明治維新150周年事業視察団(鹿児島県鹿児島市)
周年事業が活発ではない柏崎市
2時、就寝。
7時に起床し、コンビニで購入したおにぎり(辛子明太子、昆布)、牛乳、サラダチキン、野菜ジュースで朝食をとる。
8時過ぎからホテル周辺を散策。鹿児島市は、日常生活に必要な施設を集約し、バスや路面電車など公共交通でつなぐコンパクトシティ・プラス・ネットワークを進めるく「かごしまコンパクトなまちづくりプラン(立地適正化計画)」(根拠法:都市再生特別措置法)が昨年、平成29年3月1日に策定されており、これだけの大都市にも関わらず、将来を見据えてまちづくりが進められている。
歩き回るなか、まちなかにあった七夕飾りにユニークな、女性らしい願いについ目が留まった。
「あごが一重になって、目が二重になりますように!!」
11時過ぎ、今日の合同で行政視察を行うメンバー、地元の鹿児島市議会・川越桂路議員、鳥取県議会・福田俊史議員、京都府伊根町議会・濱野茂樹議員、宮城県亘理町議会・渡邉重益議員、埼玉県議会議員・齊藤邦明議員と合流。
「2016年日本青年台湾研修」として一緒に台湾へ行って以来の仲間であり、昨年には東日本大震災復興支援視察を行った。
まずは情報交換をしながらの会食ということで、「味のとんかつ 丸一」(電話:099-226-3351)の行列に並ぶ。
お店の前がちょうどギャラリースペースになっており、シーグラス(ビーチグラス)や珊瑚をつかったアート作品が飾ってあり、じっくり見させてもらった。
12時40分、やっと店内に入ることができ、「ロースランチ定食 1300円」を注文する。ヒヒレも同額であったが、やはり豚は脂が多い方が美味しいので、この選択とした。
10分後、噂の極厚の黒豚トンカツがテーブルに到着。大量のからし、甘めのソースをかけ、ザクッとかじる(グフではない)と肉汁が口中にあふれる。臭みもなく、素晴らしい。
美味しいトンカツを食べつつ、各自治体の取り組みなどを情報交換。
また、来年の視察団は我が柏崎市を視察してもらうことに決まった。
13時45分、鹿児島市役所に移動し、14時から行政視察をさせてもらう。
ありがたいことに、霧島湧水「七窪の水」(大正8年に完成した鹿児島市近代水道発祥の水源地)、「かごしま知覧茶」、創業安政元年「かるかん饅頭」(明石屋菓子店 電話:099-226-0431)を頂戴した。
視察項目は、柏崎市では取り組めなかった戊辰戦争150周年、明治維新150周年に関する事業の取り組みについてである。
冒頭、議会事務局政務調査課長からご挨拶を頂き、団長である鳥取県議会・福田俊史議員から行政視察受け入れのお礼の挨拶を行った。
視察項目については、鹿児島市観光交流局明治維新150年・西郷どん推進室の室長からご説明頂いた。
・平成24年度から明治維新150年を目指して事業を展開してきた。当初は、教育委員会主体であったが、平成26年度から観光分野も巻き込むということで、観光交流局の事業となった。
・維新のふるさと・鹿児島市として、市民が郷土に誇りをもてるように、また観光に寄与するよう、毎年、歴史の出来事に合わせて事業をしかけてきた。
・大河ドラマ『篤姫』が終わり次第、即、次の大河ドラマを誘致しようと動きが始まった。
→ 平成22年以降、鹿児島県観光誘致促進協議会による誘致活動を開始。
平成29年3月22日に大河ドラマ「西郷どん」鹿児島市推進協議会設立総会
・成果をきちんとだすための事業展開をした。東京オリンピックのあとの国体も鹿児島にもってくるなど、「稼ぐ観光」をモットーに取り組んでいる。
・明治維新に至る歴史をストーリー性をもったPR素材として県内外に情報発信することによる、観光振興、地域経済の活性化を図り、第5次総合計画の目玉事業にした。
・事業の最終年度は1868年の明治維新から150年を迎える平成30年度とし、事業期間は、平成24年度~平成30年度までの7年間。「明治維新」は、「王政復古の大号令」が出たのち明治と改元された1868年を起点としている。
・事業の目的は、市民の郷土「鹿児島」への誇りと愛着の醸成、次代を担う青少年の育成、観光産業をはじめとする地域経済の活性化。
・事業推進のために、おもてなし体制・基盤の構築、関係団体や民間事業者との連携に力を置いた。
・平成24年度 1862年 生麦事件
テーマ 薩英交流はここから始まった!
(明治維新150年まであと6年)
平成25年度 1863年 薩英戦争
テーマ 強大な西洋と対峙した鹿児島
(明治維新150年まであと5年)
平成26年度 1864年 開成所設立
テーマ 若者よ、西洋を学べ!
(明治維新150年まであと4年)
平成27年度 1865年 薩摩藩英国留学生・集成館機械工場完成
テーマ 薩摩スチューデントが触れた西洋とは!
(明治維新150年まであと3年)
平成28年度 1866年 薩長同盟・龍馬新婚旅行
テーマ 薩長同盟~小松・西郷・大久保・木戸・坂本が夢見たものとは~
(明治維新150年まであと2年)
平成29年度 1867年 パリ万博・鹿児島紡績所操業開始 ・異人館完成
テーマ 国際外交の桧舞台に躍り出た薩摩
(明治維新150年まであと1年)
平成30年度 1868年 明治維新
テーマ 近代国家成立の原動力となった薩摩
・【推進施策1】市民参加体験型イベントの開催
【推進施策2】学校教育を通した学習活動
【推進施策3】だれもが、いつでも、どこでも学べる環境の創出
【推進施策4】「維新のふるさと鹿児島市」を県内外で情報発信
【推進施策5】 来て・見て・体感!「維新のふるさと鹿児島市」
【推進施策6】 伝統工芸品をはじめとする本市特産品のPRなど商工業の活性化
【推進施策7】幕末の薩摩藩とゆかりのある国内外の都市との交流
*コミカルな演技で有名な鹿児島実業高校男子新体操部員による動画
・下加治屋町を中心に維新に関するものを集中し、誘客の流れを作った。
・1年限定の大河ドラマ館を設置(リース物件、当初予算4億7000万円)。あくまで大河ドラマの世界を再現したものであり、史実と違う部分もある。
・入場者目標50万人(鹿児島市への年間観光客数約960万人、新幹線の影響が大きい)、平成30年5月23日で25万人達成(「篤姫」は75万人達成した)したが、伸び悩んでいる部分もある。
昨今、インバウンドで外国人客をターゲットにする自治体が多いなか、明治維新を観光材料として日本人観光客をつかむという戦略、大河ドラマ『篤姫』終了後に即、明治維新150周年に向けて大河ドラマの誘致に官民挙げて動くなど、非常に勉強になった行政視察であった。
我が柏崎市では、これまで歴史に合わせた周年事業が活発に行われてこなかった。
一般質問でも何度か取り上げた柏崎の偉人「樺太発見」松田伝十郎に関連して、一番アピールすべき2009年の樺太発見200周年に何もせず、全国の関係自治体で「樺太発見」イベントが行われていた。
今回の戊辰戦争150周年、明治維新150周年に関しても、うまく絡めた事業ができていない。
柏崎市の立場としては、戊辰戦争150周年という言い方になろうが、明治維新150周年とした場合でも、大河ドラマ『西郷どん』に絡めて、西郷隆盛の弟・吉二郎が柏崎で亡くなっていることをネタにしてもしても良かったかと思う。
*柏崎ではなく、高田で亡くなった説もあり。慰霊碑は上越・金谷山公園にある。
実際、鹿児島市内に配られていたパンフレットには柏崎が紹介されている。
*「柏崎 弟吉二郎が五十嵐戦争で負傷し、亡くなる。」と記載。
明治維新を活用した鹿児島市の観光戦略であるが、惜しいのは鹿児島県との連携がうまくいっておらず、鹿児島市での西郷どんのキャラクターと鹿児島県の西郷どんのキャラクターの二つが存在してしまっている。
活発な質疑応答もあったのち。15時30分、行政視察終了。せっかくなので、鹿児島市議会の議場をみせてもらった。
各議席にはタブレットが設置されており、採決が電子投票、資料もできる限りの電子化をしているとのことである。
15時50分、明治維新の重要人物がほとんどがここで生まれたという加治屋町に移動。
西郷隆盛、大久保利通、東郷平八郎、大山巌、山本権兵衛などがここで生まれている。
せっかくなので西郷隆盛生誕地を訪れさせてもらった。時間の関係上、東郷平八郎生誕地にはいけず。
ちなみに、戊辰戦争で柏崎沖へ軍艦で来ていた東郷平八郎は、日露戦争後の明治39年(1906年)7月22日、柏崎を訪れ、蒼海ホテルで歓迎会が行われている。
16時過ぎ、維新ふるさと館に行き、研究を行っている施設顧問の福田先生にご案内頂き、維新の三傑(西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允)を生み出した薩摩藩郷中(ごじゅう)教育をはじめ、野太刀自現流や幕府に二人を送りだした(篤姫、茂姫)ことによる薩摩藩の政治力などご説明頂いた。
また、かなり作り込んだ人形劇シアターも見学。
薩摩藩の地政学的な強みもさることながら、郷中教育、そして考え方が柔軟なリーダーである島津斉彬の存在が大きい事を再認識。
<日新公伊呂波歌>
島津忠良(日新公)による薩摩武士、士道教化、師弟教育の教典。
代表的な三首。
科ありて人を斬るとも軽くすな
いかす刀もただ一つなり
いにしへの道を聞きても唱へても
わが行ひにせずばかひなし
もろもろの国や所の政道は
人に先づよく教へ習はせ
<薩摩藩の強み>
1.外部からのいち早い情報の入手
2.国防意識の芽生え
3.技術・文化の流入
4.交易(財政策)の利
5.開明的なリーダーの出現
*明治3年(1870年)、薩摩藩軍楽隊によって演奏された「君が代」を聞くこともできる。
17時過ぎに視察終了となり、鹿児島市内をレンタカーでまわりながら、宿泊先のドーミーイン鹿児島に戻る。
18時30分、ホテルから徒歩で移動し、天文館のにぎわいを楽しむ。
18時40分、鹿児島産の材料、地元料理にこだわった「さつま酒飯店 和総」(電話:050-3464-6336)に入り、夕食を兼ねた懇親会。
生ビールのあとは、地元でしか流通していない芋焼酎や特産品である「へつか橙の白いぽん酢」をかけた地魚のカルパッチョ、平たい麺のようなところてんなど、すっかり鹿児島の味を堪能した。
シメはオーナー自慢のカレーであり、これも絶品であった。
21時過ぎにお開きとなり、鹿児島県民には鉄板ネタという「永田シロアリ研究所」の「殺し屋参上」のシャッターを見つつ、そぞろ歩きで二次会のお店に移動。
24時、ホテルに戻る。
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