があったので、記念にその横に座った。
22時、自宅に戻り、熱めのシャワーを浴びる。
23時、事務所でビール500ml3本を飲みながら、事務仕事。
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