産業建設常任委員会視察3日目(宮城県仙台市)
仙台市起業支援、起業支援センター「アシ☆スタ」
2時、ホテルに戻り、熱めのシャワーを浴びたのち、就寝。
8時に起床し、ホテル1階でビュッフェ形式の朝食をとる。小粒納豆、温泉卵2個、肉野菜炒め、ソーセージ、仙台麩の煮物、野菜サラダ、玉子焼き、漬物、焼き海苔、麩と若布の味噌汁、カフェオレでご飯2杯といった内容。
9時30分、ホテルをチェックアウトし、徒歩で移動する。
予定より10分早めの9時50分、視察先の起業支援センター「アシ☆スタ」に到着。
申し訳なくも、早速、仙台市の起業支援政策、起業支援センター「アシ☆スタ」について説明して頂いた。
【仙台市の起業支援への取り組み】
説明者:仙台市経済局産業政策部産業振興課
1.仙台経済成長デザイン「SENDAI for Startups!」
復興後を見据えた「新たな経済成長」が必要
量的拡大のみならず質的拡大も重視した成長
東北の中核都市として東北各地と経済波及効果を共有
→ 日本一起業しやすいまち
4つの数値目標
平成29年までに新規開業率日本一(現在の一位は福岡市)
平成29年までに年間観光客入込数2300万人
平成25年~29年までに累計新規雇用10万人
平成29年までに年間農業販売額100億円
9つの戦略プロジェクト
チャレンジ中小企業
スタートアップ・センダイ
ウェルカム仙台・東北
ウーマノミクス
インベスト・センダイ
テクノロジー都市・仙台
クール・センダイ
仙台農業・地域創造産業化
まちづくり駆動型ビジネス
2.課題
・労働人口・消費人口の減少による経済の停滞のおそれ
・学生が中央首都圏に流出(養豚業のようなもの)
→ 鮭のように帰ってくるようにしたい
3.ソーシャル・イノベーション創生特区(国家戦略特区)
震災を経て活発化した女性、若者、シニアが主導する「ソーシャル・イノベーション」(社会変革)を推進するため、開業手続きの迅速化や保育士不足の解消を図るとともに、産学連携の下、自動走行等の技術実証などの新たなイノベーションを通じ、被災地からの新しい経済成長のモデル構築を目指す。
平成27年8月28日指定。
4.INTILAQ東北イノベーションセンター
一般社団法人IMPACT Foundation Japantと仙台市で協定を結び、カタール国の支援を受けて設立された「起業家育成・支援」のためのプロジェクト。新しい会社を起こす「起業家」だけでなく、小中高生、大学生、企業、生産者など、どんな人でも新しいビジネスの創出に向かってチャレンジする人を「おこす(起こす、興す)人」と呼び、ソフトとハードの両名で総合的支援を行う。
5.SENDAI Social Innovation Night
「女性活躍・社会起業」のための改革拠点として国家戦略特区に指定された仙台市に、東北のみならず日本各地から各分野を代表する社会起業家たちが集結。
日本の枠にとどまらず世界中で活躍する方々が、どのようなきっかけで、どのような想いを持って、どんな社会課題に向き合い、その解決に努めてきたのか、プレゼンテーションとパネルディスカッションを通じて深く探り、社会起業家の方々と交流するイベントを開催。
6.小中高生向け起業体験ワークショップ
小中高生たちが1組5名程度のグループに分かれ、仮想の会社を設立。
商品企画から事業計画の作成、資金調達(借入)、生産、販売、決算までの工程を体験。実際に金融機関で働く大人たちに対して事業資金借り入れのための交渉をしたり、中高生たちが作成した事業計画を精査し、内容によっては融資を断り、計画の練り直しを迫るなど、より起業の実際に近く、「働く」ということを肌で感じられる起業体験プログラムを開催。
7.起業家応援イベント「SENDAI for Startups!」
起業を啓発・促進し、起業家同士の交流を深める地方最大の起業家応援イベントを開催。6回目となる「SENDAI for Startups!2017」では、東北でチャレンジする人を応援する「SENDAI Social Innovation SUMMIT」、「DA・TE・APPS!」、「TOHOKU ACCELERATOR DEMO DAY」の3つのイベントとコラボし、せんだいメディアテークを会場に3日間開催。750名以上の方が参加。このイベントを通して、東北の可能性を信じて挑戦する人を増やし、また、挑戦した人を周囲が自然に応援する文化を作り上げて創りあげていく。
8.起業家週間「SENDAI Entrepreneur Week」
「SENDAI for Startups!」を単発のイベントで終わらせず、仙台市全体で起業を盛り上げていく雰囲気を創出できるよう、平成30年2月2日(金)から2月27日(火)を「SENDAI Entrepreneur Week 2018」(起業家週間)と位置づけ、起業・創業に関する様々なイベントを仙台市内で集中的に開催。期間中33以上のイベントが開催され、2000名以上が様々なイベントに参加。
「SENDAI Entrepreneur Week」の開催を通じて、「起業」という選択肢を東北に根付かせ、起業への憧れを創出し、起業家を増加させ、「日本一起業しやすいまち」の実現を目指す。
9.TOHOKU IGNITION
仙台・東北で活躍している起業家・チャレンジャーをゲストに招き、起業への想い、東北の可能性についてパネルディスカッションを行い、参加者相互の交流を深める交流会を開催。東北エリアのブランディングと、仙台・東北へのUIJターン企業を促進。
10.スタートアップビザ
外国人の創業を促進するため、国家戦略特区に指定されている仙台市で特例的に認められた制度。日本で創業する外国人に必要とされる「経営・管理」の在留資格の認定要件が、仙台市で創業活動を行う場合に緩和される。
11.スタートアップ奨学金
仙台の将来を担う大学生を国際感覚を身に着けたグローバル人材として育成し、仙台市・宮城県内での起業・就職を通じて、学生の地元定着、地元企業の底上げを図り、仙台の経済界を活性化させることを目的として、在仙大学生向けの海外留学奨学制度を創設。
1年間の留学で上限120万円、半年の留学で上限60万円。
最大5名程度で、仙台都市圏での起業、仙台都市圏に本社を置く企業への就職を希望している者が対象。
12.東北の起業家の事業成長を加速する2つのアクセラレーションプログラム
(1)シードアクセラレーションプログラム「TOHOKU ACCELERATOR」
集中支援プログラムで東北全県と東京で事業創造に関するレクチャー・事前説明会・交流会を開催。ビジネスプランを公募し、15チームを選抜。選抜チームに対し、4か月程度の事業創造プログラムと専門家による支援(メンタリング、ビジネスマッチングなど)を実施。起業家週間内でビジネス発表を行うDemo Dayを東京と仙台で実施。
参加者のメリットは、事業成長の加速、行政が関係することでの信用力の向上、ネットワークの形成、同じ想いを持った仲間、全国的な広報、活動拠点(仙台と東京)の提供。
2017年での結果は、事前説明会参加239名、応募総数121プラン、採択数15プラン、メンター48名、demo等での企業とのマッチング222件、資金調達額5350万円。
(2)社会起業家アクセラレーションプログラム「SOCIAL IGNITION」
社会を少しでも良くしたい、という想いを、3年後、5年後、10年後の「目標」として具体化、そこに至る「道筋」を明確化し、メンターが伴走しながら、到達可能性を高めるプログラム。
裾野を拡大する各種イベントの実施、人材を育成するワークショップの実施、6か月間集中支援するアクセラレータープログラムの実施、ステークホルダーの前で発表する成果発表会の実施などの4つの施策を組み合わせて実施。
→ なぜそれをやるのか?を簡潔に表現する2分間の動画作成などビジョンを明らかにするものなどを実施
13.STARTUP IMONITY
東北の文化である「芋煮会」と「コミュニティ」を合成した造語として「STARTUP IMONITY(イモニティ)」を実施し、「エコシステム」を形作るコミュニティの強化を行う。
仙台市と柏崎市では自治体の規模が違うため(しかも東北6県を代表すると自負する仙台市)、今回視察し学ばせてもらった集中的な起業イベント、起業のための奨学金制度、外国人による起業へのスタートアップビザなどをそのままに実行できるわけではないが、その考え方、選択と集中の投資は取り入れるべきである。
芋煮を通した起業家のコミュニティ「STARTUP IMONITY」などは面白い。
【起業支援センター「アシ☆スタ」】
説明者:仙台市産業振興事業団
・「スタートアップをアシスト」、「明日の起業家(スター)を生み出す」、「明日、スタートする」が語源。
・場所としてのアシ☆スタ交流サロンは平成27年にオープン。
・平成26年1月30日に設置し、運営は公益財団法人仙台市産業振興事業団。
・起業家の10年後の存続率は、平成18年中小企業白書では26.1%しかない。
・アシ☆スタが約3年間で開業支援した235者のつい、少なくとも187者、8割以上が存続、廃業は10件。
・支援の対象は起業家で、これから起業したい人、起業から5年以内の人
・16名体制で起業支援職員が7名、ビジネス開発ディレクターが5名、中小企業診断士や金融機関OBで構成する相談員が4名。
・窓口相談(女性相談員)、出前経営相談、起業創業なんども相談DAY、起業家セミナーの開催、年4回の交流イベントの開催(託児付き)
・登録会員数は約1000名。
・先輩起業家メンターにも取り組み、現場で実践的な助言も行う。
・アシ☆スタ交流サロンを設置し、ミーティングスペースや起業関連図書、高速wifiインターネットを用意。
・情報発信として、フォローアップレターを開業時、開業半年後、開業1年後の計3回送付。HP、FBを通じた開業支援事例の紹介。
・運営費は年間4130万円ほどになるが外部委託の専門家の人件費などが8割。
・平成29年度実績で相談件数1175件、開業件数は男性71件、女性43件。半数以上がサービス業、次いで小売、飲食。法人、個人は半々。
・平成30年度の目標
(1)相談対応の更なる強化を図る
(2)経営管理スキルの強化を図る
(3)本格開業前の商品力検証を支援する
→ 起業後の存続率向上を支援する
説明ののち質疑応答の時間となったが、かなり細かく説明して頂き、説明中にもやりとりがあったので、以下の1点のみ質問させてもらった。
Q.やりづらいと思うが、起業後の失敗、廃業者からの声を集めるようなことは検討しているか。現在、どこの自治体でも起業支援の政策に取り組んでいるものの、失敗事例を多くもつメンターに来てもらう、もしくは事例集としてまとめているのをあまり聞かない。そういった事は考えているか。
A.基本的に、大きな事業ではなく、小さなことから始めてもらうことをしているので、なかなか大きな失敗の事例なない。しかし、大きな成功をされた起業家の方をお呼びしてのセミナーなどでは、成功するまでの過程で失敗したこともお話しになっている。それで学べることができるのではないかと思う。
11時20分、濃厚かつこちらもやる気になった視察が終了。お礼を述べたのち、仙台駅に向かう。
11時30分、待ち時間があったので、仙台パルコ5階で開催中の「毒をもつ危険な生き物たちが大集合!サンシャイン水族館プロデュースin仙台パルコ もうどくてん」を見学する。
入口で入場料800円を支払いつつ、
「すいませーん、触れ合いコーナーはありますか?」
と受付嬢に聞いて、ドン引きされたあと、興味深く猛毒生物を見させてもらった。
マダガスカルに住むオオブタハナスヘビ、見た目が可愛いのに猛毒のキイロサンゴハゼ、ステロイドアルカロイド系の猛毒を放つファイアサラマンダー、名前はすごいが意外に毒が弱いゴライアスバードイーター、石垣島で一度見たスベスベマンジュウガ二(人間は一発で死ぬ毒)など、800円以上の価値ある時間。
12時、「銀次郎 仙台駅店」(電話:022-212-5055)に入り、「ランチ限定にぎり 特安ランチ 1620円」で昼食をとる。
食前に冷たいリンゴ酢があり、ネタとしては雲丹、いくら、マグロ、鰤、鰯、鰹、イカ、蒸し海老、鯨と充実しており、さらに海老の頭の潮汁もついた納得のセットである。
食後、地元でしか買えないお土産として、「秋保 元祖三角油揚げ」や「南蛮味噌」などを購入する(牛タンを買う経済力が無いだけ?)。
13時30分、仙台駅にて東北新幹線「はやぶさ18号」に乗り、14時38分に大宮駅に到着。
約20分ほど待ち合わせ、15時6分、上越新幹線「Maxとき325号」で長岡駅に向かって移動する。
16時24分、長岡駅に到着し、約30分の待ち合わせをして、普通電車に乗り換え。
17時36分、柏崎駅に到着し、自宅に戻る。
熱めのシャワーを浴びたのち、18時20分、ソーセージ、プロセスチーズ、いんげん豆をライスペーパーで巻いてから揚げた揚げ春巻き、茹でイカ、仙台で購入してきた「秋保 元祖三角油揚げ」を焼いたもの、南蛮味噌、小粒納豆と梅肉の和えもの、ビール500ml3本で夕食をとる。
シメは、ウルトラー油よりちょい辛!の辛うま万能調味料「ジャミラー油」をかけたご飯である。
食後から録画しておいたテレビ番組を一気に観ながら、資料の整理を行う。
« 産業建設常任委員会視察2日目(岩手県奥州市)
企業誘致の取り組み |
トップページ
| 自民党新潟県連女性局「りぶるのつどい」
杉田水脈氏講演「子どものいのちと暮らしを守る憲法とは?」 »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 台湾スイーツ「豆花」台湾カフェ「騒豆花」視察(2019.04.18)
- 2019_柏崎市議会議員選挙応援演説(佐藤ひろたか候補@勝願寺)(2019.04.19)
- 追悼『ルパン三世』作者モンキー・パンチ氏(2019.04.20)
- 三井田たかお総決起大会~元気がでる大講演会(2019.03.08)
- 2019三井田たかお政策動画(地域経済の活性化、交流人口増大について)(2019.03.09)
コメント
« 産業建設常任委員会視察2日目(岩手県奥州市)
企業誘致の取り組み |
トップページ
| 自民党新潟県連女性局「りぶるのつどい」
杉田水脈氏講演「子どものいのちと暮らしを守る憲法とは?」 »
お疲れ様でした.
投稿: 三角ム | 2018年7月 6日 (金) 17時28分
三角ムさん、コメントありがとうございます。
非常に参考になる視察でした。
柏崎に活かせるよう、委員会でも取り組んでいきたいと思います。
投稿: 三井田孝欧 | 2018年7月10日 (火) 17時20分
ドンガラ祭り
いつもご苦労様です。ドンガラ祭りについて、あの酷い騒音と喧騒は、市の振興のために我慢しなければならないことでしょうか。病人のいる方など大変でしょう。商店街の方も店を閉めて避難している方もあるとか。民家としては日曜日の通行止めも本当に困ります。経済効果がどの程度あるのか検証はされているのでしょうか。エンマ市、ぎおん祭りなどは伝統行事で理解できますが、近年になって他の真似をして始めたこの行事は、そろそろ見直しの時期ではないでしょうか。会場を夕日のドームに移すという方法もあるかも知れません。一日中、町の真ん中でのあの大騒ぎは何とかしていただきたいです。議会等で議論願いたいと思います。
投稿: 旧市民 | 2018年7月16日 (月) 16時37分
旧市民さん、コメントありがとうございます。
18回目となるどんGALA祭りについてですが、騒音をはじめとする苦情は他からもお聞きしているところです。
その一方、市外から多くの方がお越しになることから、地域活性化に有効であるとの声もあります。ただ、経済効果が数字で検証されたことはありません。
基本的には市民の方が実行委員会組織を作り、実施されているものであり、議会として会場などの実施手法や継続の可否を判断する権限がないところです。
まずは、こうういった声があることを、えんま通りでのお手伝い係として?実行委員長にお伝えしたいと思います。
投稿: 三井田孝欧 | 2018年7月19日 (木) 14時42分
うーん。議員さんは市民の代表です。国道を交通止めにし、あの騒音を撒き散らす祭りの賛否が、議会で議論できないとは意外です。実行委員会方式でやれば何でもできるのでしょうか。そもそもこの祭りを始める時に騒音等の弊害が全く議論されなかったのは残念です。それにつけてもなぜ街中でやらなくてはならないのか、疑問です。
投稿: 旧市民 | 2018年7月21日 (土) 22時28分
議員が市民活動制限できるわけないじゃん
踊りたいんだし
投稿: 通りすがり | 2018年7月22日 (日) 23時27分
旧市民さん、コメントありがとうございます。
いくら市民からの負託を受けた議員といえども、対象にできる範囲、権限は限られております。
市民の方が企画、それに対し、道路使用の占有許可など行政側が認めているものであり、議会がいきなり辞めろ、街中ではなく違うところでやれ、と命令するような権限はありません。
あくまで我が国では、赤い隣国のような政治による弾圧などはなく、市民の活動には自由があります。
実行に関しての内容やご意見につきましては、私は主催者ではないので、実行委員会のサイトの方でお声を届けてみてはいかがでしょうか。
投稿: 三井田孝欧 | 2018年7月26日 (木) 11時01分
通りすがりさん、コメントありがとうございます。
議員が何でもできるというのは嘘であり、ご指摘の通りです。
地元経済のためにもなり、また市民の皆さんも楽しめるようなイベントが存続することを願っております。
投稿: 三井田孝欧 | 2018年7月26日 (木) 11時02分