6時に起床し、二見ヶ浦の海岸にある二見興玉神社に向かう。夫婦岩から望む日の出を楽しもうと思ったのだが、あいにくの曇りで綺麗な朝日を拝むことはできなかった。神社を参拝し、帰路につく。
この地も観光客が多いが、悪戯も多いようで、駐車場にあるお土産屋さんや案内の看板などにはスプレーの走り書きのようなものが見受けられる。つい最近に書かれたと分かる「HGフォー」の文字もあった。情けない限りである。
8時、旅館に戻り、部屋で朝食。新潟から来ておいて言う言葉ではないと思うが、ご飯と漬け物が・・・・で、あまり食が進まない。朝の湯豆腐は嬉しいものだが、ご飯がバサバサ、漬け物が既製品の着色料たっぷりの壺漬けやしば漬け。ご飯は軽く一膳のみ。
10時過ぎ、松阪市の納豆メーカーさん奥野食品・奥野社長と待ち合わせて、毎年恒例の伊勢神宮参拝。
平日にもかかわらず、おかげ横町は人であふれている。煎餅の焼けるいい匂いがしたので、寺子屋本舗(京都市右京区西院東貝川町10-2 電話:0120-39-5226)が出店しているお店で「激辛一味 120円」を購入。30代のむさ苦しい男二人で煎餅を食べながら歩く姿は、よく考えたら不気味である。
伊勢神宮内を進むと段々と清まってくる感じがするのは気のせいであろうか。
商売繁盛や健康はもとより、
我が国の弥栄(いやさか)を願い
参拝。
神宮(伊勢神宮)は、20年ごとに内宮・外宮の御正殿を始め全ての建物を建て変え、ご神体も新神殿に遷る。これを神宮式年遷宮というが、690年の持統天皇の御代に始まり、戦国時代などの混乱、中断期を除き、1993年の第61回式年遷宮まで20年ごと(一部不定期な期間があり)に行われ続けている。次の第62回式年遷宮は2013年。そのための土地などが公開されていた。
御札や御守りを購入。神宮内にいる鶏が気持ちよさそうにひなたぼっこをしていた。神社には、それぞれの神にかかわる使い、神使がいる。伊勢神宮では鶏である。
参拝あとの恒例であるカケチカラ会さん奉仕の甘酒を頂戴する。胃にしみるような温かさと爽やかな甘みが心地よい。まわりの人からも、グイと飲んでは「ほぉぉぉ~」などの声を発している。
12時を過ぎたところで、奥野社長も噂に美味いと聞いたという「五十鈴川河畔 とうふや」(電話:0596-28-1028)で昼食。外には漬け物用の大根が干してあるところからして、既に美味そうな香りがしてくる。店内は、古民家を移築したような造り。土間もあり、かまども昔そのままだ。
「とうふや膳 2000円」を注文。お正月らしく、黒豆や大根膾、田作り(ごまめ)、鴨ロース、イカの詰め煮がついていた。
まずは伊勢湾でとれたという穴子の天ぷら。ザクッと上あごに痛いばかりの衣のなかから、もうもうと湯気を立てて、とろけるような穴子。天つゆと大根おろしがついていたが、これは塩でビールとともに楽しみたい感じである。
手作りの寄せ豆腐は、最初はそのまま、続いて天然塩、最後にネギ、生姜などの薬味とともにタレをかけるという3種類の食べ方を楽しめる。これも国産の大豆を使って丁寧な仕事がしてあるものの、東京都葛飾の埼玉屋さんをはじめ気合いある豆腐屋さんとの付き合いがあるせいか、申し訳ないが大きな感動まではいかなかった。
とはいうものの、すっかり満足の昼食であったのも事実である。次回も伊勢湾の穴子を食べにくると思う。
食後の腹ごなしということで、伊勢の失敗観光施設の代表と言われる「伊勢・安土桃山文化村」に移動。派手な色合いの城が特徴的である。車で駐車場のゲートに行くと、駐車料金700円とある。「高いなぁ~」と思いつつ、勉強だと思って、安土桃山時代の庶民の格好をした妙齢の女性に1000円を渡すと、
「はい、お釣り300両です」
「・・・・・・」
駄菓子屋のおばちゃん級である。駐車場に入ってみると、これまた誰も歩いておらず閑散としている。平日なので仕方がないのかと思って、窓口にいくと、入場料4900円。
この時点でこの施設の失敗と言われる理由が分かった感じがした。超ド級、いや超大和級の「今どきこんな商売ないだろぉ~」である。もちろん、入場はせずそのまま駐車場を十分に楽しみ、鳥羽方面に向かった。
鳥羽といえば、鳥羽一郎・山川豊兄弟?、そして海女さんと牡蠣のイメージである。
故・伊丹十三監督の映画『タンポポ』でのワンシーン。白いスーツを来た男、役所広司。まだ少女のあどけなさを残す若い海女さんから売ってもらった牡蠣を食べようと、殻に直接口をつけるが、殻で唇を切る。切った唇からしたたり流れる血を海女さんがエロティックに舐めあげ、最後には海女さんの手から直接牡蠣を食べる、あのシーンも思い出す。
それはさておき、こちらも毎年恒例、牡蠣の国・浦村で、牡蠣の養殖をされている「中山かき養殖場」(〒517-0025 三重県鳥羽市浦村町1208 電話:0599-32-5053 FAX0599-32-5686)に行く。ここでは、養殖の牡蠣を目の前で剥いて、生か焼きで食べさせてくれる。1個100円。養殖といえども、旬の冬。口に含むと、ピュッと海水の塩気が口に広がった後に濃厚な牡蠣の旨味、そして噛み締めると貝柱の甘みが余韻を残す。結局、焼き8個、生21個を食べた・・・いくら牡蠣好きとはいえ、我ながらアホである。
好物の牡蠣で満足したのち、伊勢市に戻り、みえのふるさと先導人でもある桜自然塾社長、ゴーリキマリンビレッジ支配人の大塚隆氏と打ち合わせ。大塚氏は、地元経済界では「経営の野人」の異名をもち、沈没しかけた観光施設の立て直しに奔走されている。
色々なビジネス展開などを含めて、2時間ほど話こむ。そのうち一つは今年、新規事業として立ち上げる予定。毎年の参拝だけではなく、仕事の話もでき、今年は良いスタートである。
18時過ぎ、奥野社長と別れ、旅館に戻る。昨日と同じ「浜千代館」(電話:0596-43-2050)。風呂に入り、19時から部屋で夕食。
先付けは、数の子、紅餡、田作り、卵焼き、梅酒漬け梅の甘露煮。酢の物は蛸、くらげの黄身酢和え。
小鉢は、鳥貝のマヨネーズ和え、海老芋しんじょ。貝類が好きなので鳥貝のコリコリは嬉しい。
お造りは、鯛を中心にした姿盛り。日本の旅館伝統らしく、仲居さんに「2日間、お世話になります」と寸志を渡したのが効いたのであろうか?豪華である。残った鯛の頭などは厨房を貸してもらえれば、潮汁でも作るところ。天ぷらは、なす、大葉、アーモンドをまぶした衣の海老、甘藷。甘藷は残念ながら、中心が生のままの揚げミスであった。
鍋物は、海老、鶏肉、白菜を中心にしたさっぱり味。またもバサバサ気味のご飯を入れて雑炊に。伊勢エビを半身にした焼物は、海老の味噌の濃厚さにヤラれた。
牡蠣を蒸したほうらく焼き、大蛤の吸い物。しかし、昼に目の前に剥いてくれた牡蠣を食べてしまったので、感動はなし。最後にみかんと苺のデザートで終了。
またも満腹で、いつ寝たのか分からず。
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